2016年は時代の転換期!?仕事・働き方・ライフスタイルが大変化!

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大ヒット映画の『バック・トゥ・ザ・フューチャー(Back to the Future)』シリーズの2作目で、主人公のマーティが1985年から30年後の2015年10月21日にタイム・スリップするシーンがあり、30年前の人たちが未来をどのように予測していたのかを垣間見ることができます。

ナイキは、自動靴ひも調整機能付きのスニーカー『Nike Mag』を実際に開発し、2015年10月21日に主人公マーティを演じたマルケル・J・フォックスに送られ、2016年には一般向けにオークションが行われることが発表されました。

映画に出てきた大画面薄型テレビでのテレビ電話は、スカイプやFaceTimeなどで誰もがいつでも行うことができ、多くの家庭に大型テレビが普及し、そのテレビに映し出すことも可能です。タブレット型のコンピューターを使うシーンや、メガネ型の端末を使うシーンも映画の中で描かれていますが、iPadやGoogle Glassなど誰もが簡単に手に入れることが出来る時代になっています。タイム・スリップが出来るデロリアンこそ開発されていませんが、30年前の人たちが思っているよりも、時代の変化のスピードは速いように感じます。

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↑映画の中で描かれた2015年よりも、実際の2015年はずっとテクノロジーが発達している

 

クリントン元アメリカ大統領やエリック・シュミットGoogle会長が大絶賛し、今やフォーチュン400に選ばれる世界のトップ企業の経営者は誰もが読んでいると言われている、ピーター・H・ディアマンディスとスティーヴン・コトラーの著書『Bold: How to Go Big, Create Wealth and Impact the World(日本語版:ボールド 突き抜ける力)』の中では、これからの時代はエクスポネンシャル(指数関数的)成長をする新興企業がいとも簡単に超巨大企業を追い越すことが書かれています。

世界を変えるのは、レバレッジを発揮する起業家

ということを、世界中に知らしめた一冊であり、今世界中のトップビジネスマンたちはいかにお金や人にレバレッジをかけて、ビジネスをやるかということに注力しています。例えば、Airbnb(エアービアンドビー)は、発足からわずか6年で世界の192ヶ国3万4000都市にある60万以上の物件を記載し、時価総額は100億ドルと、長年世界のトップに君臨していたハイアット・ホテルズ・コーポレーションの84億ドルをいとも簡単に抜いてしまいました。Uber(ウーバー)は、モバイルサービスを提供し始めて4年で、世界35都市でサービスを展開、時価総額は180億ドルを突破し、今やどんな巨大なタクシー業界も追い付くことが出来ません。今まで安定や安泰の代名詞だった大企業は、その大きさが故にフットワークが悪く、コダック社のように世界を牛耳っていていも、一瞬でエクスポネンシャルな成長をする企業に潰されてしまうのです。

時代は、急激な速度で変わっており、バック・トゥ・ザ・フューチャーで描かれた30年後よりも速いスピードで世界は変化しています。

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↑エクスポネンシャル成長をする企業が、巨大企業を一瞬で追い抜いてしまう時代の到来 (画像:Uber)

 

多くの経済学者や評論家が2015年前後から大きな時代の転換期を迎えると言っており、その兆しが見え始めたのが2015年でした。歴史を70年で1つのサイクルと考える70年周期説を元に考えると、70年前の1945年は太平洋戦争の終戦です。さらに70年前の1875年は西南戦争の直前であり、江戸幕府が終焉し、明治維新の終結に繋がる時期です。

2015年からの数年は、これらの二つの変化以上の変化が起きると言われていますが、注意しなければならないのは今回の大きな変化は『目に見えない変化』であるということです。

日本にダイレクトレスポンスマーケティングやマインドマップを導入した神田昌典さんは、2012年Amazonのビジネス書・自己啓発書ランキングで売り上げ1位を獲得した『2022―これから10年、活躍できる人の条件』の中で、この70年周期論について書いています。これから数年で、世の中の常識がガラッと変わると言い、日本中に衝撃を与えましたが、発売から数年が経ち本書の内容がどんどん現実化しており、激動の数年が始まっていることに多くの人が疑問を持たなくなりました。

七〇年前を振り返ることで、いま私たちの生きる時代の流れが見えてくると、その延長線上に、未来が浮き上がってくる。その未来とは、明治維新、太平洋戦争終戦に匹敵する社会的変革だ。

神田昌典|2022―これから10年、活躍できる人の条件(P.30)

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(画像:2022―これから10年、活躍できる人の条件)

 

2015年の日本を騒がせた事件の一つに、東芝の2238億円巨額粉飾決算、5500億円の大赤字、そして約7800名の空前の大リストラがあります。東芝は、数年前から業績不振に苦しんでおりましたが、原子力発電など世界に誇る技術を有しており、大学生の就職活動でも非常に人気を集める企業でしたが、歴代社長3名と当時の最高財務責任者(CFO)2名の計5名を相手取った損害賠償請求訴訟にまで発展しました。

シャープは、全社員に自社の家電製品を購入することを実質的なノルマと課して、業績回復に向けて取り組んでいますが、状況を打開するには全くいたっていません。

東芝、シャープは、ソニーやパナソニックなどとともに、『ジャパン アズ ナンバーワン』と世界に日本の立ち位置や高度な技術力を知らせしめたにも関わらず、いつしか日本の足を引っ張る存在になってしまいました。

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↑日本を牽引していた大企業が、一瞬で足を引っ張る存在へ(画像: Lucian Milasan / Shutterstock)

 

神田昌典さんは、時代の転換期には、かつてのヒーローが戦犯になると言っていますが、東芝やシャープはその一例のように思えます。もちろん『2022―これから10年、活躍できる人の条件』が発売されたのは2012年であり、神田昌典さんの先見性の高さと70年周期論の妥当性を感じます。

時代が変わる時には突如として、
・英雄が、戦犯になる
・出世街道にいた人たちが、突如仕事を失う。
・輝いていた職業が、軽蔑されるようになる。

神田昌典|2022―これから10年、活躍できる人の条件(P.31)

西郷隆盛

↑140年前に英雄・西郷隆盛らの薩軍が討たれたように、一昔前のヒーローが戦犯になる

 

NPO団体のオックスファム・アメリカが発表した調査結果によると、世界のトップ1%の最富裕層と呼ばれる人たちが、2016年には世界全体の富の50%以上を持つようになることが明らかになりました。世の中には様々なものに20:80の法則が働き、富に関してもトップ20%の人が全体の80%の富を持つと言われていましたが、実際には物凄い格差があり、トップ20%の富裕層が世界の富の94.5%を保有しており、残りの80%の人たちでたった5.5%を分けていることが判明しました。さらに世界のトップ80人が持つ資産は、下位35億人が保有する資産と同等の資産を持っていることも明らかになりました。

オックスファム

↑世界の富の94.5%はたったトップ20%の人が持っている

 

景気は一向に上向かず、日本の未来が明るいと言える出来事も何もなく、失われた10年が20年になり、失われた30年にまでなりそうな勢いなのが今の日本の現状です。日本の経済財政政策担当大臣や金融担当大臣、総務大臣、郵政民営化担当大臣を歴任し、現在の安倍首相が経済諮問役として重宝している経済学者の竹中平蔵さんは次のように言います。

グローバル化やデジタル化によって生活水準が下がるのは当たり前の時代

給料が下がったと不満を言う労働者。普通に働いてるだけでは生活水準は低下するのです!

竹中平蔵

日本人にとって、『普通』という言葉はとても使い勝手が良く、自分が『普通』であると安心感を持ちます。古くから『出る杭は打たれる』、『長い物には巻かれろ』といった言葉があり、世界でも稀に見る島国で他の民族から侵略を受けたことがない日本では、他人と同じであるという群集心理は非常に良い物のように思われますが、これからの世界ではこの集団意識は仇となるように感じます。

出る杭は打たれる

↑会社にしがみつき、他の人と同じことをすれば、どんどん貧乏になる時代

 

厚生労働省が2015年7月に発表した平成26年版『国民生活基礎調査の概況』によると、世帯当たりの所得は1994年が664.2万円なのに対し、2014年は528.9万円と20%以上減少しており、世界でも類を見ないほど家計所得が減っています。アメリカ、イギリス、フランスでは20年間で約2~2.5倍の増加、インドや中国に至っては約10倍の増加をしており、日本は世界の中でも異常な衰退国に入っていることがわかります。今まではデフレで物価が下がっていたため、家計の苦しさも誤魔化されていましたが、インフレ基調に入っているこれからの時代は、竹中平蔵さんが言うように「普通とは生活水準が下がること」であり、会社にしがみつく人は低所得者層へ入っていき、個人としての価値を高め、会社に頼らず稼げる力を手にした一部の人のみが富裕層へ仲間入りしていくことになります。

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↑世界で最も衰退する日本を横目に、アジアの国々は物凄いスピードで発展し、働く国を選ぶ時代が到来

 

ユニクロなどを全世界で展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は、『2020年に売上高5兆円』を目標に掲げ、真のグローバルカンパニーへ成長させ続けています。注目すべきは、売上高5兆円のうち4兆円は海外からの売上を計画しており、2015年10月に発表した決算では既に売上全体の35.9%が海外となっています。新入社員に関しても、数年前から約8割を外国人としており、グローバルに展開を続けています。ソニーや楽天なども3割以上は外国人を採用しており、これからの時代、人口の減り続ける日本だけで仕事やライフスタイルを設計していくのは非常に危険なことだとわかります。職業を選ぶのではなく、働く国や地域を選ぶ時代が来ています。

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↑企業も個人も日本国内だけにいては生きていけない時代 (画像:March Marcho / Shutterstock)

 

 

神田昌典さんは、過去のデータを元にした天気予報と同様に、歴史を振り返れば未来を予報ができると言います。また明治時代の思想家、哲学者として著名な岡倉天心は、過去を知ることと変化していくことの重要性を述べています。

歴史の中に未来の秘密がある。我々は、我々の歴史の中に、我々の未来の秘密が横たわっていると言うことを本能的に知る。変化こそ唯一の永遠である。

岡倉天心

例えば、10年前を思い出してみましょう。10年前といわれると、いまとそんなに変わらないように思いますが、実際は時代は激変しています。しかし、10年前の世の中には、faceboookやYouTubeがこの世に誕生したばかりで、iPhoneに至ってはいまだ発売もされていませんでした。

10年前なかったもの

20年前はどうでしょうか?20年前は、今や誰もが使っているAmazonや楽天すら誕生しておらず、Internet Explorerがようやく世の中に出た頃です。たった20年ですが、世の中や私たちのライフスタイルは激変しているのです。

20年前なかったもの

 

未だに日本では大企業や歴史ある企業で働くことが安心で安泰といった昭和の価値観が残っていますが、そうした時代はとうに終わりを迎えていることを認識しなければなりません。東京商工リサーチのデータによれば、日本では毎年1万社前後の会社が倒産していますが、そのうち約3割は創業30年以上の歴史ある企業です。また厚生労働省のデータによると日本の一般労働者の平均勤続年数は平成24年は男性13.2年、女性8.9年と終身雇用制度は多くの会社で残っていないことがわかります。

ホリエモンこと堀江貴文さんは、近畿大学の卒業式のスピーチで次のように語り、感動を呼んだことが記憶に新しいです。

これまでは、卒業したあと就職活動とか、まあたぶんしたんでしょうけど、同じ会社でずっと勤めあげて、定年退職して、その間に家族を持って、家を建ててみたいな、まあいわゆる普通の生活というのを、このあと皆さんは送っていくことになったのかもしれませんが、そんな未来は、おそらく皆さんのうちの本当にごく一部の人しかそういった未来を歩まない、いや歩めないと思います。

堀江貴文

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(画像:「平成26年度近畿大学卒業式」 堀江貴文氏メッセージ)

米デューク大学の研究者のキャシー・デビッドソンさんの発表した研究結果は、世界中を驚かせましたが、今やこの研究結果を誰もが妥当なものと認識しているはずです。良い大学に入り、良い会社に就職しなさいというアドバイスを多くの親が子供に向かってしていましたが、将来就く職業が今はまだ存在していないため、こうしたアドバイスはすべて無駄であり、未だにこうしたアドバイスをしている親は時代の流れを理解できていない無能な親であることをアピールしているようなものです。

米国で2011年度に入学した小学生の65%は、大学卒業時、今は存在していない職に就くだろう

キャシー・デビッドソン

野村総合研究所は、英オックスフォード大学のマイケル A. オズボーン准教授とカール・ベネディクト・フレイ博士と共同で日本国内601種類の職業について調べた結果、『10~20年後に、日本の労働人口の約49%が就いている職業は人工知能やロボットなどのテクノロジーに代替される』との研究結果を発表しました。

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(↑日本人のうち二人に一人は、間もなくロボットに職を奪われる)

 

2015年は、3Dプリンター元年やAI元年などと呼ばれ、3Dプリンターはいとも簡単に車や家を作るようになり、町にはPepper君が至る所で接客をし、コールセンターではIBM社のワトソンが大活躍するようになりました。2015年という、たった365日でしたが、近年稀にみる大変化が起きた年です。その変化に気が付いていない人は、2016年からの大変化にも気が付くことが出来ないかもしれません。しかし、時代の流れに敏感な人はこうした変化が私たちの生活に多大な影響を与えることをわかっています。

時代の流れをしっかり読み取り波に乗るのか、時代に翻弄されいつも流されてばかりの人生を送るのか、それは自分の努力次第です。多くの人がいうように2016年は大変化の一年であることは間違いがありません。そうした一年を無駄にしないように自分に投資をしていくべきだと感じます。

 

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