2020年1月11日、第252回目の東京アキバ読書会を開催いたしました。
お正月気分も抜け去り、新年に新たなことにチャレンジしたいという気持ちで読書会にご参加いただいた方も多かったように感じます。
前回の開催が1月4日だったため、まだ帰省中の方もいらっしゃいましたが、今回は先週参加できなかった方もたくさんご参加され、合計で20名での読書会となりました。
新年ということもあり、初参加の方にも8名ご参加いただき、急遽部屋を大きな部屋に変更しての開催となりました。
今回の東京アキバ読書会にご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。
東京アキバ読書会のハイライト
(画像:WALL STREET JOURNAL|ロボットが採用審査、突破の秘訣は?)
今回の東京アキバ読書会は、2019年12月18日にWALL STREET JOURNALに掲載された『ロボットが採用審査、突破の秘訣は?』の話題からスタートいたしました。
今までは、企業の採用といえば、採用担当者が膨大な時間と労力をかけ、書類選考を行い、面接を行っていました。
しかし、これからの時代は、ロボットに採用の合否を決められてしまう時代が来るかも知れません。
お隣の国の中国では、アリババグループの関連企業アント・フィナンシャルサービスグループが開発した個人信用評価システムである、芝麻信用(ジーマしんよう、セサミ・クレジット)が普及し、国民のあらゆる行動から個人が数値として評価されています。
ありとあらゆるサービスがアリババに関連している中国では、芝麻信用が低下し、アリババからの評価が低くなることは、中国国内で生活していくことが出来なくなるほど大きな力があり、今まで多くの人が守らなかった法律や道徳的な行動を、芝麻信用のスコアの維持ために守るようになってきているとまで言われています。
日本でも、みずほ銀行とソフトバンクグループの共同出資しているJ.Score(ジェイスコア)や、ドコモスコアリング、LINE Score(ラインスコア)と言った個人の信用を評価する仕組みが次々と現れています。
まだまだ日本での普及は先のことかも知れませんが、将来徐々に普及していくことで、私たちのあらゆる消費行動がスコアとして評価されるかも知れません。
人気テレビアニメの『PSYCHO-PASS サイコパス』では、人間のあらゆる心理状態や性格傾向の計測を可能になり、それを数値化する機能を持つ「シビュラシステム」が整備された日本の未来を描いています。
『PSYCHO-PASS サイコパス』では、人々は「シビュラシステム」からの評価を気にしながら、毎日生活することになり、「シビュラシステム」が一つの正義になっています。
「シビュラシステム」ほど監視される未来はディストピアかも知れませんが、それに近いことが数年後現実となるかも知れません。
そうした時代にもしっかりと評価される人になるために、今からしっかりとした知識をつけるために読書などをしていくことが重要に感じます。
読書会の参加者構成
今回の東京アキバ読書会には、初参加の方8名にもご参加いただきました。
半分以上の方が初参加、もしくは5回目以下ということで、今まで読書会に参加したことがなかった方にも、魅力が伝わり始めているように感じます。
読書会に参加された方の感想
満足:3名
普通:1名
不満:0名
大変不満:0名
今回の東京アキバ読書会は、ご参加いただいた方のうち、95%の方が大変満足もしくは満足という非常に高い評価をつけていただくことができました。
アンケートに記載いただいた感想の一部をご紹介いたします。

満足度: 5点満点中5点
感想: 自分が手に取らないような本を紹介してもらえて、教養が深まった気がします。何歳になっても、成功してやろうという気持ちが大切だと学びました。

満足度: 5点満点中5点
感想: 読書、インプットに積極的な方々と話せたことが良かった。

満足度: 5点満点中5点
感想: 様々なバックグラウンドの方の本の紹介を聞けて刺激になりました。

満足度: 5点満点中5点
感想: 自分の知らないことの多さを実感できました。

満足度: 5点満点中4点
感想: 非常に面白かったです。ネットの書評サイトでは得られないライブ感が楽しい。

満足度: 5点満点中5点
感想: いつも以上に人数がたくさんいて、同じ世代の人たちと読書について語り合えるのはとても面白い。周りの人たちが頑張っているから、自分も頑張ろうといつも勇気をもらっています。

満足度: 5点満点中5点
感想: 今日もいい本に出会えました。また来ます。他の人がどうやって紹介をして、話を進めていくのか、参考になりました。

満足度: 5点満点中5点
感想: それぞれの方が異なるジャンルの本を紹介していて興味を持った。また自分のアウトプットの場にもなって良い場でした。

満足度: 5点満点中3点
感想: いろんな本を知れたので面白かったです。資本主義の話がとても参考になりました。

満足度: 5点満点中5点
感想: たくさんの本に出会えてとても良かったです。思いや学んだことを伝えるのが新しい経験でした。

満足度: 5点満点中5点
感想: 何度も参加させていただいていますが、毎回新しい発見があるので、読書会に来るのが毎回楽しみです。

満足度: 5点満点中5点
感想: 今日の読書会はすごくレベルが高いと思いました。非常に良い刺激を受けました。ありがとうございます。

満足度: 5点満点中5点
感想: 今日は、「退屈」と「暇」について知ることができた有意義な1日でした。

満足度: 5点満点中5点
感想: 参加者の方がとても面白くて、読書会はもっと静かな会かと思ったので、参加して本当に良かった。

満足度: 5点満点中5点
感想: バリエーション豊かな読書会で勉強になった。

満足度: 5点満点中4点
感想: 知らない / 読まない分野を知れて面白かった。読書会のメリットの話がとても勉強になった。

満足度: 5点満点中5点
感想: 1人で本を読むだけでなく、みんなで感想や意見をシェアすることで、今まで以上に読書が充実するようになり、ありがたいです。

満足度: 5点満点中4点
感想: 様々なバックグラウンドのを持った方の新しい観点を知れて良かった。

満足度: 5点満点中5点
感想: 今日もめちゃくちゃ楽しかったです!また来週も来ます!

満足度: 5点満点中5点
感想: 色々な本が知れて楽しかったです☺️
読書会で最も人気だった本はコチラ!
今回の読書会では、2テーブルに分かれて読書会を行ったため、それぞれのテーブルで人気だった本をご紹介いたします。
最も人気だった本は、國分功一郎さんの『暇と退屈の倫理学』と菊池寛さんの『恩讐の彼方に』でした。
2019年最後の読書会が記念すべき250回目の開催となりました。
250回の開催を記念して、2020年1月開催の東京アキバ読書会では、読書会の最後に最も良かったMVPの方を皆さんの投票で決定し、MVPに選ばれた方は参加費を無料とさせていただいております。
1月の読書会では、毎回この企画を実施中ですので、是非この機会に東京アキバ読書会へご参加ください。
暇と退屈の倫理学|國分功一郎
「自分らしく、自分だけの生き方のルールを見つけること。」という、誰もが考え続ける人生の壮大なテーマについて書かれた一冊が、今回の人気の一冊に選ばれました。
タイトルにある、「暇」と「退屈」という二つのワードは、一見似ており、場合によっては同じ意味のように使われることもあるかも知れません。
しかし、実際には「暇」と「退屈」は全く違う意味であると言います。
「暇」は客観的な条件であり、時間の概念の中でやることがない状態のことを言います。
一方で、「退屈」は主観的な感情のことであり、やることや予定があってもその中身がつまらないと感じれば、退屈となります。
つまり、どんなに忙しく暇ではないのに、退屈であるという場合もありますし、暇でやることがなくて退屈であるということもあります。
遥か昔、人間が定住地を持たず、各地を食糧を求めながら移動していた時代は、人間には退屈という概念はなかったと言われています。
しかし、農耕という技術を手にして、定住することが可能になったことで、人々は狩猟という技術を持っているのに使う必要がなくなり、持っている能力を持て余すような状態になり、退屈を感じるようになったそうです。
つまり、人は、自分の持っている能力や技術に満たないようなことを行っている時に退屈と感じる傾向があるそうです。
しかし、退屈を感じるような状態は避けた方が良いですが、暇がない方がいいかと言われるとそうでも内容です。
かつて、仕事は奴隷が行い、貴族は何もしないということが美徳とされていた時代もありましたし、創造性、クリエイティビティはある程度の時間の余裕がないと生まれないとも言われています。
今後、世界にベーシックインカムが広がり、人々にある程度の暇が与えられると、その暇な間に新たなイノベーティブな発想を持つ人たちがたくさん生まれてくるかも知れません。
多くの人たちが時間に追われ、自分を見失いがちな現代こそ、時間の自由を手にするということは新たな一歩を踏み出すきっかけになるのかも知れません。
恩讐の彼方に|菊池寛
今回の読書会の冒頭で、テレビアニメの『PSYCHO-PASS サイコパス』の話題をしましたが、偶然にも今回の読書会ではそのアニメのストーリーにも登場する菊池寛さんの『恩讐の彼方に』が紹介されました。
2019年3月8日には、『PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.3「恩讐の彼方に__」』が公開され、本書がフォーカスされました。
本書は、100年以上前の大正8年(1919年)1月に発売された短編集です。
大正から昭和初期に小説家・劇作家として、また「文藝春秋」を創刊し雑誌発行人としても活躍した菊池寛の作品。主君殺しの大罪を犯した市九郎は逃亡し、やがて出家して諸国を放浪していた。一方、殺された主君の子である実之助は長い仇討の旅の末、市九郎を洞窟で発見するのだが。
Amazon より
読書会で紹介された本はコチラ!
今回の読書会では、マクドナルドの創業ストーリーなどを初めとしたビジネス書、自己啓発書や小説などたくさんの本が紹介されました。
成功はゴミ箱の中に レイ・クロック自伝―世界一、億万長者を生んだ男 マクドナルド創業者|レイ・クロック, ロバート・アンダーソン
世界119カ国に約30000店と言われる、圧倒的な世界ナンバー1のファーストフードチェーンであるマクドナルドを、成功に導いたレイ・クロックの自伝です。
ユニクロの柳井正さん、ソフトバンクの孫正義さんの成功のバイブルとも言われています。
2017年には、『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』の名で映画化もされています。
意外にも思われるかも知れませんが、レイ・クロックがマクドナルドと出会ったのは、1954年で当時52歳になっていました。
若い頃からマクドナルドを成長させたのでなく、半世紀以上生きた後にマクドナルドに出会い、世界を変えるような大企業に育て上げたのです。
何歳になっても挑戦することの重要性を感じることができます。
一冊の中にたくさんの名言も含まれており、新しいことに挑戦する勇気をくれると同時に、マクドナルドの歴史やこれまでのたくさんのストーリーを感じることができます。
マンガでわかるこんなに危ない! ?消費増税|消費増税反対botちゃん
2019年10月に税率10%となった消費税が、日本人の多くの家庭のお財布を逼迫していると思います。
日本の経済状況は決して良い状態ではないことは誰の目からも明らかですが、果たして消費増税を行うことが正しい選択肢なのしょうか。
国際通貨基金(IMF)からは、日本は消費税を「2030年までに税率15%、50年までに20%に段階的に引き上げる」べきという要求をされており、この先更なる増税も予想されています。
大増刷決定!!!
増税論者を打ち倒す女神降臨!
ネットで話題沸騰! 安倍総理も読んでいる?
漫画『私立Z学園の憂鬱』の完全書籍化!女子高生の高橋あさみが「消費税」について学びながら、
政治家、官僚、財界の大物、マスコミ、経済学者など、
ひと癖もふた癖もあるキャラクターと対峙する。
彼女はどう立ち向かうのか?Amazon より
漫画で楽しく消費増税について学ぶことができる、オススメの一冊です。
「手紙屋」|喜多川泰
小説ですが、働くこととは、人生とはを考えさせてくれる不思議な一冊です。
喜多川泰さんの著書は、どれも人として成長させてくれる話が満載で、どの本もとてもオススメです。
主人公は、就職に悩む大学4年生の西山諒太。
そんな時、ひょんなきっかけからブックカフェ「書楽」を訪れたところ、次のメッセージが目に止まります。
はじめまして。手紙屋です。手紙一筋10年、きっとあなたの人生のお役に立てるはずです。私に手紙を出してください。
ここから、西山諒太と会ったこともない手紙屋という人との10通の文通がスタートします。
怪しみながら出した手紙でしたが、毎回丁寧な返信があり、西山諒太は手紙のやりとりと共に成長していきます。
人生は攻略できる|橘玲
本書では、人生をロールプレイングゲームと例え、人生にもゲームにも攻略法があると言います。
ゲームをクリアするために、攻略本を読むように、本書は人生という壮大なロールプレイングゲームを攻略するための攻略本と言っても過言ではありません。
攻略法を知る前に認識しなければいけないのが、現代はゲームのルールが急激に変化しているということで、過去のルールではこれからの人生は攻略できないということです。
最初にいっておかなければならないのは、いま「人生ゲーム」の約束事が大きく変わりつつあることだ。これは日本だけでなく世界的な現象で、「一生懸命勉強していい大学に入り、大きな会社に就職して定年までこつこつ働く」とか、「そういう男性と結婚して専業主婦になる」という、お父さんやお母さんの世代の必勝法はまったく役に立たなくなってしまった。そればかりか、古いやり方にこだわっているとどんどんヒドいことになる。
橘玲さんは、幸福の定義を次のように纏めています。
(1) 好きなことを夢中でやって、いまが楽しい
(2) あとから振り返って「幸福だった」と思える
そして、この幸福な人生にも土台の土台となるのが、次の3つの資本になります。
(1) お金(金融資本)
(2) 仕事(人的資本)
(3) 愛情・友情(社会資本)
本書では、この幸福に欠かせない3つの資本をいかに築いていくかのヒントが満載です。
思考停止という病|苫米地英人
認知科学者の苫米地英人さんは、ほとんどの日本人が思考停止をしてしまっていると言います。
思考とは2種類あり、物理的な脳の活動と創造的な問題解決活動です。
前者の思考は誰もが行っていますが、後者の思考が出来ている人はあまりいないと言います。
本書では、後者の想像的な問題解決活動としての思考をどうしたらできるのかの秘密が明かされています。
本書については、下記の記事で詳しく紹介しています。
その他にご紹介いただいた本
現代広告の心理技術101―お客が買わずにいられなくなる心のカラクリとは|ドルー・エリック・ホイットマン 著
会社を変える分析の力|河本薫 著
さくらえび|さくらももこ 著
まなざしのレッスン〈1〉西洋伝統絵画|三浦篤 著
未完の資本主義 テクノロジーが変える経済の形と未来|ポール・クルーグマン、トーマス・フリードマン、トーマス・セドラチェク 他 著
マンガでわかる 未来の年表| 水上航 著
三体|劉慈欣 著
勝ち続ける意志力|梅原大吾 著
AIと日本の雇用| 岩本晃一 著
世界のビジネスリーダーがいまアートから学んでいること|ニール・ヒンディ 著
仕事は楽しいかね?|デイル・ドーテン 著
脳・心・人工知能 数理で脳を解き明かす|甘利俊一 著
走ることについて語るときに僕の語ること|村上春樹 著
まとめ
東京アキバ読書会は、秋葉原で20代・30代の若手社会人中心の読書会を開催しています。
2015年からスタートし、開催は250回を超え、今では年間500名以上の方にご参加いただく、東京最大級の読書会です。
毎回、初めて読書会に参加するという方にもたくさんご参加いただいています。
少しでも東京アキバ読書会にご興味がおありの方は、下記より詳細をご確認ください。
次回の開催は、1月18日(土)9:30-12:00になります。
初参加の方も大歓迎ですので、奮って東京アキバ読書会へのご参加ください。