2020年1月25日、第254回目の東京アキバ読書会を開催いたしました。
1月の最終開催となった今回ですが、初めてご参加いただいた4名にもご参加いただき、合計23名での開催となりました。
1月は、合計4回の開催で、8名、20名、21名、23名と合計72名の方にご参加いただきました。
たくさんの方に東京アキバ読書会にご参加いただき、誠にありがとうございました。
東京アキバ読書会のハイライト
(画像:NHK NEWS WEB|日本型雇用システムの見直し明確に 経団連が春闘に向け指針)
今回の東京アキバ読書会は、経団連が新卒一括採用や終身雇用、年功型賃金などの見直しを求めたニュースからスタートいたしました。
こうした旧来の日本型のシステムが長く続いていることにより、多くの日本企業が世界での競争力を奪ってしまっており、いよいよ経団連が重い腰をあげて、グローバルスタンダードへ近づいて行こうとしています。
これからは、会社に頼るのではなく、個人で力をつけていくことがますます重要になっていくことが確実な時代になりました。
そうした時代に、読書をして、知識や教養を増やしていくことは、個人の力を増していく手段の一つであると感じます。
読書会の参加者構成
1月最後の東京アキバ読書会には、今までの歴代最多となる23名の方にご参加いただきました。
そのうち4名が初めてご参加いただく方、半分以上が5回目以内の方となり、今まで読書会に参加したことがなかった方に新たに読書会にご参加いただき初めており、大変ありがたく思います。
読書会に参加された方の感想
満足:2名
普通:0名
不満:0名
大変不満:0名
今回の東京アキバ読書会にご参加いただいた方の100%の方が、大変満足・満足と評価いただき、全ての方にご満足いただける読書会となりました。
また、91%以上の方が大変満足とご回答いただきました。
アンケートに記載いただいた感想の一部をご紹介いたします。


満足度:5点満点中5点
感想:今日も素敵な時間を過ごせました。普段交流のない方に自分の考えなどをOutputする機会は貴重なので、また来ます。皆さんの本の話すべて参考になりました。

満足度:5点満点中5点
感想:色々な本の紹介があり、面白かったです。自分の紹介内容をもう少し事前に考えておけば良かった。

満足度:5点満点中4点
感想:今回の読書会も面白かったです!!

満足度:5点満点中5点
感想:いつもより議論?が盛んでおもしろかった。

満足度:5点満点中5点
感想:普段読まないような本で面白そうなものをいくつも知れたのでとても良かったです。
いとうせいこうさんの『「国境なき医師団」になろう!』のお話が印象に残っています。知っているつもりで知らないことって思っているたくさんあるんだなと気付かされました。


満足度:5点満点中5点
感想:何度読書会に参加しても新たな本や新たな人との出会いがあって、刺激をもらっています。また来週も来ます!

満足度:5点満点中5点
感想:知らない本に出会えるので嬉しいです。

満足度:5点満点中5点
感想:たくさん参加している人や主催者の人が紹介している本が毎回特に学びになっています。全部読めるように頑張ります!

満足度:5点満点中5点
感想:いつも以上に頭を使い、朝からとても充実しました。読書会に参加すると1日有効に使えている気がして、とてもありがたいです!

満足度:5点満点中5点
感想:10回ほど読書会に参加しているが、今回は初めて参加した方の紹介が面白った。

満足度:5点満点中4点
感想:人数も多く本のバリエーションも多岐にわたっていて楽しい。

満足度:5点満点中5点
感想:最近どんどん読書会に参加する人の人数が増えていて、とても刺激になります。周りの同年代の人が本をたくさん読んでいることを知れたので、自分も負けないようにしたい。

満足度:5点満点中5点
感想:読書会に参加するまでほとんど本を読まなかったですが、いろんな人がオススメのビジネス書とかを紹介してくれて、読書の習慣がついて本当に嬉しいです。
読書会で最も人気だった本はコチラ!
今回の東京アキバ読書会は、2テーブルに分かれて実施し、それぞれのテーブルで人気の本を選出いたしました。
今回は、いとうせいこうさんの『「国境なき医師団」になろう!』と中村圭志さんの『ビジネスパーソンのための教養としての世界三大宗教』が人気の本に選ばれました。
「国境なき医師団」になろう!|いとうせいこう
国境なき医師団という言葉をどこかで聞いたことがあると思います。
しかし、その実態を知っている人はほとんどいないのではないでしょうか。
国境なき医師団のHPでは、下記のように記載されています。
国境なき医師団(Médecins Sans Frontières=MSF)は、 独立・中立・公平な立場で医療・人道援助活動を行う民間・非営利の国際団体です。1971年に設立し、1992年には日本事務局が発足しました。
国境なき医師団HP より
医師団という言葉から、ほとんどが医師で構成されている団体のように思えますが、実際には医療従事者は54%だと言います。
残りの46%は、医師が最高のパフォーマンスを現地で行えるように、先に現地入りを治療場所を確保したり、物資を配給したりなどのことを行うロジスティシャンをはじめとして、アドミニストレーター、水・衛生管理専門家、建築士、プロジェクト責任者、活動責任者、通訳、調理師、ドライバー、守衛などが在籍しています。
ユニセフは活動費の80%以上が国などからの助成金だと言われていますが、国境なき医師団は95%以上が個人からの寄付で成り立っていると言います。
その理由は、彼らの使命は現地での治療活動のみならず、現地で何が起こっているかなどを正確な目で確かめることも含まれており、国や製薬会社、武器製造会社などからの資金が入ってしまうと歪んだ情報を摘みかねないからだと言います。
ありのままの現地を確かめることが彼らの役割の一つなのです。
国境なき医師団をあまり知らないとただのボランティア団体のように感じてしまいますが、その道のスペシャリストのみが集まっており、一員になるためには英語のみならずフランス語の語学能力が必須であり、医療技術に対しても基準に満たない分野がある場合は、習得してから再度挑戦をしなければならないと言われるほどハードルは高いものだと言われています。
そのため、一員になるために大学に通い直したりするという医師もいると言います。
単なる偽善ではなく、自分の利益を度外視し、全く知らない土地の命を救うことに人生を捧げることができる人たちのみで構成されているのが、国境なき医師団なのです。
ビジネスパーソンのための教養としての世界三大宗教|中村圭志
日本人にも馴染みの深い仏教、西洋文化を支えているキリスト教、世界情勢に多大な影響を与えているイスラム教。どれも聞いたことがあり、漠然としたイメージはあると思いますが、実際にその歴史や文化などを深く理解している人は日本人の中にはあまり多くないと思います。
本書は、図解で、それぞれの宗教についてわかりやすくビジネスパーソン向けに紹介してくれています。
宗教と聞くと、それだけで少し抵抗を感じてしまう人もいるかも知れませんが、そのような必要はなく、宗教は信者にとってただの生活習慣に過ぎないと言います。
感覚的には、日本人が「ご飯を食べるときにいただきます」という事や、「新年だから神社にお参りに行こう」と行った感覚と同じで、「ご飯の前にお祈りをしよう」「日曜日の朝は教会にいこう」という程度のものなのです。
一部過激派もいますが、それはごく僅かであり、過激だから故にクローズアップされているだけであり、大部分の人の信仰は日本人が普段行っている習慣とほぼ変わらないと言います。
今後グローバル化が進み、日本人の人口は減っていく中で、宗教の違う人たちと交わる機会がますます増えて行きます。
そのときに本書のようなそれぞれの宗教の基本的なコンセプトを理解しておくことは、友好な人間関係を築いていく中で、欠かせないものになっていくはずです。
読書会で紹介された本はコチラ!
今回の東京アキバ読書会では、偶然にも橘玲さんの『上級国民/下級国民』をお二人の方がお持ちいただいたり、全13巻の漫画を全巻お持ちいただいた方がいらっしゃるなど、非常にバラエティに飛んだ内容になりました。
その一部をご紹介いたします。
上級国民/下級国民|橘玲
ベストセラー『言ってはいけない』の橘玲さんの著書ですが、今回の読書会には偶然にも2名の方がお持ちいただいていました。2019年の読書会でも何度も紹介され、今年になってもその人気の冷めていません。
2019年4月に池袋で起こった交通事故の加害者が元官僚であり、複数の死者を出したにも関わらず逮捕されなかったことからインターネット上で話題になり、流行語大賞にもノミネートされた「上級国民」という言葉。誰もが、その存在を気が付きながらも、見て見ぬふりをしていましたが、2019年にその封印が解かれたのです。
橘玲さんは、平成という時代は、正社員の既得権を守る世代であり、これからの令和という時代は団塊の世代の年金を守る世代であると言います。
得をし続けるのは、多くの上級国民が属している団塊の世代であり、その被害を被っているのがバブル崩壊後以降に社会に出た今の若い世代達なのです。
団塊の世代の人たちは「今の若者達は、、、」と愚痴を漏らしますが、若い世代が活躍できない要因の一つは、団塊の世代が甘い蜜を吸い、そのツケを若い世代が払っているからです。
今世界で起こっている様々な暴動の根本的な原因は、下級国民から上級国民への抗議活動に他なりません。
日本の若者も今こそ行動を起こし、下級国民から這い上がる時が来たのです。
あとがきでは、これからの時代に活躍できる二つの働き方が紹介されており、そのどちらかに挑戦していくことが私たちが道を切り開く手段なのです。
ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉|リンダ・グラットン
「漫然と迎える未来」には孤独で貧困な人生が待ち受け、
「主体的に築く未来」には自由で創造的な人生がある。
どちらの人生になるかは、〈ワーク・シフト〉できるか否かにかかっている。
リンダ・グラットン|ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉
ロンドン・ビジネススクール教授のリンダ・グラットンさんが2025年の働き方を記した一冊であり、この本の出版以降世界中で働き方の大変革が起こり始めました。
日本でも多くの働き方に関する本が出版されるようになり、日本政府までもが働き方改革に動き始めましたが、その根本になっているのが、本書の考え方です。
働き方が変化する要因は、次の5つです。
- テクノロジーの発展
- グローバル化
- 人口構成の変化と長寿化
- 個人、家族、社会の変化
- エネルギーと環境問題
これらの5つの要因が、2025年までに世界中の人々の働き方を大変革していくのです。
本書については、下記の記事で詳しくご紹介しています。
ハートドリブン 目に見えないものを大切にする力 (NewsPicks Book)|塩田元規
アカツキの創業者の1人である塩田元規さんの著書です。
アカツキの創業は、2010年でマンションのリビングから3人で始まった会社ですが、2017年には東証一部へ上場するほどの急成長を遂げました。
そんなアカツキの塩田元規さんは、これからの時代に私たちは心を大切にし、心の中の魂を成長させていくことが大事だと言います。
タイトルにもなっているハートドリブンとは、
ドリブンとは『身体の内側から出てくる原動力』という意味。さまざまな感情を内包する『ハート』と組み合わせることで、『一人ひとりが自分のワクワクする感情に突き動かされて行動する社会をつくろう』ということを表現しています。
現代社会において、多くの人が偽のダイヤを追いかけていないかと警鐘を鳴らしています。
偽のダイヤとは、周りの人が良いという学校や会社、資格、役職などのことです。
本当は自分の心の中では欲しいと思っていない偽物のダイヤを求めているのではないでしょうか。
偽物のダイヤを手に入れれば人生が良くなると自分を押し殺している人があまりにも多いように感じます。
心の底からあなたが欲しかった本物のダイヤモンドを探して、手に入れなければなりません。
本書については、下記のブログで詳しくご紹介しています。

2022――これから10年、活躍できる人の条件|神田昌典
東京アキバ読書会の開催のきっかけになった神田昌典さんの『2022――これから10年、活躍できる人の条件』が紹介されました。
2019年の東京アキバ読書会では、年間を通して、最も多く紹介された本でもあり、発売から約8年が経ってもいまだに色褪せない人気を誇っています。
2012年から10年後の2022年を予測した内容ということもあり、2022年を目前に控えた今こそ読み応えのある一冊です。
今読むことによって、神田昌典さんの先見性の高さに驚かされるはずです。
何故なら、本書に書かれている内容の多くが、この8年間の間に本当に現実化してしまっているからです。
本書の書かれている内容がどれだけ実現したかを下記のブログで徹底検証しています。
ネタバレを含みますので、ご注意ください。
下記のブログでも本書について、ご紹介しています。
その他にご紹介いただいた本
メモの魔力 The Magic of Memos (NewsPicks Book)|前田裕二 著
妻は他人 だから夫婦は面白い|さわぐちけいすけ 著
人生で本当に大切なこと 壁にぶつかっている君たちへ|王貞治、岡田武史 著
日本がヤバイではなく、世界がオモシロイから僕らは動く。|太田英基 著
嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え|岸見一郎、古賀史健 著
ヤバい集中力 1日ブッ通しでアタマが冴えわたる神ライフハック45|鈴木祐 著
ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現|フレデリック・ラルー 著
ザ・メンタルモデル 痛みの分離から統合へ向かう人の進化のテクノロジー|由佐美加子、天外伺朗 著
本の読み方 スロー・リーディングの実践|平野啓一郎 著
リーダブルコード ―より良いコードを書くためのシンプルで実践的なテクニック|Dustin Boswell、Trevor Foucher 著
日本再興戦略 (NewsPicks Book)|落合陽一 著
日本進化論|落合陽一 著
改訂版 金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学|ロバート・キヨサキ 著
ワールドエンブリオ|森山大輔 著
独学術|白取春彦 著
まとめ
東京アキバ読書会にご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。
東京アキバ読書会は、秋葉原で20代・30代の若手社会人中心の読書会を毎週開催しています。
2015年からスタートし、今では年間500名以上にご参加いただく、東京最大級の読書会の一つになりました。
初めて読書会に参加する方から、常連の方まで毎回高い満足度を感じていただいています。
少しでも東京アキバ読書会にご興味がおありの方は、下記より詳細をご確認ください。
次回の開催は、2月1日(土)9:30-12:00になります。
初参加の方も大歓迎ですので、奮って東京アキバ読書会へのご参加ください。