2040年、あなたは何歳でしょうか。
多くの人は、未来は予想ができないと言います。
確かに、未来予測は外れることも多いのが事実です。
しかし、今すでにわかっている未来はあります。
日本では、少子高齢化が進んでいくことや、年金など公的な社会保障が崩壊するのではないかと言われ続けています。
そんな先の見えない時代を生き抜かなかればいけない今の時代において、成毛眞さんの『2040年の未来予測』は、2040年の未来を先取りできる一冊です。
これまでの10年より、これからの10年の方が世界は大きく、早く変わっていくと言われています。
どんな激動の未来が待ち受けているのでしょうか。
2040年の未来予測|成毛 眞
成毛眞さんの『2040年の未来予測』は、これからの未来を考えていく上でとてもオススメの一冊です。
著者の成毛眞さんは、元日本マイクロソフト代表取締役社長であり、ビル・ゲイツと共に働いた数少ない日本人として著名です。
数々の大ヒットのビジネス書を世に送り出した成毛眞さんですが、本書を機に執筆活動を休止することも発表しています。
人生100年時代と言われて久しいですが、今80歳以下の人であれば、ほぼ確実に20年後はやってきます。
そして、20年後は、今より20歳多く歳をとっています。
本書の内容を知っているだけで、これから日本に訪れる悲劇を避けることが出来るかもしれません。
根拠のない未来予測ではなく、現在すでに起きている変化の予兆をもとに、深い考察が書かれています。
成毛眞さんは、次のように言います。
「今日」には、これから起こることの萌芽がある。
現在を見つめれば、未来の形をつかむことは誰にでもできる。
成毛眞|2040年の未来予測
本書は、次のような方にオススメです。
将来の人生・働き方に不安を感じる方
人生に悩んでいる方
未来のテクノロジーに興味がある方
20年後も生きていく予定の方
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テクノロジーの進歩だけが未来を明るくする
世界を一変させたものは過去にたくさん存在してきました。
ここ最近で世界の全てを変えてしまったものは、スマートフォンです。
特に2008年7月に発売されたiPhoneは文字通り、世界を変えました。
たった13年前には、世の中にはスマートフォンを持つ人はほとんどいなかったのです。
しかし、今では電車に乗れば、小学生からご高齢の方まで、スマートフォンでSNSや動画を見たり、ゲームをやったり、ニュースをチェックしたりするのが日常になりました。
しかし、スマートフォンが発売された当初は誰もがこんなものが普及するなんて思わなかったのです。
新しいテクノロジーが出たとき、世の大多数は否定的である。それを大衆という。世界を変える可能性に気づく人間は少ない。
新しいテクノロジーは、ありがたみがわかったときにはすでに陳腐化している。テクノロジーだけではなく、他のさまざまなことも、気づいたときには手遅れになっているのが人間の性でもある。東日本大震災があり、そのリスクをわかっていながらも、被災するまで手を打つ人は少ないし、明らかに破綻しつつある社会制度にも、本当に破綻するまでしがみつこうとする。日本の国内総生産(GDP)は増えないし、人口は増えず、老人ばかりの国になるだろう。
成毛眞|2040年の未来予測
これまでと同じ生活をしていたら、将来取り返しがつかなくなってしまう可能性もあります。
未来の可能性とリスクを本書は教えてくれます。
6Gで自動運転がやってくる
新しいテクノロジーに対して、ふつう、人は懐疑的になる。そういうものなのだ。 だからこそ、いち早くその可能性に思いを巡らせられる人にはチャンスがある。
成毛眞|2040年の未来予測
テクノロジーについて認識しておかなければならないのは、多くの人は新しいテクノロジーを疑うということです。
周りの人は信じないような変化の中に、私たちの未来の可能性が隠されているのです。
2040年には今とは全く違う未来の日常がやってくることが予想されています。
日本政府や経団連は、Society 5.0という新たな社会作りを目指しており、イメージ映像なども複数発表されています。
運転手のいない自動運転バス、ドローンによる配達、自分が入りたいと思うときに自動で沸かしてくれるお風呂、遠隔手術、前に立つだけで健康診断してくれる鏡……。2040年、これらは実用化されているだろう。
成毛眞|2040年の未来予測
こうした未来を作り上げるべく、国時代が動き出しており、ほぼ確実にくる未来なのです。
その基盤にある技術が、通信です。
2010年には、4G(LTE)が始まり、それと主にスマートフォンはどんどん普及していきました。
2020年には、5Gがスタートし、4Gの100倍の速度で通信が可能になりました。
そして、10年後の2030年には6Gがスタートし、5Gの10〜100倍の速さ、同時に接続できる機器が1000万台になると言われています。
いますでに6Gの導入に向けて、世界は動き始めています。
6Gになることで起こる変化
- 公共のバスや電車などは自動運転になる
- 上空はドローンが行き交い、どこにいても欲しいものを配達してくれる
- リアルタイム翻訳が、クラウド経由で可能になる
- テレビ会議も3Dホログラムで、目の前に人がいるような感覚になる
こうしたSF映画のような未来を信じがたいところもあると思いますが、これらは政府広報や経団連の映像の中でも描かれており、実用化が近くなっているものばかりです。
家中が便利な家電でいっぱいになる
2020年、世界でインターネットにつながっている機器は500億台だったそうです。
それが、2040年には10兆台という、天文学的な数になると言います。
個人レベルだと、2010年にインターネットに繋がった機器は、1人が2台でした。
ほぼスマートフォンとパソコンのみです。
それが、2040年には、1人1000台になると言います。
家の中の家電、自動車、触れるもの全てがインターネットにつながっていると言っても過言ではない状況がやってきます。
今であれば、アレクサを搭載した「Echo」などのスマートスピーカーが普及しつつあります。
インターネットに接続されたコーヒーメーカーがすでに発売されており、豆の残量から自動で注文などができるようになっています。
これから冷蔵庫、カーテン、鏡など、あらゆるものがインターネットに接続されていき、人の行動を先読みしてくれる便利な家が増えていくはずです。
年金、税金、医療費は、暗い未来が待ち受ける
成毛眞さんは、本書の中で1番伝えたかったことは『chapter# 02 あなたの不幸にちょっけする未来の経済−年金、税金、医療費』の章だと語っています。
テクノロジーは、明るい未来を見せてくれます。
しかし、日本に住む以上、日本の暗い未来を認識していかなければなりません。
日本では、昼に800円でランチにラーメンを食べて、夕飯で500円でコンビニ弁当を食べるという日常は、今であろうと10年前であろうと変わりません。
吉野家に行けば300円で牛丼が食べられて、ダイソーに行けば100円で物が変えます。
日本は、10年以上物価がほとんど上がっていないのです。
少し前までは、中国人が日本で爆買いをしていると、日本の観光業は栄えているように見えました。
しかし、それは日本が理想の観光地だったからではなく、自国でブランド品を買うより、日本まで飛行機で行って、ホテルに泊まってでも買ったほうが、トータルで安く買えるからにすぎません。
私たちが変わらない間に、他の国々は所得が増え、リッチになり、自国での物価が上昇し、日本に行ってでも買い物した方が得なのだ。 つまり、日本は世界でみると、「安い国」になったということである。
成毛眞|2040年の未来予測
これについては、中藤玲さんの『安いニッポン 「価格」が示す停滞』で詳しく描かれているので、あわせてお読みいただくことをおすすめします。
老人が増え、若者が減る
人口動態は、最も読みやすく、確実な未来予測です。
これから少子高齢化が進んだ、2040年は恐ろしい未来が待っています。
上の図は、厚生労働省が高校生向けに作成している『年金教材『10個の「10分間講座」』』という資料です。
これをみると、厚生労働省も今後年金はかなり厳しい状態になることを醸し出しており、それを若い世代に伝えていこうという姿勢がわかります。
少子高齢化が進んだ2040年の世界は想像するだけでも恐ろしい。団塊世代が 90歳、団塊ジュニア世代が65歳になる。そして、団塊ジュニアの4割が集中するのが首都圏だ。膨大な数の都民が高齢化を迎える。見渡す限り老人だ。過疎地ではすでに現実になっている老老介護が現実のものになる。東京都の年少人口(15歳未満)が占める割合は2019年は11%だったが、2040年以降には10%を割り込む。子育て支援に力を入れようとしても、対象となる子どもがいなくなるのに歯止めがかからない皮肉な状態だ。
成毛眞|2040年の未来予測
手取りの収入は、減り続ける
日本では、2019年に消費税が8%から10%に引き上げられました。
安倍晋三前首相は、今後10年程度は、更なる消費増税は行わないと発言をしていました。
しかし、世界各国からの見方は厳しく、更なる消費増税を求められています。
有識者からは、消費増税を先延ばしにすれば2030年以降に消費税率を20%以上に倍増せざるをえないとの指摘もある。国際機関のまなざしも厳しく、OECD(経済協力開発機構)は最大26%に、IMFは段階的に15%まで引き上げることを日本に提唱している。
消費増税に踏み切らなければ、社会保険料を引き上げるしかない。
成毛眞|2040年の未来予測
本書の中で、衝撃的な一文は次の文章です。
賃金がほぼ上がっていないにもかかわらず、社会保障は増加しており、実質的に私たちの生活は苦しくなっているのです。
10年前に比べて社会保険料の負担率は、ひとりあたり26%増えているが、賃金は3%しか伸びていない。
成毛眞|2040年の未来予測
こうした状況が続けば、勤労意欲を失う人も少なくないはずです。
退職金はなくなるかも!?
年金がなくなるということを長年言われて続けています。
実際に、人口動態を見たら、将来の年金は安泰ではないということがわかります。
すると、退職金で老後の資金を賄おうということを考える方もいると思います。
しかし、退職金も、年々減少傾向にあり、退職金制度を導入している企業も徐々に減ってきています。
退職金制度は、企業は必ず用意しなければいけないものではないのです。
社業規則に退職金の規定を設けた場合は支給しなければならない。 しかし、退職金制度を設けなくても違法ではない。
現時点では大企業では約9割、日本全体では約8割の会社が退職金制度を設けているが、減少傾向にある。厚生労働省によると、退職金制度を廃止したという企業は2008年は16.1%だったのに対し、2018年は22.2%と増えている。
たとえ退職金制度が維持されても、もらえるお金の減少は避けられないはずだ。
今から24年前の1997年、サラリーマンの平均的な退職金額は3203万円だった。それが2017年の調査では1997万円と、20年間で1000万円程度減っている。このペースで推移すれば、20年後の2040年には1000万円を割り込む可能性がある。
成毛眞|2040年の未来予測
少なくなっていく年金を退職金で賄おうとすることは、そもそも見当違いだということがわかります。
年金はおろか、退職金すらないかもしれない世界が、2040年の日本なのです。
天災は必ずやってくる
南海トラフ地震など、誰もが頭の片隅では起きることを想定していると思います。
しかし、多くの人は、まだ先だと漠然と考えるはずです。
本書の中で、多くの人たちにとって真新しい発見になるのが、富士山の噴火についてだと思います。
富士山は、活火山に分類されており、噴火する可能性がある山なのです。
最後に大噴火したのは、1707年ですが、その時には東京の都心部にも5cm、横浜には10cmの火山灰が積もったとされています。
政府が試算した首都圏が受ける被害は、噴火後の15日目に都心部では10センチほど積もり、約5億立方メートルの火山灰を都内から撤去しなければならなくなる。これは東日本大震災で発生した廃棄物の10倍にあたる。政府も対策を検討している最中なのが実情だ。
ちなみに、すぐに逃げようとしても、噴火から約3時間で都心は火山灰の直撃を受ける。国外へ逃げるのは難しいだろう。そして、国内ならばどこに逃げたところで、厳しい生活を強いられるはずだ。
成毛眞|2040年の未来予測
300年間、噴火をしていない活火山は世界的に見ても珍しいと言います。
いますぐに噴火しなかったとしても、2040年までにその予兆が出てくる可能性はもちろんあります。
そうしたことをしっかりと認識しながら、生きていく必要があるのが、これからの時代です。
まとめ
前半部分は、未来に希望を感じる内容が多いですが、1冊を通して暗い内容が多いのは事実です。
しかし、それが紛れもなく、今私たちが置かれている状況だと思います。
非常に納得感、説得感があり、学びの多い未来予測です。
最後に成毛眞さんが、私たちに送っているのは、国を忘れろということです。
1人の力で今の日本の状況を変えることは不可能です。
しかし、私たちは日本人であると同時に、アジア人であり、地球人です。
グローバル化は進み続け、日本のパスポートを持てば、世界中ほとんどの国に行くことができます。
目線を上げて、世界を見て、これから時代をどう生きていくべきか考えさせられる1冊です。
ぜひ、お手にとっていただきたいと思います。
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