ビジネス書・自己啓発書と聞くと、男性のビジネスマンが読むものというイメージを持つ人も多いかもしれません。しかし、最近本屋に行くと女性著者によるビジネス書や自己啓発書などをよく見かけます。
2007年にマッキンゼー出身の勝間和代さんの著書『年収10倍アップ勉強法 無理なく続けられる』が大ヒットしたことを発端に、カツマーブームなど働く女性が自分にさらに磨きをかけ、女性が様々な場所で男性以上に活躍することが増えてきました。その頃からビジネス書は、男性だけではなく女性も読むものとイメージが定着してきており、女性がビジネス書を読むことも珍しい事ではなくなりました。
先行きが不安な日本ですが、そんな暗い時だからこそ、男性に頼らず自立してカッコ良く生きていきたいと感じる女性が増えているのも、事実です。
今回は、そんな男性以上にカッコいい人生、男性に頼らなくても幸せな人生を送りたいという女性の背中を後押ししてくれる、女性にオススメの女性著者のビジネス書をご紹介します。
社会人女性が読むべきオススメのビジネス書・自己啓発書
21世紀を生き抜く3+1の力|佐々木裕子
2050年。あなたは何歳ですか?あなたの子どもは、何歳でしょうか? そのとき、世界はどうなっているでしょうか? あなたはそのとき、どんな生き方、働き方をしていたいですか?
これからの時代に求められるのは、「言われたことをきちんと実行する力」でも、「誰かに敷かれたレールの上をひたすら走る力」でもない!
佐々木裕子|21世紀を生き抜く3+1の力
2050年、自分は何歳でどんなことをしているでしょうか。今から35年後、日本は今よりも確実に人口が減り、高齢者の割合が物凄く増えていることは確実です。
2050年に、私たちの子供の世代は何歳になっているでしょうか?親として、子供には幸せな人生を送って欲しいと誰もが思うはずです。しかし、人口が減り、高齢者ばかりの日本で育っていくというのはどうでしょうか。
そんな2050年をテーマにした女性著者の1冊です。
日本銀行、マッキンゼー・アンド・カンパニー、ソニーで大活躍した佐々木 裕子氏の著書『21世紀を生き抜く3+1の力』です。
女性の著書ということもあり、非常にわかりやすく、女性目線で書かれた1冊で、ぜひ読んでおきたいオススメの本です。
2050年といきなり言われてもなかなかイメージがつかないと思います。未来のことを考えるには、過去を見てみる必要があります。
近い過去から見ていくと、10年前はどんな世の中だったでしょうか?2005年前後と考えると、リーマンショック前ですが、そんなに世の中も今とは変わっていないように思います。
しかし、次の画像のものが10年前には存在しなかったということを信じられるでしょうか?
人々の日々の生活の一部となっているfacebookがこの世に誕生したのは、2004年でたった10年ほど前ということに驚きが隠せません。
そして、You Tubeの誕生もちょうど10年前だということが信じられるでしょうか。You Tuberといった言葉に代表されるように、You Tubeに動画を投稿することで日々の生計を立てるという人が大量に現れることを10年前に誰が想像したでしょうか。
誰もが当たり前のように使い、電話、デジタルカメラ、MP3プレーヤー、地図、カーナビなど様々な機能を一つに搭載し、人々の日々の生活を一変させてしまったiPhoneが誕生したのはたった8年前であり、10年も経っていません。
では、20年前だったらどうでしょうか?1995年といえば、阪神淡路大震災が発生した年であり、野茂英雄投手がメジャーデビューした年でもあります。
20年前は、Internet Explorerも存在せず、こんなにも誰もが当たり前のようにインターネットにアクセルできるようになったのは、本当にここ数年のことのなのです。インターネットが使えなければ、当然インターネットで買い物をするということもできず、Amazonも楽天市場も存在していませんでした。
また、Suicaも存在しておらず、毎回行先までの運賃を調べて切符を買っていたのです。当然Suicaを使って町中の至る所で買い物ができる世の中なんて誰も想像していなかったはずです。
たった20年、たった10年でこれほどまでに世の中は変化しています。毎日なんとなく過ごしているとその変化には気が付かないことも多いですが、改めて振り返ってみると物凄いスピードで世の中は進んでいます。テクノロジーが進化している現代では、その変化のスピードは更に加速をしています。
過去10年に起きたことの何倍ものことがこれから10年で起こるということは確実です。2050年は、私たちが思っている世界とは全く違う世界が待っているのかもしれません。
やりたいことを全部やる人生~仕事ができる美人の43の秘密~|長谷川朋美
会社に仕事をしにいっても、『自分の好きな仕事じゃない』とか、『こんな上司と一緒に働きたくない』とか、『もっと髪を明るくしたいし、ネイルもしたいし、おしゃれな服で仕事したい』などと思うこともあるのではないでしょうか。
『会社に行かなくていいなら、行きたくない。。。』『白馬の王子様はいつくるのか。。。』と考えているのは、あなただけではないはずです。しかし、今の時代、白馬に乗った王子様なんていません!!!出来る女は、白馬を担いで、王子様狩りに行くのが行くのが今の時代です!
旦那の給料に頼って生きていくのではなく、もっと可愛く、もっと自分の好きな仕事を、もっと自分らしい働き方で手に入れませんか?年収300万円の女の子より、年収1000万円の女の子には良い男が集まります。
そんなあなたにオススメなのが長谷川朋美さんの『やりたいことを全部やる人生~仕事ができる美人の43の秘密~』です。
Amazonの女性の働き方に関するランキングでも、発売以来常に上位にランクインし、今女性に大人気の一冊。
高校中退から、SHIBUYA109のカリスマ店員になり、22歳で起業。現在は「美LIFEクリエイター」として活躍されている長谷川朋美さんの初の著書です。日本テレビ系「人生が変わる1分間の深イイ話」にて“モナ子長谷川”として出演し、知っているという人も多いのではないでしょうか。
ずっと同じショップで働き続けることに迷いがありましたし、そのころ、モデルの仕事の延長から、芸能事務所に所属して芸能界の仕事をするようになっていましたが、芸能界の独特の世界は自分には合わなくて、疲れてしまっていました。そして結局、事務所とショップのどちらも辞めてしまったのです。一時的にフリーターをし、路頭に迷いました。
さらにそのころ、追い打ちをかけるように、大好きだった人にもフラれてしまいました。
自分の居場所が完全になくなり、21歳で人生のどん底に落ちてしまった気分でした。
失意の日々のなか「このままじゃダメだ」と思い、自分と向き合うため、一人ロンドンに旅立ちました。はじめてのロンドンは、孤独だったけど、とても刺激的でした。
2週間ひたすら自分と向き合うなかで、自分のなかに眠っていたやりたいことがどんどん出てきて、もう一度人生に立ち向かう気持ちを取り戻すことができたのです。
そして、「やりたいことを全部やる人生にしよう!」と決めました。
しっかりと自分と向き合い、本当に自分が熱中できるものをやっていく。そんな素敵な人生の手に入れ方が書かれた一冊です。
スタンフォードの自分を変える教室|ケリー・マクゴニガル
今の自分がなかなか好きになれないという人もいるかもしれません。自分らしさってなんだろうと迷うこともあるかもしれません。失敗ばかりの自分が惨めに思えるかもしれません。
自分を変えたいと思った時に勇気づけてくれる一冊です。女心は女性にしかわからない!全世界でベストセラーになった女性著者が、自分の変え方を書いた一冊。
ケリー・マクゴニガル氏の『スタンフォードの自分を変える教室』です。
2013年には、ビジネス書大賞で、優秀翻訳ビジネス書賞を受賞し、一気に日本での知名度を上げた名著です。それ以外にも、2013年のビジネス部門年間ベストセラー第1位(日販・トーハン調べ)、Amazon.co.jp「Best of 2013」年間ランキング第1位(ビジネス・自己啓発部門)、ブック・オブ・ザ・イヤー第1位(『ダ・ヴィンチ』2013年上半期ビジネス・自己啓発部門)など数々の賞を総なめにした一冊です。
20か国以上でベストセラーを獲得し、日本だけでも60万部以上のベストセラーとなり、2015年には文庫本として再登場いたしました。スタンフォード大学で受講生の97%が人生に影響を受けたと解答したいうとてつもない教授が、著者のケリー・マクゴニガル教授です。
心理学、神経科学から経済学まで最新の科学的成果を盛り込み、受講した学生の97%に影響を与えた「驚くべきレッスン」。
これまで抽象的な概念として見られていた「意志」の力について科学の見地からさまざまな光をあて、「意志力を鍛えるには何をすればいいか?」、具体的に説いていく。
アメリカでは、「科学と戦略を有効に使ったまったく新しいタイプの自己啓発書」と評されるなど、『NYタイムズ』『タイム』他主要メディアに軒並み取り上げられ、ロングセラーを続けている。
引用元:スタンフォードの自分を変える教室
人は誰もが、いつかやろうとどんどん先延ばしにしてしまいますが、そのいつかは永遠にやってきません。「人間は先のことを楽観視してしまうので、後になれば簡単にできる・自由な時間が来るといった間違った予想をする」生き物なのです。
やるべきことを明確にし、やらないことをとことんやらないようにして、自分の人生が変わることだけに集中することができるようになる一冊です。
ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉|リンダ・グラットン
「漫然と迎える未来」には孤独で貧困な人生が待ち受け、「主体的に築く未来」には自由で創造的な人生がある
リンダ・グラットン|ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉
この言葉を本屋などで目にしたことがある方も多いと思います。世界的ベストセラーになり、日本ではビジネス書大賞2013を受賞した、女性著者による1冊です。
リンダ・グラットン氏の『ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉』です。
2025年の働き方を描いた一冊ですが、女性著者ということもあり女性のこれからの時代の働き方を考えさせられる1冊です。
自分には興味がないと思っていても、「テクノロジーの進化」、「グローバル化の進展」、「人口構成の変化と長寿化」、「社会の変化」、「エネルギー・環境問題の深刻化」といった世の中の流れは、社会で生きていく人全てに襲いかかります。それは男性も女性も関係がありません。
「仕事はこうあるべきだ」という固定観念は、近い将来まったく通用しなくなるどころか、それにしがみついていると、待っているのは暗い現実しかない。そうならないためには、自分自身の価値観を変え、働き方をシフトすることが重要だと著者は力を込める。本書では具体的に3つのシフトを提案するが、いずれにせよ時代の潮目を読む力がよりシビアに求められてくることが分かる。
ITmediaエンタープライズ編集部
むしろこうした働き方の変化は、男性よりも女性の方が受け入れられやすいのではないでしょうか。
結婚、出産、育児といったことで、なかなかまとまった時間が取れなくなったり、会社に拘束されることが障害と感じる日がきっと来るはずです。しかし、テクノロジーが発展し、世界中どこからでもインターネットにアクセスするのことが出来る今の時代、会社に行かなくても仕事は出来ます。
旦那さんよりも給料が高いのに、子育てもしている女性も珍しくありませんし、そういった女性が活躍しやすい世の中になっていると思います。これからの時代は、大企業に頼るのではなく、人的ネットワークを活用して、メガ企業のプラットフォームの上で多数のミニ起業家が活躍していく時代であると、本書で説かれています。ミニ起業家になりやすいのは、間違いなく女性です。
「主体的に築く未来」には自由で創造的な人生を手に入れたい考える全ての女性にオススメの1冊です。
不格好経営―チームDeNAの挑戦|南場智子
女性だろうと男性だろうと、本当にいろいろな働き方ができる時代になりました。続いては、女性として東証一部上場企業を創業した大事業家の一冊です。いろいろな働き方ができる時代ですが、男性以上に大きなことを成し遂げたいと考える人もとても多くなっているように感じます。
アメリカ経済紙フォーブス紙の調査では、2013年の「日本のお金持ち50人」の47位としてランクインしている南場智子さんの『不格好経営―チームDeNAの挑戦』です。なんと、南場智子さんは、純資産532億円(5.5億ドル)だとも言われています。
今では誰もが知る巨大IT企業のDeNAを創業した、南場智子さん。元々は、世界最強の頭脳集団であるマッキンゼー・アンド・カンパニーで活躍したコンサルタントの方です。
マッキンゼー出身で様々な大企業相手に経営のアドバイスを送っていた方ともあれば、最初から順調な経営が出来たのかと思いますが、本の不格好経営というタイトルのにもあるように、失敗の連続を乗り越えて、成功まで導いたことがわかります。マッキンゼーの大先輩の大前研一さんからはそんな企業を経営している暇があるなら、こっちを手伝えとまで言われたとのエピソードなども紹介されてます。
笑いあり涙ありの一冊で、企業とか大それたことを考えていなくても、これからの自分の働き方を考える上でとても参考になる一冊だと思います。女性社長の視点を知ることができる非常に良い本だと思います。
未来の働き方を考えよう 人生は二回、生きられる|ちきりん
ほとんどの人が20代前半で社会に出て、会社に就職して働いていく。一昔前までは、男性は定年まで一生懸命働いて年金で優雅な老後を送る。女性は、寿退社をして、子供を育てながら専業主婦だったり、パートなどをしていくといった人生が普通だったかもしれません。
しかし、今の時代そうした生き方を出来る人は非常に少数派ではないでしょうか。
定年まで社員の面倒を見てくれる会社はどんどん減っていき、東証一部上場企業だろうと平然と何千人の社員のクビを切る時代です。女性も結婚した相手がいくら良い会社に勤めていても、決して安心ではありません。結婚しても自分の身は自分で守るといった気持ちで、しっかりとした収入源を持っている必要があると思います。
会社にも旦那にも頼らず生きていかなければいけない時代が来ています。しかし、逆にいうと女性がもっと自分らしく働くことが自由にできる時代でもあります。
そんな全ての女性がこれからの時代の働き方を考えるのにオススメの本が、ちきりんさんの『未来の働き方を考えよう 人生は二回、生きられる』です。
ちきりんさんも、勝間和代さんや佐々木裕子さん、南場智子さんなどと並び、マッキンゼー・アンド・カンパニー出身の女性で、マッキンゼー時代は人事を10年以上担当され、数々の優秀なコンサルタントを採用してきた張本人です。勝間和代さんは、ちきりんさんに面接されたことを語っていました。
そんな世界のトップ企業で人事をしていたちきりんさんは、これからの時代にどのように働いて行けばいいと考えているのでしょうか。
最近では、よく老後にいくら必要かを計算しようといわれます。そして、3000万円だとか、1億円だとか言われますが、ちきりんさんは次のように考えていいます。
結局のところ、自分のお金で死ぬまで(経済的に)困らない人というのは、少々年収が高いとか、ちゃんと貯金をしていたとか、家のローンが終わっていたなどという人ではなく、寿命の短い人なんです。
つまり、老後も安心して収入が入り続ける必要があり、会社だけの収入で生活し、老後は貯蓄と年金という考え自体が間違っているのです。友だちが車を買ったから自分も買う、周りが家を買っているから、家を買うといった周りと同じことをやっていては確実に老後は困窮します。
最近は低所得者層より、中の上に分類される家庭のほうが、老後の収支が厳しくなるとも言われています。収入が伸びない中、すでに支出を身の丈に合わせている低所得者層と異なり、中の上家庭はまだ夢を捨てきれず、「周りがやっていることはうちもやる」という横並び意識から逃れられていないからでしょう。
周りと同じようにして生きていくという発想が日本人だけの発想であり、経済が右肩上がりの高度経済成長期だったらそれでもみんな幸せになれたかもしれませんが、これからの時代はそうも行きません。みんなで同じことをしてたら、みんなで等しく貧しく貧乏になっていってしまいます。
今までは、一生懸命働き、よりたくさん稼いで、より豊かな生活を目指すことが一種の”常識”でした。しかしこれからは、必要生活費をできるだけ抑え、働く期間を最短化するという逆転の発想で人生を設計することも、ひとつの選択肢となりえます。方法論としては、若い頃にまとめて働いたうえで早期引退を目指す、最初から生活費をミニマムにし、短期のアルバイトだけで食べていくことを目指す、もしくは生活費がより安い国に移住して、さらに少ないコストで食べていこうとするなど、様々なバリエーションがありえます。それらをすべて合わせ、働く時間をできる限り少なくしようという人は、これから確実に増えていくことでしょう。
ちきりんさんはこのようにいっていますが、こういった生き方だけではなくいろいろな生き方が出来る時代です。働く時間を短くするというのは絶対に考えるべきだと思いますし、まとまった休みがとれるのは、新婚旅行と定年後といった会社だったらすぐに変えることを考えるべきだと思います。
早く引退して、早く自分がやりたいことをやるそんな人生が楽しい人生だと感じます。