【書評】『誰もが人を動かせる!』コロナ禍のリーダーシップ論|森岡毅

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リーダーシップと聞くと、日本人にとって自分とは関係ない能力だと感じてしまうと思います。リーダーシップは、生まれ持った才能だと感じる人もいるかも知れません。

しかし、USJをV字回復させ、今やたくさんのベストセラーを送り出している森岡毅さんは、リーダーシップは特別な人でなくても誰もが身に付けられるものだと言います。何故なら、森岡毅さん自身が後天的にリーダーシップを身につけられてきたからです。

新型コロナウイルスで多くの人たちの生活や働き方が変化してしまいましたが、そんな時代に幸せな人生を歩むために必要な能力の一つが、リーダーシップなのです。

森岡毅さんの『誰もが人を動かせる! あなたの人生を変えるリーダーシップ革命』は、コロナ禍を生き抜くヒントが満載です。

誰もが人を動かせる! あなたの人生を変えるリーダーシップ革命|森岡毅

誰もが人を動かせる! あなたの人生を変えるリーダーシップ革命|森岡毅

森岡毅さんは、P&Gで北米のパンテーンのブランドマネージャーを務めるなどの大活躍をした後に、USJをV字回復させた超エリートです。現在は、刀という会社を設立し、破綻した旧グリーンピア三木(現ネスタリゾート神戸)をわずか1年でV字回復させるなどの経営手腕を発揮されています。刀では、沖縄テーマパーク構想や西武園ゆうえんちのリニューアルに携わるなどこれからの森岡毅さんの活躍を身近で見ることが増えていきそうです。

 

本書は、その森岡毅さんが、リーダーシップについて説いた一冊です。

堅苦しいリーダー論を振りかざすわけではなく、今までリーダーのような経験をしたことがない人にも実践しやすいところから書かれています。女性や、新卒の社会人の方などにも、おすすめです。

本書は、次のような方にオススメです。

icon-check-square-o 自分にはリーダーシップが足りないと思う方
icon-check-square-o リーダーシップなんて自分には関係ない、自分には無理と思っている方
icon-check-square-o コロナ禍を生き抜く力が欲しい方
icon-check-square-o 人間関係に悩みがある方
icon-check-square-o 今の仕事に不満を感じる方

最初に考えていただきたいことがあります。「特別な人しかリーダーになれない」という子供の頃から刷り込まれた思い込みは、大人になっても多くの人の中にあるのではないでしょうか?本書は、その思い込みから目を覚まして、自分の中で、”主役感あふれる毎日”を手に入れる方法を私なりに考えてまとめたものです。

 

誰もがリーダーシップを身につけられる

リーダーシップと聞くと特別な人だけが持つものと考える方も多いのではないでしょうか。

しかし、本書のテーマは、リーダーシップは誰でも身につけられるスキルであり、誰もが身につけるべきスキルだとされています。

森岡毅さん自身、子供の時はテレビゲームでRPGをたくさんやっていたそうですが、それらの主人公ある勇者たちは万能型の才能を持っており、常に選ばれたリーダーであることに疑問を感じていたと言います。

中には、万能型の人もいるかもしれませんが、多くの人は得意と不得意があり、誰かを率いることが不得意であると子供の時に感じた経験があると、その時点からリーダーは自分とは無関係なんて思ってしまうのではないでしょうか。日本に生まれ育った多くの人たちは、特別な人だけがリーダーになっていくという刷り込みを受けながら、社会に出ているのです。

リーダーシップの機能を端的に言うと、共同体のために「人を動かすこと」です。グループ全体としてベストに近づくように人々を動かす力。相手に影響力を行使して、その人を動かして共同体の目的を達成する確率を高める力。そしてその能力は、特別な運命や能力を背負った”勇者”でなくても、僧侶でも魔法使いでも、魔法が使えない戦士でも「言葉」さえ使えれば発揮できるはずです。

実は、リーダーシップは、専門性に限定されず、本来は誰もが発揮することができる「職能横断型」のスキルです。だから、リーダーシップを強くしていくことで、あらゆる職業の人が、それぞれの組織の中でもっと輝くようになります。そして、誰もが主体性を持って充実した毎日を送るために、自分のやりたいことを実現していくために、周囲の人をまとめて動かす能力、つまりリーダーシップを必要としているのです。

ビジネスパーソンの3つの属性

森岡毅さんは、ビジネスパーソンの能力の特徴によって、3つの属性に分類できると言います。

T型(Thinnking:思考力を強みとする人)

C型(Communication:伝える力や人々と繋がる力を強みとする人)

L型(Leadership:人々を統率して動かす力を強みとする人)

多くの人は、このうちの1つに偏る人が多いとのことですが、森岡毅さんのように2つが得意で1つが極端に苦手という人もいると言います。

生まれながらにリーダーだと思える人は、L型の人たちです。しかし、このL型の人たちは日本人の中でも希少な少数派なのです。

本書は、このL型以外の人たち、つまり思考力や伝える力に強みがあるT型、C型の人たちがいかに後天的にリーダーシップを身につけていくかについて書かれています。

またいわゆるリーダーと呼ばれる人たちの中に、T型のリーダー、C型のリーダーが存在しているため、誰もが経験を積むことができれば、それぞれの特性を活かしながらリーダーシップをはっきしていくことが可能になるのです。

リーダーシップを身につけることのメリット

そもそも、リーダーシップを身につけることのメリットとは何でしょうか。メリットを感じないからこそ、リーダーシップは社長や役職がある人が身につけるものと考える人もいるかもしれません。しかし、リーダーシップは、小学生であろうと、主婦であろうと身につけるべきものなのです。

森岡毅さんは、リーダーシップを身につけることで、3つの絶大なメリットがあると述べています。

リーダーシップを身につけると得をすることは実にたくさんありますが、ここでは私が主なメリットだと思う3つをお伝えします。それらはきっと、あなたの人生を劇的に変える力を発揮するはずです。

最初のメリットは、リーダーシップがあれば一人ではできないことでも実現できるようになることです。(中略)

2つ目のメリットは、リーダーシップを身につけるにつれて、あなたは劇的に経済的に豊かになっていくことです。(中略)

最後に、最も大切なメリットをお伝えします。リーダーシップを身につけると、我々は「自分の人生を生きる幸福感」を激増させることができます。リーダーシップがあれば、自分の欲と意志に基づいて行動できるようになるので、人にやらされている感がなくなり、自分の仕事や毎日の暮らしがもっと楽しく充実していきます。

森岡毅さんは、「リーダーシップこそが最強のスキル」だと断言しています。どれだけAIが発展して様々な仕事をロボットが行うようになっても、リーダーシップは確実に必要とされていきます。

世の中には、年収10億円以上の経営者がたくさんいますが、その人たちがそれだけの収入を得ることができているのは強烈なリーダーシップを発揮しているからです。メジャーリーガーなどで、何十億円という収入を得ている人たちもいますが、今からそこに達することができる人は社会人にはいないと思いますし、選手寿命を考えたら、何歳にとっても高い年収を維持するためにはリーダーシップを身につける方が得策です。

リーダーシップは欲から生まれる

森岡毅さんは、リーダーシップの源泉は欲であると言います。成し遂げたいことが大きければ大きいほど、1人では達成することができず、周りの人を巻き込んでいく必要があり、それこそがリーダーシップなのです。

リーダーシップは、才能などではなく、欲の強さなのです。

しかし、今の若い人たちは悟り世代と呼ばれたりして、欲のなさを強調されることもあります。「若者の◯◯離れ」といった報道も、欲がないように扱われていますが、そうではないと言います。

欲がないように見えている人の多くは、欲求不満のストレスや自尊心が傷つくことを回避したいなど、安全よくや自己愛が強いだけであり、それも欲なのです。

 

そうした一見欲がないと思われる人隊も、トレーニングを行うことで欲が明確になり、進むべき道が明確になり、リーダーシップに繋がっていくと言います。

そんな欲の足りない人(≒欲を明瞭に認識できない人)はどうすればよいのでしょうか?私なりの答えを端的に言えば、小さなことから「やってみたいこと」を設定するリハビリをすることで、自分なりの「欲」を見つけられるようになるトレーニングを継続するのです。やってみたいこと、つまり〝目的〟があることが、リーダーシップの大前提になります。本気で成し遂げたい「欲(≒夢)」が明瞭でない人を想定して、どのように目的設定をすればよいのか、リーダーシップ・トレーニングで私が行っている基本的な考え方を紹介します。

「3WANTS モデル」でやりたいことを探す!

森岡毅さんが提唱しているのが「3WANTSモデル」を使って、欲を見つけることだと言います。

その目的(≒欲)の”3条件”とは何か?まず最初に、その目的が、巻き込みたい人々にとっても魅力的であること。次に、その目的達成があなた一人の努力や工夫で何とかなるものではなく、周囲の人々を巻き込まないと実現できない、つまり集団としての能力を必要としていること。そして最後に何よりも大切なのは、あなた自身が本気になれることです。この3条件は互いに強烈な相互作用で補完的に機能しますので、私はこの3条件を、リーダーシップを発動させる「3WANTSモデル」 と呼んで、私が実施するリーダーシップのトレーニングの冒頭で皆さんに理解してもらうことにしています。

森岡毅 3WANTSモデル(画像:NewsPicks Live WestShip2020|越境と共創のリーダーシップ Who shall do it?)

間違ったリーダーは、会社の目標などを部下に押し付けてリーダーシップを取ろうとしますが、それではただのやらされ感しか起きません。この「3WANTSモデル」に当てはめてみれば、会社の目標は社長以外の人たちにとってはWANTSではないのです。

最初から大きなリーダーシップを発揮しようとする必要はありません。人間の脳は、いきなり大きなことを取り組もうとするとリスクだと考え、勝手にブレーキを踏んでしまうのです。

最初は、家族旅行や彼氏彼女とのデートプラン、友達との飲み会などで「3WANTSモデル」を実践することだけでも、リーダーシップの第一歩を踏み出すことができます。

まとめ

世の中に、大学の教科書のような分厚くて、理解しにくいリーダー論の本がたくさんある中、ごくごく普通の人がリーダーシップを学ぶことができる本は限られています。しかし、世の中に読みやすいリーダーシップの本がないからと言って、身につけなくて良いわけではありません。

日本人に最もかけているスキルの一つがリーダーシップだと言われていますし、新型コロナウイルスという未知のウイルスと戦っていかなければならない今こそ、リーダーシップが必要とされています。

森岡毅さんは、リーダーシップの根本にあるものは人の欲だと言っています。コロナ禍で、多くの人がもっと自由に働きたい、安定した収入が欲しい、どんな時代にも活かせる能力を身につけたいなど、数年前には顕在化していなかった欲が出てきていると思います。そうした、欲が明確になり始めた今こそ、その欲をリーダーシップに変え、多くの人たちにプラスの影響を与えていくことが出来るタイミングだと思います。

リーダーシップは、後天的に身につけることが出来るスキルであるのです。小さなトレーニングから始めて、自分が取れるリーダーシップを少しずつ発揮していくことで、リーダーシップを鍛えていくことができます。

誰もがリーダーになれる時代が今の時代だと思います。コロナ禍を生き抜くリーダーシップを学べる非常におすすめの一冊ですので、ぜひお手にとっていただきたいと思います。

 

本書と同じくリーダーシップについて書かれていて、おすすめなのが伊賀泰代さんの『採用基準』です。マッキンゼーの採用担当を長年務められた伊賀泰代さんがマッキンゼーが求める人物像を初めて明かした一冊です。ロジカルシンキング、ネイティブ並みの英語力と言ったイメージが先行するマッキンゼーで重要視されているものこそ、リーダーシップだったのです。

 

森岡毅さんがキャリアについて語った一冊もおすすめです。自分の子どもたちがキャリアに迷った時のヒントになるようにこっそりと書き溜めていた森岡家の『虎の巻』をほぼそのまま出版した話題作。P&G、USJで大活躍した超エリートサラリーマンの森岡毅さんが子どもたちに送ったキャリアのアドバイスが詰まっています。

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