「コンピュータ、英語、会計のスキルを身につければ、仕事に困らない」時代が終わりを迎えています。
一昔前までは、ITの技術がある人材、英語が喋れる人材、会計のスキルがある人材はどこにいっても重宝されていました。
しかし、ITの技術は誰もが最低限は持つ時代となり、多くのプログラマーはSEはアジアの人件費の安い人材が行うことが当たり前になりつつあります。
英語は、TOEICで高得点を取得している就活生も珍しくなく、またITの発展により仮に英語が喋れなくても機械で瞬時に翻訳できる時代が目の前です。アジアの優秀な若者は誰もが英語を喋ることができ、英語がしゃべれるというのは特殊な能力ではなくなりつつあります。
会計スキルに関しても、日本の10年先を行くというアメリカでは、会計士の収入がものすごい勢いで下落しています。世界的なベストセラーの『ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代』の中では、多くのアメリカの会計士は28ドルのソフトウェアに置き換わっているという現実を指摘しました。
IT化、グローバル化が目まぐるしいスピードで進むなかで、「報酬が劇的に下がる」職業にはいくつかの共通点があることが『良い値決め 悪い値決め ―きちんと儲けるためのプライシング戦略』の中で指摘されています。
これからの時代で、給料が劇的に下がる職業のキーワードは「DOG」です。
この「DOG」をヒントに、今のビジネスの現場で価格下落が起こる理由を見ていきたいと思います。
世界を覆い尽くすDOGとは?
21世紀の負け犬DOG。
これはDigital Online Globalの略です。
このデジタル、オンライン、グローバルという3つのキーワードが融合し、世界中で激しい値下げ競争が起こる環境をDOG環境といいます。
DOG環境は、様々なビジネス分野の中で、仕事への報酬を「無料」に向かわせていることがわかっています。
本書では、このDOG環境で、何故価格競争が起こるかを次のようにまとめています。
D:デジタルデータの世界では、マネやパクり、コピーが横行する
O:オンラインの世界では、日本中・世界中のライバルと値引き競争が起きる
G:グローバルの世界では、仕事がコストの安い国に奪われる
これら3つの要因と無関係でいることができるビジネスは今の時代ほぼ存在し得ないと思います。
この3つの要因をもっている職業は報酬や給料が「無料」に向かってどんどん下落していくと言われています。
私たちはこのDOG環境の中で、なす術はないのでしょうか?
本書では、その影響を最小限にとどめて、出来る限り報酬を下げないでこれからも生き残る方法があると述べています。
それは、「DOGと戦わない」ことだと言います。
そして、DOGと正反対に位置するCATを目指すことを勧めています。
CATとは、Cozy Analog Touchの3つのキーワードの頭文字です。
DigitalからAnalogへ:コンピュータには作れない、明るく不思議な魅力づくりを目指す
OnlineからTouch(共感と触れあい)へ:手作り感や思いを伝えて、共感してくれるファンづくりを目指す
GlobalからCozy(居心地の良さ)へ:小さくても、こじんまりした居心地の良い空間づくりを目指す
前述のハイ・コンセプトの中でも、ハイタッチという概念がこれからのビジネスには必要不可欠であると書かれています。
ハイタッチとは、
他人と共感する能力、人間関係の機微を感じ取る能力、自らに喜びを見出し、また、他の人々が喜びを見つける手助けをする能力、そしてごく日常的な出来事についてもその目的や意義を追求する能力、など。
また、これからの時代のビジネスモデルとして、プラットフォーム型であったり、コミュニティー型といった、小さなコミュニティーで反映していくというビジネスモデルは高く評価され、注目を集めています。
誰も給料が下がることを望んだりしないはずです。もし、自分の仕事がDOGに当てはまってしまう場合は、今からでも自分のこれからの働き方を考える行動をとることをお勧めします。
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