ある調査によれば、20~30代のビジネスマンが一ヶ月あたり平均0.26冊の本を読むのに対し、30代で年収3000万円の人は一ヶ月に平均9.88冊の本を読むそうですが、文化庁の調査では1ヶ月で1冊以上本を読む人の77.1%が本を読む量を増やしたいと解答しており、読書をすることがその人の人生にとって大きなメリットがあることは、誰もが理解しているように感じます。
しかし、読書をすることが良いと分かっていても、読書をすることが出来ない人や読書をしていても人生を好転させるような本に出会えていない人が大半で、読書の本当のメリットを享受している人たちはごく一部であり、そうしたごく一部の人たちがより良い人生を手に入れているように感じます。
日本トップマーケターである神田昌典さんは、一人でする読書よりも読書会に参加もしくは主催することの有用性をかつてから述べており、『バカになるほど、本を読め!』の中で「同窓会よりも読書会」に参加すべきと主張しているように、何千円も払って生産性のない同窓会に参加するくらいならぱ、数百円で参加出来る読書会に参加することが人生の突破口になると言っています。
↑時代の転換期を生き抜くには、同窓会よりも読書会に参加すべき
読書会と聞くと、普段から読書をする人が更に読書を楽しむために参加するものと感じる人も多いかもしれませんが、読書会は先の見えない混沌とした社会を生き抜かなければならない現代人全てにとって効果的なツールであり、ただ単に読書を楽しむためではなく、人生そのものを楽しむために、全て人にとってメリットがあるように感じます。
インターネットイニシアティブの代表取締役会長兼CEO鈴木幸一さんは、東洋経済のインタビューの中で、「本を読まなくなると、人間は本当にバカになる気がしますね。」と答えていますし、エンジェル投資家として著名な瀧本哲史さんは、「バ力は市場で生き残れない」と言っているように、読書をして自分自身に投資していかなけれぱ、今の時代は生き抜いていくことが出来ないように感じます。
↑読書をしなければバカになり、バカは市場で生き抜けない
普段、本を読まない人が読書会に参加することはハードルが高いと思うかも知れませんが、本を読まない人も読書会に参加するべきだと感じます。
1年間のうち約6ヶ月をハワイで過ごし、残りの6ヶ月を日本やヨーロッパ、ニュージーランドなどで過ごすという、ノマドライフを実現している本田直之さんは、何か新しいことに挑戦する時に、それを継続しようとすると上手くいかず、継続を目標にするのではなく習慣化を目標にすることが重要であり、習慣にするためには、他人の力を借り、予定は他の人と一緒に行うべきだと言っています。
読書会に申し込むことで強制力が生まれ、読書会の場で他の人と本について思考することで、仲間が見つかり、その仲間たちと継続的に読書会に参加し続けることで、読書自体も習慣になっていくため、最初はハードルが高いと感じたり、自分より多くの本を読んでいる人たちと会うことは緊張したりするかもしれませんが、結果としては、思い切って参加してしまった方がラクに自分を成長させ、簡単に読書習慣を作ることが出来るのです。
なまけものは、勘違いをして「ラクなチームに入ったほうが、ラクをできるだろう」と考えてしまいます。しかし、結果的にはこっちのほうが苦労をするし、意識の高いチームで感化されたほうがラクなのです。
本田直之│なまけもののあなたがうまくいく57の法則
↑読書会に参加し、サポートしてくれる仲間を見付けることで簡単に習慣化できる
読書をする習慣があり、日頃から本を読んでいる人は、読書は1人ですればいいと考え、読書会に参加する必要はないと感じる人もいるかも知れませんが、それにも疑問が残ります。
神田昌典さんは、今は大きな時代の転換期であり、そうした時代の転換期には、一つの会社の価値観だけで生きていくことは非常に危険であり、フリーランスになることや生涯で10回くらいは転職をするというキャリアが当たり前になっていくこれからの時代は、読書会に参加して社外の人に出会い、多様な価値観を創造していかなければならないと言います。
混迷する社会では、ひとりでは問題は解決できません。問題を解決するには、高度な知的創造が必要です。それには読書会が最良の手段です。本を中心にして異なる考えの人たちが話し合うため、良質なコミュニケーションが生まれます。さらに参加者同士のつながりができて、そこから新たな知が創造されるのです。
↑今の時代は一人では解決できない問題ばかりで、必ず仲間が必要になる
これからの働き方が変わっていく激動の時代に対応できる、新たな価値を創造するためには、当然知識が必要となりますがますが、一人で得られる知識には限界があるため、グローバルに活躍する人たちが書いた書籍や、過去の偉人たちの良著から学び、他の人と知識を共有することでレバレッジがかかり、より多くの知識を得ることができます。
アメリカでは、いくつもの会社で働くフリーランス型の社員が急増しています。その潮流において、日本だけが例外ということはありえません。おそらく2023年頃には、ひとりの人の人がいくつもの名刺を持っている働き方が当たり前になるでしょう。
そうなると、ひとつの会社の価値観しか持っていないことがリスクになります。だから、非営利団体に属するとか、地域、社会の中で何らかのプロジェクトにかかわる、読書会に参加するといった経験は、パラレルキャリアの時代の働き方に慣れていくために、必要なことなのです。
↑一つの会社の価値観だけしかしらないのは、リスクでしかない
Facebookの創業者のマーク・ザッカーバーグ氏も、今の時代は他人と知識を共有し、さらに優れた知識を得ていかなければ、生き抜いていくことが出来ないと言います。
個人が持っている知識を引き出し、共有することによって、さらに優れた知識としてまとめ上げることができる。
マーク・ザッカーバーグ
↑今の時代は多様な人の知識を集結させなければならない (画像: Justin Sullivan via Getty Images)
日本銀行やマッキンゼーで活躍した佐々木裕子さんは、大ヒット作の『21世紀を生き抜く3+1の力』の中で、21世紀を生き抜くために必要な3つの力は、考える力・進化する力・共創する力であると述べていますが、社会派ブロガーとして著名なちきりんさんは、「書籍は思考のパッケージ」と言っており、読書をすることは多くの思考を一気に取り入れることが出来るため、考える力を養うには最適な手段だと感じます。
また、本田直之さんは、面白い本を読んだら内容を他の人に話すべきと言っており、本の内容を他の人に話すことで、自分の本当の知識になると言っていますし、藤井孝一さんは、著書の『読書は「アウトプット」が99%: その1冊にもっと「付加価値」をつける読み方』の中で、「読書は本を読んだ後にアウトプットすることで、血となり骨となる」と述べており、読むだけの読書では本当の知識にはならず、アウトプットすることが最も重要だと言います。
藤井孝一さんは、読書をアウトプットすることには、書くこと・話すこと・実践することの3種類あり、読書会は参加するだけで、必然的にアウトプットをするため、読んだ内容をより自分の知識に変えていくために、読書会に参加するということは、知識創造するために非常に有効な手段であることがわかります。
↑書籍は思考のパッケージであり、考える力を身に付けるのに最も効果的
テクノロジーの発展と共にメディア媒体がテレビやラジオから、インターネットの記事がメインになりましたが、中でも膨大なインターネットの記事の中から自分に合った情報を自分の閲覧履歴やSNSの使用状況、独自のアルゴリズムから表示してくれるキュレーションメディアが、人気を集めています。
『本は絶対、1人で読むな!』の著者である中島孝志さんは「1人の読書は足し算型、読書会は掛け算型」と言っているように、読書会は参加者の人たちが今までの人生の中でたくさん読んできた本の中から、オススメの一冊を紹介されており、参加して他の人が勧める本を知るというだけでも、厳選され、キュレーションされた情報であるため、良質な本の情報をレバレッジをかけて知ることができます。
↑読書会であれば他の人が読んだ本の内容まで知ることができ、参加者の数だけレバレッジがかかる
本を読めないという人の多くが、本を読む時間がないと答えますし、そうした人は本を読む時間がないのだから、読書会に参加する時間なんて作れる訳がないと、読書が出来ない理由ばかりを並べますが、そもそも発想が間違っており、本を読まないから時間貧乏に陥っていることに気がつかなけれぱなりません。
また、1人で2時間読書をしたとしても、1 冊読めればいい方だと思いますが、読書会では、参加者が10 人いればたった2時間でも10冊の本を読んだことと同じ効果を得ることができるため、本を読む時間がない、読書会に行く時間がないという人は、自分の大切な有限な時間を非効率な使い方をしていることを認識する必要があります。
本を読めば読むほど、時間が生まれます。本を読まないから時間が無いのです。なぜなら本を読まない人は、他人の経験や知識から学ばないからです。何もかも独力でゼロから始めるので、時間がかかって仕方がないのです。本を読めばそこに近道で行く方法が書いてあるというのに、本を開く時間を惜しんで、わざわざ遠まわりをしている状態です。
本田直之│レバレッジ・リーディング
↑本田直之「本を読む時間がないのではない。本を読まないから時間がないのだ。」
イギリスのイースト・サセックス州のサセックス大学の調査によれば、ストレスを最も発散する方法は読書であるそうで、読書は約68%、音楽視聴は約61%、コーヒータイムは約54%、散歩は約42%、テレビゲームは約21%のストレス解消効果があったことを発表しており、読書は自分の未来を明るくするだけでなく、暗い気分までも軽減してくれます。
また、クリエイティブな発表や瞬時の思考力を鍛えられるため、読書会に参加することでADHDが改善されるという意見もあり、読書会に参加するということは、健康面から見てもメリットがあるように感じます。
↑読書は、ストレス発散やADHDの改善にもなる
神田昌典さんは、読書会のメリットの一つにソーシャルプレッシャーを受けられることを上げています。
読書会のメリットとして、「ソーシャルプレッシャー」を受けられるということが挙げられる。ソーシャルプレッシャーとは、「この人ができるなら、自分もできるかもしれない」「みんな変わっているのだから、自分も変わらなければいけないのでは」など自らの行動を変容させるきっかけになる、他人からの影響のこと。
そのソーシャルプレッシャーを最も強く受けるのは、意識が高い人がいる場に自分の身を置いたとき、読書会はまさに、意識の高い人と直接話し合える場だ。
神田 昌典│バカになるほど、本を読め!
読書会に参加する最初のきっかけは、読書仲間が欲しい、本をアウトプットしたい、時間を有効活用したい、同年代の社外の人と出会いたい、面白い本を知りたいなど、人それぞれで良いと思いますが、参加して得られるメリットは想像しているよりも多いようで、そうしたメリットは読書会に継続して参加した人だけが感じられるのです。
↑読書会で得られるメリットは計り知れない
ナポレオン・ヒルは、かつて大恐慌で財産を失った際に、屋敷を失ったが、それまでに得た知恵や知識はなくならず、一度正しい知識を付ければ、何度でも這い上がってどんな願望も目標も必ず達成できると語っていますし、神田昌典さんは「安定とは焼け野原でも紙とペンがあれば翌日から稼げる能力」であると言っており、本から学び、読書会でアウトプットすることで、知識創造、価値創造をしていけば、景気がどうなろうと、財産を失っても、理想の人生を手に入れることが出来るのです。
読書をする習慣がない人は、読書会に参加し、読書習慣をつけることを始め、既に日々読書をしている人は、更に一歩を踏み出し読書会に参加し、会社の中では出会えない同年代の人たちと新たな時代を生き抜く知識創造、価値創造を始めることが、人生を好転させる第一歩のように感じます。
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参考文献│面倒くさがりやのあなたがうまくいく55の法則│なまけもののあなたがうまくいく57の法則│レバレッジ・リーディング│21世紀を生き抜く3+1の力│読書は「アウトプット」が99%: その1冊にもっと「付加価値」をつける読み方│本は絶対、1人で読むな!│バカになるほど、本を読め!│2022―これから10年、活躍できる人の条件│成功哲学│戦略がすべて