東京アキバ読書会に参加する人の多くが、今の仕事に不満、疑問を持ち、このままの働き方で良いのかということに漠然とした不安を持ったことをきっかけにご参加されています。
新しい働き方や仕事に対する不安を解決するためのヒントを得る一つの手段が読書ですし、一人で本を読むだけでは気がつけないことまで気がつくことが出来るのが、読書会です。
2人に1人はマイクロアントレプレナーの時代へ
2012年にリンダ・グラットンさんが『ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉』を発売し、本書をきっかけに自分の働き方について、考えるようになったという人も多くいらっしゃると思います。
2025年にかけて、世界中の人たちの働き方が一変していくと断言しています。
今まで企業は「人・物・金」という三つの資源を社内で確保して、経営をしていくことが普通でしたが、テクノロジーの発展するにつれ、これらの三つを社内で抱え込むことは、時代の急激な変化についていくことが出来ないため、多くの企業が敬遠するようになってきています。
人は、プロジェクトごとにクラウドソーシングで世界中から最適な人材を募集し、フリーランスの人たちに働いてもらうことが当たり前になりました。プロジェクトが終われば、チームは解散するため、社員をクビにする必要もなく、社員研修なども必要がなく最初からプロ人材を集めることができます。
物は、自分で在庫などを持つ必要がなく、必要な時に必要なものだけを借りる、シェアリングエコノミーが一般的になりました。個人でも空いた時に家を貸すAirbnbや、空いた時間に運転手をするUberといったサービスがどんどんと増え続けています。
金は、クラウドファウンディングで銀行融資などではなく、一瞬で世界中からお金を調達することが可能になりました。クラウドファウンディングは、個人でも簡単に利用することが出来る時代です。
つまり、多くの企業は大量の人を雇う時代遅れの経営を断ち切り、最低限の人だけを雇うという方向に進み始めています。
↑必要な経営資源はクラウドで見つけるもので、人を雇うことが時代遅れに
一方で、人々の価値観も変わり続けており、好きなことを、好きな場所で、好きな人と仕事をすべきという考えが一般的になり始めています。
企業という組織で仕事をしていては、自由に働くということは不可能であるため、会社という組織で働くことに疑問を持つ人が急激に増え始め、自分自身でフリーランスやフリーエージェント、マイクロアントレプレナーとして、働くという選択をしています。
世界で見れば3人に1人は、企業に雇われずに仕事をしており、この割合は年々増え続けています。
↑ほとんどの人がマイクロアントレプレナーになる時代が目の前に
前述の『ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉』の中では、マイクロアントレプレナーをミニ起業家と読んでいますが、2025年には世界中で何十億人もの人たちがミニ起業家として働き、他のミニ起業家とパートナー関係を結び、共存するエコシステムを築くようになると言いますが、多くの場合ミニ起業家たちは自分が夢中になれる対象を仕事にしています。
メガ企業(巨大企業)を核にして、何千万人ものミニ企業家で構成されるエコシステムが形作られ、大勢のミニ企業家がコラボレーションを通じて活動を調整し合うようになる時代が来ると言われています。
↑ミニ起業家たちは国境を越え、協力し合い、共存している
私たちに残された道は、メガ企業で働く少数精鋭のエリートビジネスマンとして生きるか、メガ企業をプラットフォームとして活用するミニ起業家になるという道しかないようです。
世間を見渡してみれば、YouTubeというメガ企業を活用して自由に働く、ミニ起業家のYouTuberという職業が浸透してきたことにより、メガ企業とミニ起業家の関係をイメージしやすくなってきましたし、一般的な働き方になってきていることがわかるはずです。
この流れは、世界中で巻き起こっており、これからも止まることはありません。
↑YouTuberは立派な職業であり、マイクロアントレプレナーである
遅かれ早かれ多くの人が、将来的にはマイクロアントレプレナーとして働かざるを得ない時がやってきます。
好んで会社から雇われることを辞める人がたくさんいる一方で、リストラをされ再就職ができずマイクロアントレプレナーという道を選ぶ人も出てくるはずです。
時代の流れを学び、自分らしい働き方を知るために、早い段階から読書をして激変の時代に備えることは重要です。
ビジネス書や自己啓発書であれば、著者が何十年もかけて働いてきた経験や失敗、成功などをたった1000円から2000円程度で知ることができます。時代のトレンドについて書かれた本であれば、これからどのような時代に変わっていくのかをある程度知ることができ、未来がわかるならば今からどんな準備をすれば良いかを考えることができます。
読書会は参加するだけで本の知識を短時間でインプットすることができると同時に、様々な業界や業態の仕事の人と交流することができ、普段出会うことがないような人たちと気軽に話すことができます。
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