読書をした方が良いというのはわかるけど、どんな本を読めば良いかわからないという人も多いと思います。
文化庁が実施した平成30年度の「国語に関する世論調査」(全国16歳以上男女約2,000人が回答)によれば、約47.3%の人が「1ヶ月に1冊も読まない」と回答しており、2人に1人しか日常的に本を読んでいないことがわかります。
一方で、日本財団が2020年10月27日に発表した、全国17~19歳の男女計1,000人を対象とした調査では、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛などで、 全体の24.9%が読書量が増えたと答えています。全国の20~69歳の男女を対象にクロス・マーケティングが実施した調査でも、紙媒体で本を読む人の31.9%、電子書籍で本を読む人の24.3%が、コロナ禍で読書量が増えたと回答しています。
新型コロナウイルスをきっかけに、本を読み始めた人、読書量が増えた人、これから本を読みたいと思っている人が増えてます。
本をもっと読みたいという人が、どうやって自分にあった新しい本と出会えば良いのか。
新しい本と出会う方法をご紹介いたします。
自分にぴったりの新しい本との出会い方
本屋を散策する
新しい本に出会いたいと思った時に、一番おすすめな方法は、本屋に実際に行ってみて、店内を歩いてみることだと思います。
本屋に行けば、その時の売れ筋ランキングが紹介されており、今どんな本が売れているのかを肌で感じることが出来ます。
たくさんの表紙が目に入るため、表紙を見てビビッと来たものは実際に手にとって、中をパラパラ見てみるのがおすすめです。
内容を少し眺めて、面白そうであれば実際に購入し、微妙であれば他の本を探しましょう。
その場で内容を確認できるのが、本屋のとても良いところです。
書店の店員さんは、毎日たくさんの本に触れ合っているため、おすすめの本を聞いてみると丁寧に教えてくれるはずです。
本屋にいく時は、可能な範囲で大型書店に行ってみることをおすすめいたします。
小さめの本屋だと、お店のキャパシティの問題で、多くの在庫を置くことができず、最新の本や売れている本だけを置かざるを得なくなってしまうからです。
東京であれば、大型書店がたくさんあり、下記のお店はどんなジャンルでも品揃えが豊富です。
- ジュンク堂書店 池袋本店
- 丸善 丸の内本店
- 紀伊國屋書店 新宿本店
- 八重洲ブックセンター 本店
現在は、本屋も多様化しており、カフェが併設されている書店や専門の店員さんが並べる本を厳選しているお店などもあります。
テーマ性のある本屋は、入ってみるだけで気持ちいい気分を感じることもできます。
こうした新たなタイプの本屋が増えていますが、中でもおすすめのお店が、「蔦屋書店」と「文喫」です。
蔦屋書店
(画像:代官山 蔦屋書店 公式サイトより)
TSUTAYAを運営するCCCが、2011年から始めた新業態の書店が「蔦屋書店」です。
今では全国に広まり、本が売れないと言われている時代に、出店を続けておりどこも大盛況です。
カフェが併設されていたり、図書館と併設されていたりするお店もあるなど、それぞれのお店で異なったコンセプトがあります。
蔦屋書店は、従来の書店とは違って、探していた本が見つけやすいことよりも、意外な本との出会いを促すことを優先した陳列をしていると言います。
独特の配列がされており、なんとなくプラプラしているだけでも、新たな本との出会いがあるのではないでしょうか。
文喫
文喫は、「本と出会うための本屋」と呼ばれており、その特徴は「入場料のある本屋」という一風変わった書店です。
しかし、その満足度は非常に高く、入場料を払う価値は絶対にあります。
また、希望のテーマやジャンル、好みに合わせてスタッフが本を選んでくれる「選書」サービスがとても人気です。
「選書」サービスは、来店3日前までに申し込みの必要がありますが、なかなか良い本に出会えないという方は、一度試してみてはいかがでしょうか。
本好きの知り合いに聞いてみる
新しい本に出会いたいと思った時に、簡単かつ効果が高いものは、読書家や本好きの知り合いに聞いてみるということです。
精神科医で、ベストセラー作家の樺沢紫苑さんは、『学び効率が最大化するインプット大全』の中で、世の中には、三振本とホームラン本があると言っています。
当然、ホームラン本を読むべきですが、毎年7万冊以上の新しい本が発売される中で、ホームラン本に出会える確率は低いというのが実態です。
ホームラン本に出会うためには、たくさんの本を読んだ読書家や専門家に聞くことが1番だと言います。
読書家や専門家が推薦するホームラン本から読み始めるべきです。読書家が推薦する本は、何十冊も読んだ中の厳選された1冊です。
樺沢紫苑|学び効率が最大化するインプット大全
読書家の人たちは、たくさんの面白い本やつまらない本を読んだ中から、おすすめの本を紹介してくれるため、自分にとってのホームラン本に出会うことができる可能性が高まります。
読書会に参加する
知り合いに本を読む人がいないという人も多いと思います。
そんな方におすすめなのが、読書会に参加して、他の参加者のおすすめの本を聞いてみるということです。
読書会には、読書が大好きな読書家のみならず、これから本を読んでみようという人までたくさんの人たちが参加しています。
読書会であれば、今の自分の状況や読んでみたい本のジャンルなどを気軽に話すことができるので、今の自分の状況にあった本に出会える可能性が高くなります。
読書会には、色々な種類がありますが、おすすめなのは自由に好きな本を紹介することができる、自由紹介型の読書会です。
課題図書が予め設定されている読書会も人気が高いですが、新しい本に出会う際には、課題図書が決まっているものよりも、たくさんの本が紹介される紹介型読書会がおすすめです。
紹介型の読書会では、参加者の人たちが、最近読んで面白かった本や人生の中で1番好きな本など、色々な角度からおすすめの本を紹介してくれるため、一度参加しただけでもたくさんの本を知ることができます。
自分と参加者の年齢層が近い読書会を選べば、自分と境遇が似ている人が参加している可能性も高くなるので、より今の自分にあった本と出会える可能性も高くなること間違いなしです。
amazonをチェックする
(画像: FrimuFilms / Shutterstock
)
今や世界最大の本屋になったのが、「amazon」です。
店舗型の本屋でもたくさんの本に出会うことができますが、品切れになっていたり、古い本は店頭にないという場合もあります。
「amazon」であれば、日本の本のみならず、海外の本や古くて店頭には並ばないレアな本も購入することができます。
新品と中古の両方の取り扱いがあるため、世界で1番たくさんの本に出会うことができる場所になっています。
また独自のアルゴリズムで、過去の閲覧履歴や購入履歴から、自分にあったものやおすすめのものを紹介してくれるのもオンライン書店ならではのありがたい機能です。
ランキングをチェックする
amazonランキングのページでは、1時間ごとにランキングが更新されており、今、人気の本が一目で知ることができます。
もちろん、ランキングで売れているからといって、自分にぴったりの本であるかはわかりませんが、たくさんの人が読んでいるということは自分にも学びがある可能性は高まります。
prime readingを利用する
プライム会員の人であれば、「prime reading」というサービスで無料でKindleの本を読むことが出来ます。
数は少ないですが、無料で読めるため、目についたものを読んでみて、面白ければ最後まで読んだり、その著者の別の本を購入したりするきっかけになると思います。
Kindleの電子書籍は、専用の端末がなくても、スマートフォンやタブレット、PCのアプリで読むことができるので、端末をわざわざ購入しなくても大丈夫です。
Kindle Unlimitedを利用する
もう少したくさんの本を読んでみたいという方は、「Kindle Unlimited」を利用してみるのもおすすめです。
月額980円で和書12万冊以上、洋書120万冊以上が読み放題になります。
初月無料や3ヶ月98円のキャンペーンなどを開催している時もあるので、とても利用しやすいです。
読み放題のため、気に入ったものを読んでみて、つまらなければどんどん他の本を読むことができます。
いきなり本を購入すると、せっかく買ったからつまらなくても最後まで読もうと感じてしまうこともありますが、「Kindle Unlimited」ならつまらない本はすぐに読むのをやめても損しません。
対象の書籍もどんどん入れ替わるため、時には発売したばかりの人気の本が無料で読める時もあります。
「prime reading」と「Kindle Unlimited」は以下のような違いがあります。
プライム会員の方は既に「prime reading」を使用することが可能です。
「prime reading」では物足りない方やプライム会員でない方は、「Kindle Unlimited」に登録して、たくさんの本を読んでみてください。
(画像:amazon より)
Chapters bookstoreを利用する
今では、たくさんの種類のマッチングサービスがありますが、本、そして、同じ本を読んだ人と出会える面白いマッチングサービスが登場しています。
株式会社MISSION ROMANTICが運営する「Chapters bookstore」は、毎月のテーマに合わせて選書される4冊の文庫本の中から本を選択し、本を受け取り、その本を読んでみます。
その後、毎月開催されるビデオチャットイベント「アペロ」への招待が届き、そこでは同じ本を選んだ人同士でおしゃべりを楽しむことができます。
さらに、そこでもっと話してみたいという人が見つかれば、連絡先を交換して、もっと仲良くなることも出来ます。
選書は毎月、東京・丸の内KITTEにある書店「マルノウチリーディングスタイル」の現役書店員と共同で行い、最初に書店員が選んだ数十冊をChapters運営チームがさらに厳選、「読み進めやすさ」「だれかと感想を話したくなる読後感」「教養として読む価値の高いもの」などの項目に沿って選書されていると言います。
実は、この「Chapters bookstore」は、東京アキバ読書会の主催者の高校時代のクラスメイトが新たにスタートしたサービスになります。
もし、興味がある方がいれば、新感覚のマッチングサービスを楽しんでみてください。
まとめ
既に読書をたくさんしている人にとっても、これから読書をしていきたいという人にとっても、何か参考になるといいなと思います。
たくさん世の中に本がありますが、面白い本に出会うことは難しいと感じます。
もしかすると、面白い本に出会ったことがないから、読書が苦手、読書はつまらないと感じている人もいるのかもしれません。
一人でも多くの人が、自分にあった本と出会えることを願っています。
東京アキバ読書会は、20代、30代の若手社会人中心の読書会を2015年から開催を続けています。
毎回たくさんの本が紹介され、参加者の人の多くが、新しい本に出会うことができています。
もし、身近に本のことを話せる人がいない、どんな本を読めばいいかわからないという方がいらっしゃいましたら、一度参加してみてください。
今、同年代の人がどんな本を読んでいるのかということに気がつき、あなたにぴったりの本が見つかると思います。