これから10年間で数多くの仕事がなくなるを誰もが疑わなくなった今、本田直之さんや四角大輔さんといった世界中好きな場所で好きな時に好きな仕事をするノマドライフを実現した人が次々と現れ、多くの人が自分の働き方の未来を考える時代に来ていると感じます。
書店にいけば、これからの時代の働き方や新たなライフスタイルを提案する本が無数に並んでおり、一昔前なら転職や独立する人はごくわずかな限られた人のみのものでしたが、今は一つの企業で定年まで勤め上げようと考えている人の方が少数に感じます。
リンダ・グラットンさんは、世界的ベストセラーのワークシフトの中で、
2025年、私たちはどんなふうに働いているだろうか?
「漠然と迎える未来」には孤独で貧困な人生が待ちうけ、「主体的に築く未来」には自由で創造的な人生がある。
リンダ・グラットン│ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉
と述べ、これからの時代に今のままの働き方が通用しないことを世界中に示しました。
↑会社で雇われる時代は終わり、ノマドライフ、デュアルライフ、TraveLifeを実現する人がどんどん増えていく
日本銀行やマッキンゼー・アンド・カンパニーで活躍した佐々木裕子さんは、『21世紀を生き抜く3+1の力』の中で、「21世紀の「働くという概念」は、20世紀の「働くという概念」とはずいぶん違うだろう」と述べています。米デューク大学の研究者のキャシー・デビッドソンさんの発表した研究結果は、世界中で話題なったのでご存知の方も多いと思います。
米国で2011年度に入学した小学生の65%は、大学卒業時、今は存在していない職に就くだろう
キャシー・デビッドソン
両親が、子供に対して「いい仕事に就くために、しっかり勉強しなさい」とかける言葉は無駄になってしまうのです、まだその子供たちが就く仕事はこの世に存在していないのですから。
コンピューターが数多くの仕事をするようになる。これは私たちが “仕事をする” という考えを大きく変えることになるだろう。あなたはこんな現実は嫌だと思うかもしれないけど、これは必ず起こることなんだ。
人工知能の急激な発達によって、今現在日常的に行われている仕事のほとんどをロボットが行うようになり、近い将来、10人中9人は今とは違う仕事をしているだろう。
ラリー・ペイジ Google CEO
↑これから数年でテクノロジーの発達で私たちの働き方は一変する
ホリエモンこと堀江貴文さんは、近畿大学の卒業生へ向けたスピーチで、
これまでは、卒業したあと就職活動とか、まあたぶんしたんでしょうけど、同じ会社でずっと勤めあげて、定年退職して、その間に家族を持って、家を建ててみたいな、まあいわゆる普通の生活というのを、このあと皆さんは送っていくことになったのかもしれませんが、そんな未来は、おそらく皆さんのうちの本当にごく一部の人しかそういった未来を歩まない、いや歩めないと思います。
↑良い大学に入り、良い会社に入り、定年まで頑張り、年金で老後を過ごすといった過去の生き方はもう不可能
一部上場企業といえばかつては安心・安定の代名詞でしたが2015年だけでも、SHARPや東芝、SONY、ルネサスエレクトロ二クス、JTなど誰もが知る大企業が何千名規模の超大規模リストラを実施し、この5企業だけでも1万1000名以上の人員が削減されたことになります。
日本のトップマーケターであり、日本にマインドマップやフォトリーディング、ダイレクトレスポンスマーケティングなどを導入した日本のビジネス界の中心人物である神田昌典さんは、2012年のAmazonビジネス書ランキングで年間売上No.1を獲得した『2022――これから10年、活躍できる人の条件』の中で、「2024年に会社はなくなる!?」と述べ、日本に衝撃を与えましたが、それも少しずつ現実味を帯びてきているように感じます。
会社が完璧になくなるというわけではなく、会社という組織で働くという働き方のコンセプトが徐々になくなり、新たな組織体系での仕事をすることが当たり前になるのです。
↑リンダ・グラットン、ホリエモン、神田昌典さんなど、働き方を変えなければいけない時代が来ていると多くの有識者が主張している
月間200万PV以上を誇る日本トップのアファブロガーとして日本中のビジネスパーソンに多大な影響力を誇る、ちきりんさんはご自身のTwitterで「ちきりんさんの考えるブラック企業とはどんなですか?」という質問に対し次のように答えています。
優位な若者を抱え込んで30年後には市場でまったく評価されない中高年のおっさんにしてしまう企業ですかね。
ちきりん
日本の東証一部には約1700社が上場していますが、世界の中心であるニューヨーク証券取引所に上場できている企業は、数年前までは19社ありましたが現在はたった17社しかなく、グローバル化の進む現代に対応できている企業は、大企業といえどほんの一握りしかないことがわかります。
優位な若者を抱え込んで30年後には市場でまったく評価されない中高年のおっさんにしてしまう企業ですかね。 RT @yenshikwan: RT 突然のRTで失礼します。ちきりんさんの考えるブラック企業とはどんなですか?
— ちきりん (@InsideCHIKIRIN) 2013, 12月 4
↑大企業に入っても人生を棒に振る可能性は非常に高い
間違いなく言えることは、これからの時代は会社に頼るような生き方ではなく、個人として生き抜く力、個の能力を高めていくことが必要不可欠であるということです。ひと昔前までは、仕事をするにはオフィスに行くことが必須条件でしたが、テクノロジーが発達し、インターネットを使えばリアルタイムで世界中の誰とでも簡単に繋がることが出来るようになった今の時代では、オフィスに行くことは決して必須条件ではなくなりました。
本田直之さんは、四角大輔さんとのトークショーのなかで、TraveLifeを実現できるようになったのは間違いなくテクノロジーの発達のおかげと述べており、「テクノロジーがなければ、何もできなかった。」とテクノロジーの進歩がなければ、今のような自由な生き方は実現できなかったと言います。
本田さんは1年のうち6ヶ月をハワイでサーフィンをして過ごし、四角さんは1年のうち6ヶ月をニュージーランドの湖畔で生活し、本当に自由なライフスタイルを手に入れています。
また、本田さんは「現在仕事の8割をiPhoneで行っており、Siriの進化のスピードを考えると数年後には仕事にキーボードすら必要なくなるだろう」とも発言しており、仕事にはオフィスやパソコンが必要であるというのは過去の常識になっていくように感じます。
↑テクノロジーを使いこなせば、会社も、オフィスも、パソコンまで必要なくなり、TraveLifeを誰もが実現できる
ランサーズ株式会社が行った調査では、フリーランスで仕事をする人は日本の労働人口の19%に上り、約1,228万人であるという調査結果を発表し、話題になりました。
今後こうした「新しい働き方」は進化を続け、調査対象者の約7割の人がこれからフリーランスがさらに拡大していくと回答したと言います。日本の10年先をいくと言われているアメリカで、Freelancing in Americaが行った調査では、労働人口の34%にあたる約5,300万人がフリーランスであるとしており、日本も数年後アメリカに近い状態になる可能性は極めて高いと言われています。
ランサーズ株式会社代表取締役の秋好陽介さんは、
日本においては、正規・非正規という今までの働き方だけではくくれない、第三の働き方が求められる時代となりました。
と言っています。
「3年後のビジネス界の常識を作る」と言われているダニエル・ピンク氏は著者の『フリーエージェント社会の到来 新装版---組織に雇われない新しい働き方』の中で、アメリカでフリーランスが増えている要因を、①終身雇用の崩壊、②長時間労働、③少子高齢化と述べ、世界に衝撃を与えました。
しかし、この3つの条件は決して他人事ではなく、今の日本は全ての条件を満たしており、フリーランスが日本で加速する要因はここにもあるように感じます。
長時間労働に関して言えば、ランサーズ株式会社同調査によると、独立したフリーランスとして生計を立てている人のうち週に40時間以上働いている人はたったの17%しかおらず、全体の27%の人は週に5時間未満の労働時間で生計を立てているという調査結果が出ています。
会社勤めのビジネスパーソンであれば、週に40時間の労働は当たり前であり、残業が何十時間、人によっては100時間以上の残業を行うことが珍しくないですが、フリーランスの道を歩んだ人は、自由なライフスタイルを十分に得ているのです。
人生のうちに約40年を仕事に費やすならば、今すぐにフリーランスやノマドライフといったライフスタイルの実現のための備えを行い、一日も早く自分の望むライフスタイルを手に入れることが賢いように感じます。
フリーランスで働く人がモチベーションとしているものは、「時間や場所に縛られず、自由で柔軟な生活ができる」という人が46%、アメリカでは「本業以外でお金を稼ぐことができる」と答えた人が68%にものぼり、誰もが欲しいと感じる時間の自由、場所の自由、収入の自由を求めてフリーランスになっているという結果が出ています。
今後フリーランスとして「自由な働き方」をする人は、今後3年間で増えていくと思うと答えた人が、69%もおり、私たちの思っている以上に速いスピードで会社を辞めて、自由な人生を歩み始める人が増えるように感じます。
↑長時間労働が問題になる中、フリーランスは自由なライフスタイルを手に入れている
フリーランスと聞くと、一人で部屋でパソコンをいじったり、アフィリエイトサイトの更新をしたり、一人でずっと仕事をして孤独なイメージですが、これからの時代のフリーランスはそうしたイメージとはかけ離れたものであると言います。
リンダ・グラットンさんは、これからは国境を越えて、全世界のミニ起業家達がメガ企業の提供するプラットフォームを活用し、相互に助け合い、協力しあい、一人ではなしえない大きな価値を世界に提供していくといいます。また、ミニ企業家達は、仕事を楽しみ夢中になれるものに取り組んでいくといいます。
2025年には、世界中で何十億人もの人たちがミニ起業家として働き、ほかのミニ起業家とパートナー関係を結んで、相互依存しつつ共存共栄していく仕組み-「エコシステム(生態系)」と呼ばれる-を築くようになる。特定の大起業ではなく、こうしたミニ起業家たちのエコシステムが市場の方向性を大きく左右するようになる。ミニ起業家たちはたいてい、自分が夢中になれる対象を仕事にしている
リンダ・グラットン│ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉
神田昌典さんが『2022――これから10年、活躍できる人の条件』の中で、会社の寿命が10年を切っている現状から、2024年前後に「会社」のコンセプトの寿命が終えるというのは、リンダ・グラットンさんの発言にも非常にリンクしています。
また、神田昌典さんは、ラーニングエッジ株式会社代表取締役の清水康一朗さんとの対談の中で、これからの時代は、「グローバル」「フリーランス」「ネットワーク」の3つがキーワードになると述べており、フリーランスの人材が国境を越えてグローバルにネットワークを構成して、高い付加価値を世界に提供すると言います。こうした流れに乗り遅れた人材は、時代に適応できず、路頭に迷うことになるかもしれません。
↑フリーランスが孤独という時代は終わり、グローバルに活躍するフリーランスがネットワーク(生態系)を形成する時代
ちきりんさんは、次のようにも言っています。
個別の日本人で、世界で活躍できる人はいくらでも現れる。でも、日本企業が世界で勝つとか、日本が世界でトップとか、そういう概念はもう忘れた方がいい。多国籍化しない企業がグローバルに勝てることはないし、生産者人口の減る国の国力が上がることはない。
ちきりん
未だに日本では就活で就職人気企業ランキング上位には名だたる大企業が並び、大手企業志向が依然として残っていますが、前に述べたように数年前まで誰もが憧れた大企業が何食わぬ顔で何千人規模のリストラを平然と行う今の時代において、東証一部上場企業だとしてもそこで働くことが必ずしも自分の人生にとって良いこととはなりません。
本田直之さんや神田昌典さんの言うように、自分の一生やり続けたい仕事を見つけるため、20代のうちに様々な勉強や読書に取り組むべきだと感じます。
決して、就職したから会社の仕事をやるだけでいいわけではなく、本田さんのようなノマドライフ、デュアルライフ、TraveLifeのような自由な人生を望むのならば今からでも遅くないので、準備を始めるべきだと感じます。
テクノロジーの進化やグローバル化の進展で、遅かれ早かれ、今の働き方を続けられなくなる瞬間が必ずやってきます。そうなる前に、自分らしい仕事、人生を見つけるべきではないでしょうか。
いろいろなことが吸収できる20代のうちこそ、遊びよりも仕事や勉強に打ち込むべき時期。
本田 直之
アメリカでは、いくつもの会社で働くフリーランス型の社員が急増しています。その潮流において、日本だけが例外ということはありえません。おそらく2023年頃には、ひとりの人の人がいくつもの名刺を持っている働き方が当たり前になるでしょう。
そうなると、ひとつの会社の価値観しか持っていないことがリスクになります。だから、非営利団体に属するとか、地域、社会の中で何らかのプロジェクトにかかわる、読書会に参加するといった経験は、パラレルキャリアの時代の働き方に慣れていくために、必要なことなのです
神田 昌典
参考文献│2022―これから10年、活躍できる人の条件│ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉│21世紀を生き抜く3+1の力│ノマドライフ 好きな場所に住んで自由に働くために、やっておくべきこと│TraveLife クリエイティブに生きるために旅から学んだ35の大切なこと│7つの制約にしばられない生き方│あたらしい働き方│「新しい働き方」ができる人の時代│自由であり続けるために 20代で捨てるべき50のこと│低欲望社会 「大志なき時代」の新・国富論│天才! 成功する人々の法則│フリーエージェント社会の到来 新装版—組織に雇われない新しい働き方│未来の働き方を考えよう 人生は二回、生きられる│多眼思考 ~モノゴトの見方を変える300の言葉! ~