2019年5月1日から新元号「令和」がスタートし、2020年の東京オリンピックのチケットも発売され、明るい希望を感じることも多くなりました。
しかし、日本が根本から変わるきっかけは見つからず、2019年4月19日に日本経済団体連合会(経団連)の中西宏明会長が「正直言って、経済界は終身雇用なんてもう守れないと思っているんです。」と発言。
それを皮切りに2019年5月13日には、トヨタ自動車の豊田章男社長までも、「雇用を続ける企業などへのインセンティブがもう少し出てこないと、なかなか終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」と発言し、日本経済に衝撃を与えました。
残念なことに日本の大企業のリストラは、令和に入ってからも続いていきそうです。
令和第一弾の2019年上半期の主要リストラニュースをご紹介します。
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2019年1月〜6月に大企業で行われた大規模リストラ
昨年、2018年最大のリストラとなったのは、『NEC (日本電気)』が行った2170名のリストラですが、2019年は早くもそれ以上の人数の超大規模リストラが実施されています。
富士通|2850人の2019年上半期最大のリストラ
(画像: josefkubes / Shutterstock)
東証1部に上場する電機大手の『富士通』が、2018年10月に公表していたキャリア転進支援策に対して、2850名もが応募したことを発表しました。
2018年1月に発表した「2020中期経営計画」の中で、国内で3000名規模のリストラを行うことを目指すことを明らかにし、実際に今回は募集人員を定めずに実施していました。当初目標としていた3000名には若干届かなかったものの、大規模なリストラを行うことになりました。
出展 富士通|「成⻑に向けたリソースシフト」の実施に伴う費用計上に関するお知らせ
コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス|予想を大幅に上回る950名を削減!
(画像: Fotazdymak / Shutterstock)
東証1部・福証に上場するボトラー大手である『コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス』が、700名の希望退職者の募集対して、想定を大幅に上回る950名が応募したことを公表しました。
物流費の高騰や原材料価格の上昇により採算が悪化が原因とされ、27年ぶりに価格改定の実施も発表していますが、さらなるコスト削減が必要との判断から、今回のリストラ策の実施に及んだとみられます。
業界最大手の動向に、他のボトラー企業への影響も懸念されます。
出展 コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス|希望退職者の募集の結果に関するお知らせ
東芝|1060名削減予定のリストラ策へ823名が応募!
(画像: Lucian Milasan/ Shutterstock)
東証2部・名証2部に上場する電機大手の『東芝』は、早期退職優遇制度に対して、823名の応募があったことを公表しました。
元々の想定人数は、『東芝』から約200名、子会社の『東芝エネルギーシステムズ株式会社』から約800名、『東芝デジタルソリューシ ョンズ株式会社』から約60名の合計約1060名を想定していました。しかし、結果は、それぞれ339名、427名、57名の合計823名と、合計では予想を下回る人数の削減となりました。不足分については、今後グループ内外への人材配置などで、当初の計画数へ達する見込みとのことです。
上記の削減以外に、子会社の『東芝デバイス&ストレージ』で、早期退職優遇制度などによる約350名の人員削減を発表しました。
出展 東芝|構造改革に伴う早期退職優遇制度の実施結果及び東芝デバイス&ストレージ株式会社における早期退職優遇制度の実施について
アルペン|予想を18%上回る355人を削減
(画像: アルペン)
東証・名証1部に上場する『アルペン』『スポーツデポ』『ゴルフ5』などのスポーツ用品店を展開する『アルペン』が、300名の希望退職者の募集に対して、想定を上回る355名が応募したことを明らかにしました。
今回のリストラの対象となったのは、同社および子会社『ジャパーナ』に在籍している45歳以上64歳未満の社員です。削減数は連結従業員数約4000名の9%相当に相当する大規模なものになりました。
出展 アルペン|希望退職者の募集の結果および特別損失の計上に関するお知らせ
エーザイ|募集の3倍の300人を削減!
東証1部に上場している医薬品メーカーである『エーザイ』は、2018年10月25日付で発表していた100名の希望退職者の募集に対して、300名が応募したことを明らかしました。
『エーザイ』は、希望退職者の募集を全部で3回行うとしており、今回は第1回目の募集でした。第2回・第3回の募集人員は第1回の応募状況を鑑みて行うとのことでしたが、1回目が3倍の応募があったため、今後どのような形で行われるかは、続報を待つことになりました。
出展 エーザイ|希望退職者の募集の結果に関するお知らせ
協和発酵キリン|全社員の約4%の296名を削減!
東証1部上場に上場する医薬品やバイオ事業を行う『協和発酵キリン』は、人数制限を設けず募集していた希望退職に対して、296名が応募したことを明らかにしました。
45歳以上かつ勤続5年以上の社員が対象とし、募集定員を定めずに実施しましたが、結果として連結従業員数7242名の約4%に相当する296名が応募しました。
出展 協和発酵キリン|希望退職者の募集結果について
中外製薬|第1四半期過去最高の売上収益・営業利益・四半期利益でも172名のリストラ
東証1部に上場する医薬品大手の『中外製薬』は、早期退職優遇措置に対して、172名が応募したことを明らかにしました。
満45歳以上の正社員およびシニア社員を対象とし、募集人員制限を定めずに実施しました。
2018年12月期に過去最高の売上収益および営業利益を計上し、2019年12月期第1四半期でも第1四半期として、過去最高の売上収益・営業利益・四半期利益を計上しており、目先の状態としては非常に良好ですが、新薬開発における難易度の上昇に加え、薬価制度の改定などで、業界全般の厳しさは依然として残っているため、今回のリストラを実施したとみられます。
カシオ計算機|EXILIM撤退の中、156名をリストラ
(画像: musicphone/ Shutterstock)
東証1部に上場する電機メーカーでの『カシオ計算機』は、早期退職優遇制度に対して156名が応募したことを公表しました。
対処になったのは、国内営業部門およびスタッフ部門に在籍する勤続10年以上の社員の内、45歳以上の一般社員および50歳以上の管理職社員です。募集人員を定めずに実施していました。
2018年5月には『EXILIM』ブランドで展開していたコンパクトデジタルカメラ事業からの撤退を明らかにしており、事業再構築中です。依然としてグローバルでブームの続く『G-SHOCK』頼みの利益構造から抜け出せるかに注目が集まります。
出展 カシオ計算機|早期退職優遇制度の実施結果について
2019年上半期にリストラが発表された大企業
下半期の大きな話題の一つになりそうなのが、『ジャパンディスプレイ』の大規模リストラです。
上場を廃止し香港ファンドの傘下で再建中の『パイオニア』の今後の動向にも注目です。
ジャパンディスプレイ|1200名規模の大リストラを決定!
(画像: Bloomberg via Getty Images)
東証1部に上場するディスプレイ製造大手である『ジャパンディスプレイ』は、構造改革策の詳細を発表し、希望退職者の募集で1200名の人員削減を実施することを発表しました。
対象は、原則40歳以上の国内社員としていますが、全従業員4635名の約4分の1に当たる大規模なメスを入れることなります。
ジャパンディスプレイは、度重なるリストラを行なっておりますが、そもそも利益率が非常に低いビジネスモデルになってしまっているため、いくらリストラを繰り返したところでほとんど利益が出ないという根本原因を解決しない限り、再建は難しいのかもしれません。
出展 ジャパンディスプレイ|モバイル事業の縮小、人員削減、役員報酬の削減等による構造改革の実施、並びに執行体制の刷新に関するお知らせ
パイオニア|グローバル3000人のリストラのうち700名を日本で!
(画像: Kyodo News via Getty Images)
香港の投資ファンドである『ベアリング・プライベート・エクイティ・アジア』傘下で経営再建を続けている電機メーカーの『パイオニア』は、希望退職者の募集により700名を削減する発表しました。
2018年12月に公表していた全世界で3000名を削減する合理化策の一環として、日本で700名をリストラすることを明らかにしました。
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