グローバル化が進み、ビジネスパーソンの英語力が必須の時代になりましたが、英語を勉強しようと思ったけど、なかなか長続きしないという人も多いのではないでしょうか。一度、英語の勉強に挫折してしまうと、再度チャレンジしようとするのには、かなりの労力が必要です。
あなたの家にも、英語を勉強しようとして、買い揃えたままほとんど勉強していない、TOEICの参考書や英単語帳などが埃を被って眠っているのではないでしょうか。
今度こそは英語を挫折せずに身に付けたいという方、必読の一冊をご紹介いたします。英語を勉強しようと思ったら、すぐに参考書などを開きたくなりますが、勉強をする前に英語の勉強の仕方を知ることが、英語習得の近道ではないでしょうか。今回ご紹介する本は、英語を勉強する前に読むべき本であると感じます。
英語を学びたいビジネスパーソンの方にも学生の方にもオススメです。
もうこれで英語に挫折しない――マッキンゼーで14年間活躍できた私は英語をどう身につけたか|赤羽雄二
ご紹介する本は、赤羽雄二さんの著書である『もうこれで英語に挫折しない――マッキンゼーで14年間活躍できた私は英語をどう身につけたか』です。
赤羽雄二さんと言えば、世界最強のコンサルティング・ファームであるマッキンゼー・アンド・カンパニーで活躍され、近年は『ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング』などのビジネス書が大ヒットし、A4メモ書きを実践されているという人も非常に多いと思います。
本書は、14年間マッキンゼーで活躍された赤羽雄二さんが、どのように英語を身につけたか、挫折しないように英語を学ぶためにはどうしたらいいのかという英語学習の秘訣を、赤裸々に明かしてくれている一冊であり、これから英語を学ぼうと思っている人必読の一冊です。
赤羽雄二さん自身も、マッキンゼーに入社直後は、全く英語で発言ができなかったと語っており、実体験を元に丁寧に書かれているため、これから英語を勉強するにあたって、即実践できる内容が目白押しの内容です。
世の中の英語学習法は挫折しない人向け
英語がビジネスマンにとって非常に重要な能力であるにも関わらず、日本人は英語が非常に苦手であることは、誰もが認める事実です。しかし、本屋に行けば、英語の参考書が所狭しと並び、スマートフォンのアプリにはいかにも楽しく英語が学べそうなアプリがたくさん配信されており、テレビCMや雑誌の広告では英会話教室や英語の教材の宣伝が山ほどあります。日本には、英語の学習法に溢れかえっているに、日本人が英語を上手くならないことに疑問を感じる人も多いのではないでしょうか。
赤羽雄二さんは、本書の中で次のように述べています。
すべての学習法が挫折しない人向けにできていることだ。英語を勉強しようと思う人が挫折せず、勉強し続けることが大前提になっている。
3日頑張っても、4日目に力尽きる人が多いとか、2週間何とか続いても出張が急に入ってその後は再開しようと思ってはや3ヶ月とか、そういうことがビジネスパーソンとしてはごく普通だということが全く考慮されていない。
なぜか学習者は皆やる気があり、それが維持でき、挫折などせずに勉強し続ける、という前提での英語学習法の提供に終始している。
発音など、誰も気にしていない
日本人が英語を勉強する際に、よく陥りがちなことの一つが、英語の発音を完璧にしないと英語は通じないと感じていることです。
しかし、外国人から見れば実際のところ発音など誰も気にしていないと言います。
確かに日本でも都内のコンビニやファーストフード店では、外国人の店員さんがたくさんいますが、その人たちの発音がおかしくても、日本人はみんな何を言っているか理解できていますし、発音がおかしかったとしても誰も責めたりはしません。
長年、マッキンゼーで活躍された赤羽雄二さんでさえも、本書の中で、ご自身の発音はあまりきれいではないと言っています。
積極的になんでもいいから英語を話すほうがよほど大事だ。相手は、日本人がともかく多くしゃべってくれることを期待している。
実は、発音など、ビジネスパーソンの英語としてはどうでもいい。全く何の問題もない。世界中、誰も気にしていないからだ。大事なことは、話す中身と積極的にコミュニケーションしようとする姿勢、一緒に何かやろうとする前向きさだ。
英語力をつけるため、どういう工夫をしたか
著者の赤羽雄二さんが一番英語力が伸びたのは、マッキンゼーに入って4年目にソウルでのプロジェクトにサインされた際だと言います。本書の中では、その時に赤羽雄二さんが実際に行なっていたことを紹介してくれており、以下の4つのことを実践していたと言います。
- ネイティブスピーカーが会議で何をどう話すのか、何度も書き留めた
- それを元に、状況別の例文集を作り、繰り返し大きな声で読み上げ、言い慣れた
- 英語の記事を時々大きな声で読み上げた
- 英語のメール、英語の報告書などはすべてエディター(英文添削担当)に添削してもらった
恥を知りすぎる文化、ハングリー精神がなさ過ぎる文化
日本人は、義務教育の中でも英語を勉強し、大学生まで入れれば、10年以上英語を勉強しており、最近では小学校や幼稚園などでも英語を教えているにも関わらず、全く英語が話せないのは、英語を話さないからだと言います。
忘れてしまった単語があったとしても、学校教育で学んだ英単語を使えば、十分に英語での会話は可能であり、日本人は英語ができる土台はあるのに、話さないから英語ができないようです。
日本人は、英語を話さないことで、大きなチャンスを失っていることに気がつくべきだと言います。アジアの国々の人達は、きれいな発音でなくてもどんどん英語を話し、国際舞台で日本人からどんどん大きな仕事を奪い始めています。
韓国、インドネシア、インドなどの方と話す機会が結構あるが、彼らは実に活発で、どんどん話しかけてくる。決して流暢とは言えない英語で、発音も到底聞きやすいとは言えないなまりで、いっさい遠慮なく話しかけてくる。要は英語力の問題ではないのだ。
人と人がいれば必然的に話をする機会があり、英語ができるとか、文法が苦手だとか、そういうことを日本人以外、考えていないと思う。彼らに遠慮はない。
「英語ができるようになるといいな」では、無理
赤羽雄二さんは、「挫折しない英語学習」について、3つの提言を本書の中で述べています。
「必然性を作る」「3ヵ月学んで1ヶ月休む」「仲間を作る」である。
多くの人が、英語以外のことでも、「できるようになるといいな」という姿勢で、物事を始めがちですが、そのような気持ちでは絶対にできるようにはならないと言います。
「時間ができたらやろう」という人もいますが、そういう人も絶対にいつまで経っても時間はできず、永遠にできることはありません。
もしあなたが、英語やそれ以外の何か新しいものを身につけようと思ったら、能動的に継続的な努力を重ねるしかありません。
英語のように、毎日触れ、毎日慣れることで体にしみこんでいくタイプのスキルは、「時間ができたらやろう」という姿勢では、全く身についていかない。もっと能動的かつ継続的な努力が必要だ。しかもいわゆる「努力」とあまり感じさせない方法を考える必要がある。
まとめ
本書の後半では、実際に赤羽雄二さんが、英語を身につけるために行ったことや、今でも行っていることを詳細に紹介してくれています。
辛いことは、継続していくことが難しいですが、赤羽雄二さんが本書の中で紹介している方法は、「努力」と感じないような、生活の中に英語学習を無理なく織り込み、挫折しないような勉強法を紹介してくれています。
ぜひ、これから英語を勉強しようと思っている人は、英語を勉強する前に本書を手にとっていただきたいと思います。英語を身につけたい全ての方の必読書です。



