大前研一さんと言えば、世界最強の頭脳集団のマッキンゼー・アンド・カンパニーの初代日本支社長を務め、世界No.1コンサルタントといっても過言ではないほどの実力と実績をお持ちで、イタリア大統領よりピオマンズ賞を受賞しアメリカのノートルダム大学で名誉法学博士号を得るなど奇才中の奇才として、世界中で知られている日本人の一人です。
エコノミスト誌は、
現代世界の思想的リーダーとしてアメリカにはピーター・ドラッカー(故人)やトム・ピータースが、アジアには大前研一がいるが、ヨーロッパ大陸にはそれに匹敵するグールー(思想的指導者)がいない
と紹介し、世界のリーダーの一人として、確固たる地位を築いています。ピーター・ドラッカーは、自分の机の上に本を置いたままにしないことで有名でしたが、その例外が一冊だけあり、常に大前研一さんの著書だけは机の上に置き続けたと言います。
同エコノミスト誌は、2005年に「Thinkers50」という世界の思想的指導者を選ぶ特集の中でも、アジア人として唯一、大前研一さんを選出して今もなお世界のトップに名を連ねています。
今回は、そんな世界のリーダーである、大前研一さんの名言から、これからの先の見えない世の中を生き抜くヒントをご紹介します。
人間が変わる三つの方法
人間が変わる方法は三つしかない。一つは時間配分を変える。二番目は住む場所を変える、三番目は付き合う人を変える。この三つの要素でしか人間は変わらない。もっとも無意味なのは「決意を新たにする」ことだ。
『時間とムダの科学』
この名言については、下記のブログでも詳しくご紹介しています。
とりあえず入ってみる
突破できる人間とできない人間の違いは、ようするに自分にはまだ経験がないというときに、そこを避けて通るか「とりあえず入ってみよう。何かあるかもしれない」と思うかの違いである。なぜなら最初から成功の道が見えている人間など、今の世界にはいないからだ。
『考える技術』
プラットフォーム
私はこれからの時代、特に情報通信革命の時代には、ビジネスの鍵を握っているのはプラットフォームだと考えている。
『ニュービジネス活眼塾 アタッカーズ・ビジネススクール講義録』
「みんなと同じ」をやめる
「みんなと同じでいい」という態度をやめた途端、脳はフル活動を強いられることになる。これはたいへん苦しいが、それでも頑張って一週間、一カ月、一年と続けていると、自分で考えるクセがつき、思考力もどんどん高まる。
最大の敵
いつの時代も、最大の敵は自分自身です
自分の人生を生きる
いちばんいけないのが、「他人の人生」を生きることである。親の期待する人生、先生の言った通りの人生、上司の期待する理想の部下、などなど。それで楽しければ今はいいかもしれないが、問題がある。それはいつか自分の人生ではないことがわかる「真実の瞬間(The Moment of Truth)」が必ず訪れるからである。
素直に認める
事実が出てきたらそれな対して忠実になり、その事実を素直に認める。でなければ物事の本質を見抜くことはできないし、正しい解決策を生み出すためのプロセスを踏むことなど不可能だ。解決策を生むためには、まず自分がバイアスがかかっていない状態に身を置かなければいけない。
『考える技術』
未来は予測できる
その力はなぜ起きているか。一時的なものか、継続的なものか。継続するとすれば、その力は強くなるのか。ベクトルは一定か変化するかなどを考え、その結果、現象が先々どのように変化するかを考える。こうした論理的な洞察を繰り返すことで、自ずと未来が予測できる。これは「予言者」の勘、あるいは霊感と異なり、誰でも身につけることのできる能力だ。
『Think! 2009 No.30―実践的ビジネストレーニング誌 インサイト&フォアサイト』
いやだと思った時
瞬間的にいやだと思った事でも、本気でやってみると面白いと思うことが、世の中にはたくさんあるものです。それを、表面的に感じただけで「あれはいやだ」「これはいやだ」と言っているから、やることが何もなくなってしまうのです。
『Voice』2002年5月号
自問自答する
「自分はどうなりたいのか」。「何が自分の本当望みであり、夢なのか」。この自問自答を繰り返してこそ、プロフェッショナルへの道が開ける。
『日経コンピュータ』2008年3月24日号
指数関数
人の二倍考える人間は10倍の収入を得ることができる。三倍考える人間は、100倍稼ぐことができる。
『考える技術』
生き方の基準
私は、自分の生き方として何を基準にしているかというと、死ぬときに「これでよかったのだ」というための生き方を工夫しているのだ。これが逆にどれだけ人生を単純化してくれているか、毎日悩みもしないでいかに安らかに眠れるか、計り知れない。
今日が人生のスタート
自分の人生は今日スタートしたと思うことだ。今日の自分はすべて明日への原点。今日の行き方しだいで、どんな明日も、出てくる。
思いついた日から全力で努力する
人生は最後まであきらめてはいけない。思いついた日から、勝者になるよう努力することが肝心なのだ。
そのうちに
もし「そのうちに」やりたいことがあれば、今、そう今の今やりなさい、というのが私のアドバイスだ。やりたいと思った時が旬なのであり、先延ばしする理由はないのだ。今楽しいと思っていることが年を取ってからも楽しいとは限らない。
変わるべきは自分である
自分の思い込みや思考のクセを排除し、ファクト・ベースで考え、議論する。その結果、変わらなくてはいけないのは自分であり、自社である、という発想ができるかどうかが今問われているのです。
ウォルト・ディズニーだけが見えたもの
今、ディズニーワールドには世界中から人が集まってくる。ウォルト・ディズニーは広大な沼地を見た瞬間に、世界中から多くの人が集まってきて楽しそうに遊んでいる姿が見えたのだ。それに対して、ほとんどの人は沼地は沼地にしか見えなかったということだ。
『ニュービジネス活眼塾 アタッカーズ・ビジネススクール講義録』
限られた人にしか見えない
21世紀の事業は、構想力がないと、その形が見えてこない。たとえば、ラリー・ペイジとともに共同でグーグルを創業したセルゲイ・ブリンの話を、創業当時に理解できた人間は数人しかいなかったはずだ。
『大前の頭脳』
貴重なコンセプト
少人数の人にしか理解できないコンセプトしか、現代の経済社会では事業にならなくなった。
『大前の頭脳』
正解への唯一の道
答えのない世界では、新しいことにトライして、試行錯誤していく能力が問われる。「リスクを取る」ということが、正解への唯一の道となる。リスクを軽減しながら、答えのない危険な道を歩むことが、成果を出すための当たり前の方法となるのだ。
『大前の頭脳』
最後に成功すればいい
私は一時期、米ナイキの社外取締役をやっていた。創業者であるフィル・ナイト氏はこう言っていた。「事業を成功させるのは簡単だ。成功するまでやればいいからだ。最後にトライしたときに成功すればそれでいい」。
『日経コンピュータ』2008年3月24日号
学校の成績と社会での成功
学校時代の成績と社会に出てからの成功には全く相関がない、ということである。
『遊び心』
成功を追い求める
成功は、求めて得られる。成功は求めもせず、計画もせずに手中にできるものではないのである。
大きな事業機会
チャンスに気がついた人は成長産業の波に乗れるが、気がつかない人は″突然死″を免れない。
『大前の頭脳』