【書評】『お金の教養』|泉正人 著

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社会人になって、毎月節約もしているし、無駄使いもしていないのに、お金が貯まっていかないなんてことはないでしょうか。

もしかすると、それは「お金の教養」がないことが原因かも知れません。

 

もし次の6つのことに少しでも当てはまる方はいらっしゃいませんか。

  • マイホームは買うべきか、借りるべきか悩んでいる
  • 何に使ったかよく覚えていないのにお金が消えていく
  • 老後資金はいくら必要なのかわからない
  • 貯蓄と投資はどっちがいいのかわからない
  • 投資信託はどれを買ったらいいかわからない
  • 収入が増えてもお金が貯まっていかない

 

ひとつでも当てはまる方は、ご紹介する泉正人さんの『お金の教養』を読むことで解決することができるかも知れません。

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お金の教養|泉正人

泉正人さんは、年収150万円という貧乏美容師から社会人をスタートしましたが、30歳になる事には不動産収入のみで年収2億円を超えるようになりました。

今では、日本のみならず、アメリカなどでも、たくさんの人たちにお金についての教育を行われています。

 

本書は、次のような方にオススメです。

icon-check-square-o いつも月末にはお金が足りなくなってしまう
icon-check-square-o 節約しているけどお金が貯まらない
icon-check-square-o お金を増やしたいけど手段がわからない
icon-check-square-o お金を稼ぐことは汚いこと卑しいことと感じてしまう
icon-check-square-o お金についての教育を受けてこなかった

 

全くお金についての知識がない方にもわかりやすく書かれているため、全くお金の知識がない方や普段あまり本を読まない方にもおすすめです。

本書は、そもそもお金とはというお金の基礎から、お金の貯め方、使い方、稼ぎ方、増やし方、維持の仕方に至るまで、書かれているため、一冊でお金の色々な側面を基本から知ることができます。

本書の目的はズバリ、

「豊かで不安のないライフスタイルを送るための、正しいお金の知識を身につける」

ということです。

楽しい生活をする上で、また安心できる老後を過ごすために、とても大切な「お金」というものについて、真面目に考え、正しい知識を身につけ、「お金の教養」がある豊かさを感じられる人が増えることを願って書いたのが、この本です。

泉正人|お金の教養

 

 

宝くじに当たると破綻する

誰もが、一度は宝くじに当たったら、「残りの人生を遊んで暮らせるのに」と考えたことがあるのではないでしょうか。

しかし、それと同時に宝くじに当たった人の多くがお金を得たにも関わらず破綻するということを聞いたことがあると思います。

 

泉正人さんは、宝くじに当たったにも関わらず、破綻する人が後を絶たないのは、「お金の教養」がないにも関わらず、宝くじで多額のお金を得ているからだと言います。

実際に宝くじで3億円当たったり、何億ものお金を親から相続した人が数年で破綻した、というのはよく聞く話です。

なぜ、何億ものお金を手にしながら破綻してしまうのでしょうか?

「自分は絶対そのようにはならない」と思っていても、今まで扱ったことのない大金を手にすると、多くの場合、金銭感覚が狂ってしまいます。そして、お金があるということを理由に、必要でもない大きな買い物をしたり、無駄遣いをしたり、架空の投資話にだまされたりするケースがとても多いのが現状です。

ではなぜ、こういうことが起こるのでしょうか?   これはまさにお金を扱う知性、つまり「お金の教養」の問題なのです。

泉正人|お金の教養

 

お金には、3つの価値があると言います。

  1. 物やサービスと交換する手段
  2. 物の価値を計る基準
  3. 保蔵できること

この3つの価値について、日本の今の教育制度では、しっかりと教わることはありません。

つまり、日本人のほとんどがお金の扱い方を知らないまま大人になってしまっているのです。

 

包丁という料理に便利な道具が、使い方を間違えれば凶器になることと同じように、お金も便利な物である一方で使い方を間違えれば、凶器になりかねないのです。

 

「貯金する」以外誰もお金について教えてくれない

お金について唯一教育を受けることが、親から「貯金をしなさい」と言われることだけだったという人がほとんどではないでしょうか。

貯金をすることだけでは、当然ながら、お金についての知識は身につくはずがありません。

 

歴史を紐解いてみれば、そもそも日本人の貯金好きは日中戦争から始まっていると言われています。

戦費が嵩み、日本国民の貯金や年金を戦争に使うことが検討され、昭和16年に「国民貯蓄組合法」が制定され、国のためにお金を預けることが美徳とされたのです。

国都合の貯金至上主義は、戦争をとうの昔に終えた現代でも、親から子へ語り継がれており、元々の貯金の成り立ちも知らない世代までもが、貯金することが美徳という時代遅れの常識に囚われてしまっているのです。

 

泉正人さんは、3つの教育を受ける必要があると言います。

  1. 学問教育
  2. 職業教育
  3. 金銭教育

しかし、金銭教育については学校で一切教わることはありません。

本来は、子供から大人まで、だれもが日常的に使うお金についての教育ですが、実際には「お金のマニュアル」を誰からも教わることなく大人になっていくのが現状です。

そして大人になって、まとまったお金を持つようになると、お金についてのいろいろな悩みが生じてきます。

  • マイホームは、買うべきか、借りるべきか?
  • 貯蓄と投資はどちらが良いのだろう?
  • 投資信託はどれを買えばいいの?
  • 老後はいくら必要なのだろうか?

前提となる「お金の教養」がないと、いくら悩んでも答えは見つかりません。

泉正人|お金の教養

 

お金の問題は、お金がないことではない

自分がお金に不自由している理由を、「お金がない」からということに決めつけがちです。

しかし、泉正人さんは問題は、お金がたくさんあるかないかということではなく、「その問題をどう扱うか」だと言います。

重要なことは、「お金の習慣」を変えていくことだと言います。

「お金の習慣」を変えてあげるだけで、「お金がない」というお金の問題は解決していくのです。

泉正人|お金の教養

 

お金とダイエットの意外な関係

泉正人さんは、お金の生活習慣とダイエットはとても似ていると言います。

1日で5キロ痩せるということは誰が考えても不可能ですが、お金についての教育を受けて来なかった日本人は、1日で5キロ痩せると同じようなことをお金についてやろうとしてしまっていると言います。

多くの人が一攫千金を狙ったり、1日でお金の悩みを解決しようとしますが、そんなことは不可能です。

毎日少しずつダイエットを続けていくように、日々の積み重ねでお金をコントロールしていかなければなりません。

 

「お金は汚い」という幻想を取り払う

日本人の多くが、「お金は汚い」という幻想を持っています。

しかし、アメリカでは一代で財を成した人はアメリカンドリームを叶えたヒーローのように称されます。

マイケル・J・フォックスが主演の『摩天楼はバラ色に』など、様々なアメリカンドリームを描いた名作の映画がありますが、邦画にはそうした映画は全くありません。

「お金は汚い」というイメージは、徳川家康が個人が財を成して幕府以上に強くなるのを恐れたために作り上げたイメージだと言われており、参勤交代制は国民の貧乏を維持させるための政策だったとも言われています。

江戸時代に作られたイメージをいまだに持ち続けているのが、日本人なのです。

 

むしろ、お金を稼いでいる人はそれだけの努力をしたり、大きなリスクを背負ったりした結果に大きな財を成しており、賞賛されるべきなのです。

お金は、物やサービスと交換するための手段であったり、物の価値を計る基準であるものです。そこには、「きれい/汚い」などと考えない方が、ニュートラルな視点で判断できると思います。

実際に、世の中の高収入を得ている人を見てみると、朝早く起きて新聞などで経済の情報を収集し、効率よく仕事をする方法を考え、夜遅くまで読書をして勉強をしています。その結果がお金という形で回ってきているだけだと思うのです。

株式投資などの資産運用でお金を得た人も同じことが言えます。

世界中の経済の知識を学び、会社の分析をし、経営者の質を見極める洞察力をもち、日々努力をしているのです。必ずしも一攫千金を狙ったギャンブルでお金を得ているわけではないのです。

泉正人|お金の教養

 

複数の収入源は命綱

日本政府が副業解禁を容認し、副業を探してみたり、投資を勉強してみたりしている人も多いと思います。

しかし、会社からの収入があれば、十分と感じる人もいるかもしれませんし、新しく何かを始めることに恐怖を感じてしまっている人もいるかもしれません。

泉正人さんは、収入源が一つしかない人は、崖の上からロープ一本でぶら下がっている状態だと言います。

 

少し前までは、日本の企業の多くが終身雇用を実践し、そのロープも非常に太く、企業もそのロープの安全性を保証していました。

しかし、時代は代わり終身雇用はなくなり、企業からぶら下げられるロープは細いものになり、いつ企業がそのロープを切り離すかもわからない時代になりました。

また、自分が怪我や病気で働けなくなってしまえば、そのロープを掴み続けることはできません。

 

海外では、子供に7つの収入源、7ポケットを持ちなさいとお金の教育がされるそうですが、日本ではそうした教育は一切されません。

複数の収入源を持つことは、いざという時に自分を守るセーフティネットになるのです。

投資をせずお金に働かせないということは、収入源が給与などの労働収入のみに絞られることを意味します。

ちょうど、崖の上から1本のロープにぶら下がっているような状態です。収入が多い人は、それだけロープも太い。

このとき、もしも会社が倒産したり、リストラされてしまったらどうなるでしょうか?  1本しかないロープが切れたら、もう真っ逆さまに落ちるしかありません。これはロープ(収入)が太くても、細くても同じことです。

しかし、ここに投資という「もうひとつの収入源」をつくっておけば、それが命綱となってくれます。

泉正人|お金の教養

 

 

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まとめ

日本人の多くがお金について知らないまま大人になってしまっている中で、本書はわかりやすくお金の基礎から学ぶことができる、日本人の必読書のように感じます。

本書では、より具体的にお金との付き合い方について書かれているので、ぜひお手にとってご覧いただきたいと思います。

 

 

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