新型コロナウイルスの影響は計り知れず、人々の働き方や日々のライフスタイル、人生全体を大きく変え、世界を一変させてしまいました。
本田直之さんは、コロナで人々の意識が大きく二極化したと言います。
「コロナはチャンスと新しいことに踏み出していった人」と「元の世界に戻ってくれるのを、ずっと待ち続ける人」です。
間違いなく前者には明るい未来が拓け、後者には厳しい未来が待ち受けていることは間違いありません。
しかし、コロナで何か新しいことをやらなければと感じつつも、一歩を踏み出せない人もいると思います。
そんな方に、本田直之さんの『パーソナル・トランスフォーメーション コロナでライフスタイルと働き方を変革する』は、コロナというピンチを絶好の機会に変えるヒントが満載です。
これからの1年、2年が、この先の人生に大きな影響を与えることは間違いない
パーソナル・トランスフォーメーション コロナでライフスタイルと働き方を変革する|本田直之
累計300万部を超えるベストセラー作家の本田直之さんの75冊目の著書『パーソナル・トランスフォーメーション コロナでライフスタイルと働き方を変革する』は、コロナ危機を転機に変えるサバイバル術が詰まっています。
本田直之さんは、かつてから「人生は実験だ」と言い、世界中を旅をしながら仕事をする「ノマドライフ」や1年の半分をハワイでサーフィンやトライアスロンをして残りの半分を東京などで過ごす「デュアルライフ」、スマートフォン1つで世界中で仕事をする「モバイルボヘミアン」など、常に新たなライフスタイルをたくさんの人に教え、多くの人の人生に影響を与えてきました。


新型コロナウイルスの影響で、ハワイに渡航することができなくなり、新たな実験が始め、それを本書の中で余すことなく公開してくれています。
本書の中では、たったの6時間のインスタライブで1セット1万4000円の日本酒を480セット2880本分を売り切ったり、74冊の著書のうち22冊の電子書籍を無料公開したり、16年借りていたオフィスを解約したり、ずっと興味のなかったオンラインサロンをオープンさせるなど、たくさんことにチャレンジしてきたことが語られています。
本田直之さんだから出来たのではないかと思う方もいるかもしれませんがそんなことはありません。
本田直之さん自身、コロナ前までは動画配信やオンラインサロンは否定的で、むしろ避けていたと言いますが、コロナを機会に新たなチャレンジを始めたのです。
まだまだ新たなにチャレンジを始めるのには、遅くはありません。
本書は、次のような方にオススメです。
何かを始めた方が良いのはわかるけど、何をすれば良いかがわからない方
コロナで時間、健康、人間関係などについて考え直そうとしている方
これからの働き方について考えたい方
自分を変えていきたい方
好きな場所で好きな仕事を好きな人とやりたい方
アフターコロナのキーワード
新型コロナウイルスについては、まだまだわかっていないことがたくさんあることは事実であり、アフターコロナがどのようになっていくか明確に答えられる人はいません。
そんな中で、本田直之さんは、本書の冒頭でアフターコロナの2つのキーワードを述べています。
1つは「アフターコロナ時代には、まだ正解がない」ということであり、2つ目は「最も危険なのは、じっとしていること」だと言います。
1つ確実に言えることは、アフターコロナ時代には、まだ正解がない、ということです。こうすれば確実、というものがない。こういうときには何をしなければいけないのかというと、どんどん動いていくことです。何かアクションを起こす。手数を増やしてみる。
最も危険なのは、じっとしていること。待っていることです。じっとしていても、何も起きないから。何も得られないし、何も成長できないから。
だからこそ、アクションを起こすためのキーワードが必要になると思いました。それが、「実験」です。私はもともと、人生は実験だと思ってきました。思うようになど、簡単にいくはずがないのです。
本書のタイトルにもなっている「パーソナル・トランスフォーメーション」ですが、日本語で言えば自己変革という意味になります。
つまり、自分から行動を起こし、自分を変えていこうとしない限り、アフターコロナ時代を生き抜くことはできないのです。
行動というと、何をすれば良いか迷ってしまう方もいると思いますが、「実験」だと思えば上手くいかなくても楽しむことができます。
本田直之さんの今までやってきた「ノマドライフ」や「デュアルライフ」、「モバイルボヘミアン」といったライフスタイルも、壮大な「実験」だったと語っています。
本書では、本田直之さんが新たにスタートさせたオンラインサロンの「Honda Lab.」でメンバーの方にアンケートをとった結果なども記載されており、本書の構成自体も新たな「実験」であるように感じます。
今、私たちがやるべきことは、アフターコロナ時代に自分が望むような生き方を実践していくための実験をスタートすることなのでしょう。
コロナで収入を増やした人たち
コロナ関連のニュースでは、安泰と言われていた大企業がコロナを機にリストラを増やしていることや、通勤や出勤がなくなり残業代が減ったこと、業績が下がって給与制度が変更になることなど、マイナスの面がクローズアップされています。
本田直之さんが、オンラインサロンでとったアンケートの中で驚いたことの一つが、収入が増えた人たちが1割以上いたことだと言います。「ビジネス(業績)」についても、1割5分の人が増えたそうです。
IT系の企業など、巣篭もり需要と呼ばれる特需の中で業績を伸ばしている業界もありますが、本質はそこではないと言います。
アンケートのフリーコメントの中で、本田直之さんが間違いないと思えたものが次の2つだと言います。
「時間をお金に換えていた人たちは収入が減り、価値をお金に換えている人たちは収入が増えた」
「1つの収入に頼るのはとてもリスクで、複数の収入源を持つことの重要性を感じた」
会社員として働いていてる人の多くが努力で収入を上げてきたと感じるかもしれませんが、実際には自分の時間を切り売りしていただけと気が付いた人も少なくないと思います。
残業代が減って、給料が減ったという人たちは、まさに時間をお金に換えていた典型です。
アフターコロナ時代には、時間の切り売りで収入を得ていくということは時代遅れになることは間違いありません。
コロナでリモートワークが主流になり、なんとなく会社に行けば給料がもらえるという働き方は不可能になり、いくらサボっていても結果を出した人のみが評価される、成果主義の社会が来るでしょう。
成果主義がやってくることについては、橘玲さんの『働き方2.0vs4.0 不条理な会社人生から自由になれる』が非常に参考になります。
コロナで飲食業界が大ダメージを受けていますが、飲食業界全てがダメージを受けた訳ではないと言います。
本田直之さんは、人形町にある老舗飲食店である今半を例に挙げています。
人形町今半は、高級すき焼き、しゃぶしゃぶ店といったイメージがありますが、早い段階から通販やお弁当、惣菜などに販路を広げ、それらの売り上げが半分以上になっていたのです。
実際に人形町を歩いてみると、街の至る所に今半のお店が目に入り、お惣菜などを売っているのが目につきます。
飲食店は、お店で料理を提供するだけと拘らずに収入源を増やしていた人形町今半は、飲食業界でも見本になります。
(画像:人形町今半 公式サイト)
コロナが私たちに最も大きなメッセージは、「価値を意識すること、復習の収入源を持つこと」だと言います。
コロナで何かを始めた人たちが多い
コロナで外出もできず、早く収束しないかと悶々としている人も多いと思いますし、度が過ぎた自粛に恐怖を感じる人もいると思います。
しかし、意外にもコロナをきっかけに新たなチャレンジをし始めた人が多いのが事実です。
本田直之さんがとったアンケートによれば、働き方が変わった人は7割弱、時間の使い方が変わった人が約8割、ライフスタイルが変わった人も約7割いたと言います。
それだけに留まらず、コロナをきっかけに起業する人、副業を始める人、オンラインサロンに参加する人なども急増していると言います。
そして、コロナをきっかけに一歩を踏み出した人たちには、コロナが始まって一年も経っていないですが、既に変化が起き始めているのです。
実際、 何か一歩、踏み出している人には、何かが起きています。人との出会いが生まれたり、新しいチャンスが見えてきたり、企業はその体質を強くしたり、その魅力をいっそう高めていたり。
コロナの中でポイントになったのが、時間の使い方だと言います。
リモートワーク、オンライン会議になることで、通勤に往復2時間、準備に1時間かかっていたとすれば、毎日3時間を仕事のために無駄に時間を使っていましたが、それをもっと自分の人生にプラスになることに使えるようになりました。上司の顔色を伺う無駄な飲み会も減ったという人も多いのではないでしょうか。
ほとんどの人にとって、コロナは自分のために使える時間が増えるという利益をもたらしてくれました。
その時間をダラダラ過ごしたり、ゲームをしたりして過ごすのか、自分の人生にとってプラスになるように使うのかで、アフターコロナの生き方に大きな違いが生まれます。
時間にゆとりができて最も意識しないといけないことは、新たに生まれた時間を投資に回すか、浪費に回すか、です。これで人生は変わる、ということです。
世界を代表するコンサルタントの大前研一さんが人生を変えるには3つの方法しかないと言っていますが、まさにそのうちの1つが時間配分を変えることです。
コロナは、私たちの日々の時間配分を変えるきっかけを強制的に作ってくれたと捉えることができれば、色々なことがプラスに捉えられるのではないでしょうか。
代理業はいらない。マスからマイクロへ
コロナでSNSを見る時間が増えたという人たちは、全世代で増加しています。
本田直之さんは、多くの人たちがマスメディアの発表する情報だけでなく、個人が発信しているマイクロメディアの情報を積極的に得ようとし始めていると言います。
現に、今回の新型コロナウイルスは、いかにマスコミがデタラメな情報を流し続けているかを証明してくれたような出来事であったように感じます。
マスコミがいうことよりも、SNSやYouTubeで有識者が解説してくれている情報の方がよっぽどしっかりとした情報であることに気が付いた人も多いはずです。
多くのYouTuberやインフルエンサーと呼ばれる人たちが活躍するようになり、一般人でも世の中にインパクトのある情報を流していくことが可能になりました。
今後、代理店のような中抜きは必要なくなると言います。
現に、広告代理店、旅行代理店といった業界は軒並み大ダメージを受けています。
これらの業界がなくても、個人がSNSなどでダイレクトにマーケティングができるようになったため、こうした中抜き業者は誰でもできることを代わりにやることで、最終的な値段を高くしているだけの無駄な存在になってしまっているのです。
こうなったら、もう中抜きはいりません。自分で、ダイレクトにできるわけですから。デジタルの時代は、ダイレクトにやることが、ものすごく簡単になってしまったのです。これから、中抜きを飛ばして個人でどんどん新しいことを始められる時代になっているのです。
日本が得意としていた大量生産・大量消費の時代の終わりの入り口が、コロナなのかも知れません。
大量に生産し、広告代理店が多額の費用をかけて大物芸能人を使い、全国ネットのCMでマスマーケティングをし、大量に売り捌くことが正解だった時代が過去のものになりつつあります。
物を買うときは、インスタグラマーや信頼できる友達から情報を得るのが当たり前になり、個人がSNSでマーケティングをし、本当に買って欲しい人だけに良いもの届けるというのが、アフターコロナ時代のビジネスモデルのように感じます。
これからの時代はオンラインコミュニティに入るべき
本田直之さんも、ずっとオンラインサロンには否定的でしたが、コロナを機にスタートさせたと言います。
本田直之さんが、やりたくなかった理由は、不特定多数の人が入ってきて場が荒れてしまうことを懸念していたからだと言います。
こうしたコミュニティを運営していくにあたって、レベルを維持していくことは絶対条件ですが、実際に初めて見ると本田直之さんが危惧していたようなことは起きていないそうです。
オンラインコミュニティは、自分と価値観が近く、似た志を持っている人たちが集まる場所であるため、自然と居心地の良い人たちや切磋琢磨できる人たちが集まっていくのです。
これからの時代は、「積極的選択」が必要な時代
本田直之さんは、本書の中で「積極的選択」という言葉を使っています。
今まで駅前の立地の良いチェーンの飲食店は混んでいましたが、コロナをきっかけにそうしたお店の人気は低迷しています。人気があったのではなく、立地が良いからというだけの理由で、消極的に選ばれていたのです。
しかし、駅から遠いけど、地元の人がいつも集まるようなお店や名店と呼ばれるお店にはコロナでも行列を作っていたりします。
つまり、人が積極的に選択して、利用したいと思うものには、コロナであろうが人が集まっているのです。
会社の同僚や上司は、消極的選択での集まりに過ぎません。
たまたま入った会社で、たまたま人事の指示で同じ仕事をしているだけで、自分で一緒に働きたいと思って選択した人たちではないはずです。
コロナで外出の頻度が減ったことで、なんとなくの人間関係は必要ないと多くの人が気がついたはずです。
大切な人や自分が積極的に関わりたいと思った人たちとの人間関係はコロナでも続いており、希薄な人間関係や消極的選択で知り合いになった人は自粛期間に自然消滅したのです。
これからの時代は、オンラインコミュニティを自分で選択し、自分で積極的に付き合いたい人を選択していく必要があるのです。
個人も企業も固定費はいらない
企業はどんどん固定費を削減しようしており、その代表格が人件費とオフィス代です。
今の時代、プロジェクト単位で人をアウトソーシングすれば、その道のプロフェッショナルに仕事を依頼することができ、正社員として人を雇う必要性はどんどんなくなっていきます。
個人としても、リモートワークで出社することが減れば、そもそも都心の高い家に住む必要もなければ、高いブランド品で着飾る必要もなくなります。
コロナで収入が減った人は多いですが、色々と支出を見直していくと、無駄な出費が多いことに気がつき、実際に生きていくだけであれば、そんなにお金は必要ないということに気がついた人も少なくないと言います。
これからは、企業も個人も固定化されたものではなく、変動したものに移っていき、より身軽な企業、個人が活躍していくことになるはずです。
本田直之さんが、これからの時代に生き抜くポイントとして、「進化しているか」「デジタル化しているか」という2点をあげています。
この2つに対応できない個人や企業は廃れていき、この2つをうまく活用することができれば、うまくいかないことがあっても実験だと捉え、いつかうまくいく方法が見つかるはずです。
まとめ
どうしても、コロナをネガティブなものと捉えてしまいがちになりますが、ネガティブに捉えたところで自分の人生にプラスにはなりません。
実際に、コロナをプラスに捉えて、行動をした人は既に色々な結果を出し始めているのです。
ビフォーコロナを懐かしむことは簡単ですが、ビフォーコロナが本当に良い時代だったかと言えば、そうではないと思うことの方が多くなってきています。
無駄なものが無駄だとわかり、自分にとって本当に必要なものがなんであったかを再確認するときが今なのかも知れません。
コロナを人生の中の実験台と捉え、今までチャレンジできなかったことに挑戦していく絶好の時期が今なのではないでしょうか。
日本で緊急時代宣言が発令されてから、早いもので半年余りが経過しましたが、この半年間にチャレンジした人とビフォーコロナに戻ることを待つだけの人で、大きな差がついてしまいました。
しかし、逆に捉えれば、まだ半年しか経っていないため、今から走り出せば十分に間に合います。
「人生は壮大な実験である。」と言う言葉は、チャレンジすることに躊躇してしまっている心を後押ししてくれるはずです。
これからの1年、2年が、この先の人生に大きな影響を与えることは間違いない
コロナをチャンスに変えたい方に、ぜひお手にとっていただきたい一冊です。
本田直之さんの他の著書についても、下記の記事で紹介しています。
最後に
東京アキバ読書会は、本田直之さんもおすすめするオンラインコミュニティとして、読書会を開催しています。
オンラインサロンとは違い、月額の会費などは発生せず、1回300円で参加することができます。
オンラインサロンへ加入するのには少しハードルを感じている方や、本好きな人と語り合いたい方、これから読書の習慣をつけたい方、まずは何かにチャレンジしてみたい方、オンラインコミュニティを探している方など、参加のきっかけはどんなものでも構いません。
20代、30代の若手社会人が中心のため、同年代の知り合いを積極的に選択していきたい人も大歓迎です。
年間1000名以上が参加している、読書会の中でも全国最大級の読書会です。
また2015年から毎週開催実績があり、初めて読書会に参加する方も安心です。
少しでもご興味がおありの方は、下記より詳細をご確認ください。