あなたも、「もっとデキる人になりたい」「ネガティブな性格を変えたい」「自分を変えたい、人生を変えたい」と思ったことが一度はあるのではないでしょうか。
誰もが、理想の人生を歩みたいと思いつつ、理想と現実のギャップに悩まされた経験があると思います。
自分を変えるために、いろいろな新しい挑戦をしてみても、全く変われなかった人も少なくないと思います。
しかし、あなたが変わることが出来なかったのは、あなたのせいではないかもしれません。人間は、生まれながらに変化を嫌う動物だと言われています。
楽しみながら、あなたを変えていくことが出来る本をご紹介いたします。
ポジティブ・チェンジ: 自分を変えるのに頭も根拠も希望もいらない!|DaiGo
ご紹介する本は、メンタリストのDaiGoさんの著書の『ポジティブ・チェンジ』です。DaiGoさんは、テレビなどでも活躍しており、ご存知の方も多いと思います。
誰にでも読みやすい文体で書かれており、普段読書をしないという方にもオススメで、DaiGoさんをご存知の方にも、ご存知でない方にもおすすめの本です。
「変わるための方法論」は、目標をしっかり持つこと、変わることに成功した自分をイメージすること、などによってつらいプロセスを乗り越えるものばかりでした。つまり、変化はうれしいことだけれども、変化の過程はつらいという前提だったのです
実は、この前提をひっくり返したことこそが、本書の特色です。
そして、本書によって、あなたが今度こそ変われる理由もここにあります。
DaiGo|ポジティブ・チェンジ プロローグより
人間の脳は、変化が嫌い
自分を変えたいと思った時に、絶対に知っておかなければならない前提があります。
それは、人間の脳は、変化を嫌う性質があり、あなたが変わりたいと思っても、脳が勝手に拒否反応を起こしているのです。
人間の脳は「変わらなくても生きていける」と思っているのです。
脳を含め、人間の体は現状を維持しようとする性質を持っています。これをホメオスタシスといいます。
DaiGo|ポジティブ・チェンジ
例えば、甘いものを食べれば、血糖値が上がります。その時、脳はインスリンというホルモンを分泌する指令を出し、血糖値を抑えます。これがホメオスタシスです。
風邪をひいて体温が上昇すれば、体は汗を出して熱を逃がそうとしますし、体温が低すぎるときは体を震わせて体温を上昇させようとします。こうした機能もホメオスタシスであり、ホメオスタシスは人間にとって非常に重要な体の機能の一つです。
最近では、アロスタシスという機能も注目されています。
血糖値の上昇という変化を感知すると、これに対応して血糖値を下げるのがホメオスタシスでした。これに対して、甘いものを目の前にした瞬間に、「これから血糖値が上がるぞ」と予測して、先に血糖値を下げ始める機能も脳は備えているのではないか、と言われているのです。これがアロスタシスです
DaiGo|ポジティブ・チェンジ
人間も元々大自然の中を他の動物から身を守りながら生きてきたため、その時の名残で、今日生きることが出来たため、明日も今と同じ行動をすれば生きていけると勝手に同じ行動をし、安全パイをとろうとしてしまうのです。
ホメオスタシスやアロスタシスは、人間にとって必要不可欠な機能ですが、あなたが変わろうと思った時には邪魔になってしまうということを理解しておく必要があります。
あなたが変われない3つのカン違い
DaiGoさんは、変わりたいけど変われない人が陥りがちな3つのカン違いがあると言います。変われない人は、①頭で考える、②根拠が必要、③希望を持つという従来の変わる方法を実践しようとしますが、この3つがそもそも間違っていると言います。
DaiGoさんは本書の中で、 「変わるための鉄則」と呼ぶべき3つのルールを掲げています。
ルール1 頭はいらない
ルール2 根拠はいらない
ルール3 希望はいらない
DaiGo|ポジティブ・チェンジ
ルール1 頭はいらない
まず最初のルールは、「自分を変えるにはどうしたらいいのか」 と考えることをやめることだと言います。自分を変えるために頭はいらず、考える必要はないといいます。むしろ、考えることは変化を妨げるとまで言っています。
多くの人が、「どうやったら、自分は変われるのだろう?」と考えますが、その時点で変化することから逃げており、行動を先延ばしにしているのです。言い換えると、変化に準備は必要ないということです。成功する人たちはみな見切り発車で物事を始めていると言います。
準備をして、条件を整えてから行動しようとする人は、必要なものが揃わなければ行動しない人であり、そうした人は絶対に自分を変えることができません。
将来をあらかじめ見据えて、点と点をつなぎ合わせることなどできません。できるのは、あとからつなぎ合わせることだけです
スティーブ・ジョブズ
DaiGoさんは、まずは小さなことで良いから1つだけ変えることが重要だと言います。今すぐ、髪を切ることや、メガネをコンタクトに変えると言った小さなことでもいいのです。
とりあえず、出社したらいつもは挨拶をしない人に挨拶をする、でもいい。
1日1回は上司に意見を言う、でもいい。
まずは行動を変えることです。
DaiGo|ポジティブ・チェンジ
ルール2 根拠はいらない
変われない理由を、忙しいから、お金がないから、両親や家族が新しい事に挑戦させてくれないといったことを言う人もいますが、そもそも変われないのではなく、あなたが変わりたくないのです。
アドラー心理学では、感情は道具であり、喜びであろうと、怒りであろうと、悲しみであろうと、都合に合わせて出し入れできるものだと考えます。
ですから、たとえば怒って人を殴った場合、フロイトやユングは怒りという感情に引っ張られてつい殴ってしまったと考えます。
アドラーの場合は、相手を殴り倒すために、怒りという感情を作り上げたと考えるのです。
相手との対立を解決するために、対話や説得という方法もあるけれど、めんどうだから相手を殴って力でねじ伏せたい。そこで、道具として怒りという感情を使った。これが使用の心理学による感情の解釈です
DaiGo|ポジティブ・チェンジ
つまり、「怖い」「不安」だから変わるために行動できないというは、変わりたくないから、「怖い」「不安」といった感情を使用しているのです。変われないのではなく、自ら変わりたくないと思ってしまっているのです。
むしろ過去を、未来を変えるために利用してしまいましょう。 こうした考え方は、第2のルール、「根拠はいらない」につながります。 ここで言う根拠とは、「自分は変われる」「変わったら幸せになれる」といったことに根拠はなくていい、ということです
DaiGo|ポジティブ・チェンジ
本当に自分を変えたいなら、他人と比べてはいけないと言います。何故ならば、他人と自分を比べる人は、自分を変えようとするのではなく、他人になろうとしているのです。
自分を変えられた人、成功者と言われる人たちは、自分にしかない武器を使って成功しており、他人と比べて成功した人など一人もいません。
ルール3 希望はいらない
DaiGoさんは自分を変えるために、「希望はいらない」と言います。なぜなら、行動できること自体が希望だからです。
心理学で「作業興奮の原理」と呼ばれるものがあり、手を動かすなどの作業をし始めると、脳内にドーパミンが出ます。ドーパミンは、「期待のホルモン」とも呼ばれ、ドーパミンが出ると、人は不安や憂鬱から解放され、やる気が出てくるホルモンです。つまり、行動すると「これをやったらもっといいことが起こるんじゃないか」とさらに行動に駆り立てられるのです。
DaiGo|ポジティブ・チェンジ
DaiGoさん自身も、不安や恐れ、悲しみなどネガティブな感情が湧いたら、とりあえず何かをすることにしていると言います。つまり、落ち込みそうになったら行動し、その行動に没頭することで、次の行動が決まるのです。
やる気が出たから行動するのではない。行動し始めてからやる気が出る。
DaiGo|ポジティブ・チェンジ
まとめ
本書では、①時間、②言葉、③友人、④モノ、⑤環境、⑥外見、⑦食事の7つの項目についての「行動を変える」ためのスイッチをONにする方法がわかりやすく書かれています。
特に、時間、友人、環境については、非常に参考になる部分が多く、その部分だけでも是非全員の方にお読みいただきたい一冊だと感じます。
まず、時間。どのように時間を使うかは、その人の生き方、習慣そのものです。これを変えると大きな効果があるのは言うまでもありません。また、どのように時間を使っているのかは客観的に現状を把握しやすいというメリットもあります。
言葉は、思考の道具であり、人の考え方を規定します。一方、他人とのコミュニケーションの道具でもあり、自分の内面、他者の反応の両方に影響するので重要です。
友人、モノ、環境の3つは、すべて含めてあなたを取り巻いている存在です。つまり、あなたの感覚にインプットされる情報のもとです。インプットが変わることによってアウトプットも変わるわけですから、これらの要素を変えることは、自分を変えるための近道です。
外見は、あなたが他人に与える印象の大部分を占める視覚情報を決定するものですから、相手からの扱われ方を劇的に変えます。それによって、自分自身が変わっていくわけです。
最後は食事です。何かを食べることは、まさに自分を作ることです。自分を構成する材料から変えることで、根本的に自分を変えることができます。
DaiGo|ポジティブ・チェンジ