セールスという言葉を聞くと皆さんは、どんな感想を持つでしょうか。
不動産や自動車、金融業界の営業マン。そんなイメージでしょうか。
今までの世の中では、セールス(売り込み)というと具体的な物を売る仕事といったイメージだったと思います。
しかし、これからの時代、セールスとは特定の営業マンのものではなく、誰もが必要な技術になるとのことです。
そして、本書のサブタイトルにもなっているように、『売り込まないで、セールスを成功させる』ことがテーマになっていますので、とても実用的な本です。
3年後は、誰もがセールスをする時代になる。そんな本をご紹介いたします。
人を動かす、新たな3原則 売らないセールスで、誰もが成功する!|ダニエル・ピンク
ご紹介する本は、ダニエル・ピンク氏の『人を動かす、新たな3原則 売らないセールスで、誰もが成功する!』です。
クリントン政権化で、アル・ゴア副大統領の主席スピーチライターをしていたダニエル・ピンク氏。
今では、『ワシントン・ポスト』や『ハーバード・ビジネス・レビュー』などでに寄稿しており、世界中のビジネスマンの常識を作り出しているとも言われる、今注目の作家の1人です。
訳者は、神田昌典さんです。
神田昌典さんは、経営コンサルタントやビジネス書作家として活躍しています。
日本最大の読書会である『READ FOR ACTION』を主催しています。
そして、今や日本トップのマーケッターであり、マーケティングの世界で神田昌典さんのことを知らない人は、いないくらい影響力のある人物です。
神田昌典さんは
ピンク氏の新刊は3年後のビジネス界の常識をつくっている
と言っています。
そんな世界で注目されるダニエル・ピンク氏の本を、日本のトップマーケッターが訳したという超注目作をご紹介。
今既に営業をやっている人は、明日からの営業のために。
営業をやっていない方は、これからの時代を生きていくために、読むべきだと感じます。
ダニエル・ピンク氏が、本書の前に執筆している三冊の本は、今や世界の常識になりつつあります。
確実に世界はこうなっていくとわかっているときに、その未来を無視して生きたいですか?
そんな人はもちろんいないと思います。来るはずの未来に備えていく気持ちがあるような方がこのブログを読んでいただいているように感じます。
3年後、このダニエル・ピンク氏の内容が世界の常識になった時に、あの時読んでおけば良かったと後悔はしないでください。
従来の旧時代のセールスは終焉した
本書のタイトルに「新たな」とついているということは、かつての三原則があるということです。
それは、「Always Be Closing」(必ずまとめろ契約を)という原則でした。
これは、今までの時代には十分に通用した方法です。
何故なら、売り手が圧倒的な情報をもっており、買い手は情報を手に入れることが出来なかった為、セールスマンに言われたことを信じて購入するか否かを決めなければいけなかったからです。
しかし、今の世の中では、スマホ1つで世界中の最新情報を簡単に手に入れることが出来ました。
つまり、売り手と書いての情報格差の壁がなくなったのです。
“買い主は気をつけよ”から、“売り主は気をつけよ”の時代になった。
ダニエル・ピンク|人を動かす、新たな3原則 売らないセールスで、誰もが成功する!
とダニエル・ピンク氏は本書の中で繰り返し述べています。
全ての人がセールスをする時代に
これからの時代は、ダニエル・ピンク氏を始めとして、多くの経済学者やエコノミストが、「企業名や役職という肩書きが影響力をもつ時代は終わりを迎える。これからの時代は、個人の名が影響力のあるブランドになり、個人の多くの社会的リーダーが世界を率いるようになる」と予測しています。
これは、もちろん日本も例外ではありません。
では、なぜ全ての人がセールスが必要なのでしょうか?
セールスの本質を考えたときに、単に物を売るという狭義の意味だけではないでしょう。
『人の心を動かす、人を説得する、人に影響を与える、人に納得してもらう』という行為の一部が物を購入してもらうことです。
学校の先生やお医者さんもセールスをしていると言えますし、誰かに頼みごとをするということもセールスになるでしょう。
つまり、誰もが意識をしていないが、セールスをしているのです。
セールスに必要な特質とは
これからのセールスに必要な特質。新たなABCは次の3つです。
同調(Attunement )
浮揚力(Buoyancy)
明確性(Clarity)
ダニエル・ピンク|人を動かす、新たな3原則 売らないセールスで、誰もが成功する!
同調
自分の行為と見解を、他の人とも自分自身が置かれた状況とも調和を図る能力
ダニエル・ピンク|人を動かす、新たな3原則 売らないセールスで、誰もが成功する!
旧来の押し売りのような感覚は、これからの時代は全く通用しないとのことです。
ポイントは、相手が自分より低い位置にいると想定して話を進めることです。
そして、今までのように情報の格差を武器に戦うようなセールスではなく、相手と共感して、相互関係や結びつきを頭で考えられるくらい頭をつかうこと。
そして、最後は、相手に気がつかれないくらいに、真似をするとと同調の効果があります。
浮揚力
拒絶・拒否・否定などに負けない能力
ダニエル・ピンク|人を動かす、新たな3原則 売らないセールスで、誰もが成功する!
セールスをするとなると、つき物なのが相手からの否定や拒絶、ひどいと怒鳴られたりもするかもしれません。
ポイントは、自己暗示で自分自身を奮い立たせることだといいます。
そのためには、ポジティブシンキングの比率が大事とのことです。
ポジティブシンキングはすればいいというものでは、ないということを初めて知りました。
ポジティブ心理学の研究では、ポジティブシンキング:ネガティブシンキング比率は、3:1以上(厳密には、2.9013:1)で、11:1以下の比率になるのが非常に効果的とのことでした。
ネガティブな感情は、ある程度は必要なのですね。
明確性
見えていなかった様相を明らかにして、置かれた状況を理解できるようにする能力
ダニエル・ピンク|人を動かす、新たな3原則 売らないセールスで、誰もが成功する!
これからの時代に必要な能力は、他人の問題を「解決」する能力ではなく、問題を「発見」する能力の方が重要であるとのことです。
まとめ
これから誰もが自分をセールスしなければいけないという観点が非常に新鮮でしたが、確かにそうなると感じます。
他の、ダニエル・ピンク氏の本とあわせて読むと更に確信が高まると思います。
根拠がなければ、
ピンク氏の新刊は3年後のビジネス界の常識をつくっている
なんてことは、言われず、世界中でベストセラーにはなりません。
しかし、世界中のトップビジネスマンたちが、ダニエル・ピンクの本を評価しているという事実揺るぎません。
この事実を素直に受け止め、書いてある内容を参考にしてみるのが一番賢い選択だと思います。
本書は、今までの押し売りのようなセールスの時代は終わったといっています。
「売り込まないで、成功したい」と誰もが思うはずです。
そのために非常に参考になる一冊です。
今営業をやっている人も、営業は関係ない人も全員が知っておくべき内容だと感じます。


