【書評】僕は君たちに武器を配りたい|瀧本哲史

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今、日本では「高学歴ワーキングプア」という言葉が今話題になっています。

良い高校、良い大学、中には日本トップの大学院を優秀な成績で卒業して、社会に出たのは良いものの、職を見つけられない人が急増しているとのことです。

大学院を卒業して、働き始めても、月給5万円という人も当たり前のように存在する時代であることをご存知ですか?

 

一昔前までは、良い大学を出ていれば、一生涯安泰であるという時代が確かにあったかもしれませんが、そんな甘い時代はとっくに終わりを迎えています。

多くの人たちが、未だに偏差値の高い大学を卒業すれば、良い企業に入社できる。一部上場企業に入社すれば、一生勝ち組といった幻想を持ち続けていますが、今の日本の現状はそんなに甘くありません。SONY、東芝、SHARPといった日本の一時代を築いた超大企業が何食わぬ顔で平然と何千人もの従業員をリストラし、年金の支給開始年齢はどんどん先送りされており、国や会社に頼って生きていくという人生は非常に危険だということに誰もが気が付き始めているはずです。

ホリエモンこと堀江貴文さんは、近畿大学の卒業生へ向けたスピーチで、次のようにメッセージを送っています

これまでは、卒業したあと就職活動とか、まあたぶんしたんでしょうけど、同じ会社でずっと勤めあげて、定年退職して、その間に家族を持って、家を建ててみたいな、まあいわゆる普通の生活というのを、このあと皆さんは送っていくことになったのかもしれませんが、そんな未来は、おそらく皆さんのうちの本当にごく一部の人しかそういった未来を歩まない、いや歩めないと思います。

堀江 貴文

horiemon

 

高学歴ワーキングプアの原因の一つが、今回紹介する本のキーワードにもなっている『コモディティ化』です。

コモディティ化(コモディティ – か、英: commoditization, commodification)は、経済やビジネスにまつわる用語。所定の製品カテゴリー中の製品において、製造会社や販売会社ごとの機能・品質などの差・違いが不明瞭化したり、あるいは均質化することを指す。

(引用元:Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/コモディティ化)

顕著なのは、白物家電でしょう。

家電量販店にいって、家電を買おうとしても、どのメーカーの商品もパッと見ただけでは違いが分からず、同じに見えてしまいます。どの商品でも良いかなと思った経験がある人も多いのではないでしょうか?

 

そのコモディティ化が、人材においても発生しているとのことです。

就職活動では、みんな口を揃えて『良い大学に在学し、TOEICは900点以上で、サークルの代表をやっている。』といいます。それが、コモディティ化であり、みんな特徴がないのです。グローバル化が進んでいる現在、英語力の高い人ならば、日本以外のアジアの国にたくさんいるので、敢えて日本人の大学生を採用する理由はどこにもありません。

 

皆さんも、知らず知らずのうちに、周囲と同化していて、特徴のない人になっていませんか?

この本は、これから社会に出る人たち、社会に出たばかりの20代の人たちに向けた本です。大学生や社会人など、20代は是非読んでおきたい一冊です。

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僕は君たちに武器を配りたい|瀧本哲史

僕は君たちに武器を配りたい

ご紹介する本は、瀧本哲史さんの著書である『僕は君たちに武器を配りたい』です。

著者は、東京大学を卒業後、周りの同級生は官僚などへの道を進む中、外資系のコンサルティング会社のマッキンゼー・アンド・カンパニーへ進んだ異例の経歴をお持ちの瀧本 哲史 氏です。今は、エンジェル投資家、経営コンサルタントとして活躍されています。著書はベストセラーとなり、今ビジネス書界の中でも非常に注目されている作家のお一人です。

非常に凄いタイトルですが、20代の人たちにとてもヒントを与えてくれる一冊です。

本書は、これから社会に旅立つ、あるいは旅だったばかりの若者が、非常で残酷な日本社会を生き抜くための、「ゲリラ戦」のすすめである

と最初に書いてあります。

資本主義社会の本質、これからの時代に生き残れる人はどのような人であるかということが、わかりやすく書いてあります。

 

資本主義社会は、コモディティでは生き残れない

資本主義社会とは、『富める者はますます富んでいき、貧しい者はますます貧しくなる』仕組みです。

しかし、勘違いしないでいただきたいのは、少なくとも日本で生まれている私たちは生まれつき富める者か貧しい者が決まっているわけではないということ。カースト制度など、生まれながら階級が決まっているような国では、自分の力でなんとか出来ない生まれながらに決まっているものがあるということもあります。

しかし、資本主義の日本で生まれている私たちは豊かになれない理由を、国や法律、制度などのせいにすることはできません。全て自分たちの次第なのです。

 

今やTOEICで900点以上持っている大学生は珍しくありません。900点以上であるということは、最低条件であって、付加価値にはならない時代が来ているとのことです。就職活動をする際の募集要件が、TOEIC900点以上とあれば、900点だろうが満点であろうが評価は一緒になります。重要なのは、どれだけ安いコストで働いてくれるかということになります。人件費の安さでは、アジアの発展途上国の優秀な人材に私たちは負けてしまします。

TOEICで高得点をもっている人は決して特別ではなく、コモディティ化しています。他の人と同じような特徴のない人たちは、コモディティとなり、これからの時代を生き抜くことが不可能になっています。高学歴ワーキングプアが大量発生しているという現実を見ても、こうしたコモディティ化が既に日本に多く存在することがおわかりいただけるでしょう。

多くの日本人が、コモディティになっている、もしくはコモディティにむかっているといるのです。

 

これから生き残る4つのタイプ、価値を失う2つのタイプ

本書では、今成功している人たちを6つのタイプに分類しています。

今成功している人たちの中でも、今後成功していくタイプの人、生き残るタイプの人たちは、4つとのことです。2つのタイプの今の成功者たちは、今後価値を失っていくとのことです。

6つのタイプは以下の通り。

  1. 商品を遠くに運んで売ることができる人(トレーダー)
  2. 自分の専門性を高めて、高いスキルによって仕事をする人(エキスパート)
  3. 商品に付加価値をつけて、市場に合わせて売ることができる人(マーケター)
  4. まったく新しい仕組みをイノベーションできる人(イノベーター)
  5. 自分が起業家となり、みんなを管理してリーダーとして行動する人(リーダー)
  6. 投資家として市場に参加している人(インベスター)

そして、今後生き残っていけるのは3~6のみです。価値を失っていくタイプは1・2です。

詳しい説明に関しては、本書を読んでいただきたいと思いますが、今後生き残っていくのは、マーケター、イノベーター、リーダー、インベスターのみであるということをしっかり認識いただきたいと思います。

 

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まとめ

日本では、偏差値だったり、テストの点数が重視される傾向があります。しかし、いくら偏差値が良くても、点数が良くても、平均点より上だからと言ってこれからの時代は生き抜いていくことができません。

平均点は、ただのコモディティに過ぎません。周りより、圧倒的に突き抜けた力が必要なのです。

その力をつけるヒントがこの本には満載です。

 

あなたがコモディティになる前に是非読んでいただきたく思います。

自信を持って周囲の人たちに、勝てる能力がありますか?

 

良い大学を出たからといって安心してはいけません。気を抜くと、高学歴ワーキングプアが待ち受けています。常に、学び続ける必要があると感じます。会社に頼るのではなく、個人の力をつけていきたいですね。

人生は短い。戦う時は「いま」だ

時には周囲から「ばかじゃないのか」と思われたとしても、自分が信じるリスクをとりにいくべきだ、ということである。自分自身の人生は、自分以外の誰にも生きることはできない。たとえ自分でリスクをとって失敗したとしても、他人の言いなりになって知らぬ間にリスクを背負わされて生きるよりは、100倍マシな人生だと私は考える。

瀧本哲史|僕は君たちに武器を配りたい P.287

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