2050年の生活を想像してみてください。
日本はどのようになっていると思いますか?
皆さんはどのようになっていますか?
皆さんの子どもはどのようになっていますか?
2015年に生まれた子どもは35歳となり、社会を動かす中心の年代になっています。
今、20代の人は、55~65歳となり、定年退職が見えてきます。もちろん、その頃には定年退職は70歳や80歳になっているかもしれません。もしくは定年退職という言葉がなくなっているかも知れません。
今、30代の人は、65~75歳になり、年金生活が目の前に来ています。年金制度も恐らく今とは全く違うものになっていると思います。ほとんどの人が思っているよりも物凄い少額しかもらえない、もしくは全くもらえないといった現実をつきつけられているかもしれません。
今身の回りにあるものは、どのようになっているでしょうか?
例えば、携帯電話。20年前は携帯電話を持っている人はほとんどいなかったと思います。携帯電話の使い方、使い道、見た目の全てがこの20年で変化しました。誰が、20年前に、電話の画面を触るだけで何でもできるようになることを想像したでしょうか?
もし皆さんが投資家だったら、どの企業に投資しますか?
以下に書かれている条件以外は、すべて同じと仮定します。
- 従業員平均年齢20代のA社
- 従業員平均年齢50代のB社
- 人を常に入れ替え続けている従業員平均年齢40代のC社
この3社を見て、B社に投資したいと考える人は、ほとんどいないはずです。
実は、この3社は、2050年の『国』の状況を例えたものなのです。
A社は、インドやアフリカなどの勢いのある若い成長国です。
C社は、世界中からの移民を受け入れる『移民の国』アメリカです。
そして、誰も投資したいと思わないB社は、『超高齢社会』の日本です。
もう一度、冒頭の質問を考えてみてください。
皆さんはどのようになっていますか?皆さんの子どもはどのようになっていますか?
21世紀を生き抜く3+1の力|佐々木裕子
ご紹介する本は、佐々木 裕子著の『21世紀を生き抜く3+1の力』です。
佐々木 裕子さんは、日本銀行、マッキンゼー、ソニーで大活躍された方です。
これからの時代を生きていくためのヒントや、これからのトレンドが学べるので、是非読んでおきたい1冊だと感じます。ノウハウや考え方を学ぶのと、トレンドや経済の流れを1冊で学べる本は、なかなかないと思います。
平均年齢53.4歳の国に生きるということ
2050年は、日本の総人口の平均年齢は53.4歳になっていると予想されています。そして、人口の約40%が65歳以上になっていると考えられています。平均寿命は、90歳以上です。
仮に65歳で定年退職し、90歳まで生きるとします。老後の生涯生活費を計算すると、月額30万円だと、25年間で約9000万円もかかります。医療費、介護費などを加えると1億円は最低限必要です。人口の約4割が65歳以上の超高齢社会では、『年金』や『退職金』で、まかなおうということは、あまりにも楽観過ぎる考えでしょう。
人生100年、平均年齢53歳の日本は、60歳はまだまだ「中年」です。75歳や80歳になっても普通に働かなければいけないという前提でこれからの時代に向けて、スキルや知識を向上させ、健康を維持していかなければいけません。
働き方の変化
デューク大学教授であるキャシー・デビッドソン氏がニューヨークタイムズのインタビューで語り、世界に衝撃を与えた言葉があります。
2011年度にアメリカの小学校に入学した子どもたちの65%は、大学卒業時に今存在していない職業につくだろう
そんな大げさな。と感じる人もいるでしょう。しかし、これが、現実なのです。
小学校を卒業するのが12歳。大学卒業が22歳。その間、10年です。
10年という年月で仕事が変わるはずがない感じますが、ITの発展した現代では、10年もあれば物凄い変化が起きます。
10年前になかったもの
例えば、今や人々の生活になくてはならない存在になったフェイスブック創設の年をご存知でしょうか?
2004年です。
2004年と聞くとつい最近のように感じますが、フェイスブックもGoogleマップもYouTubeもiPhoneも存在しなかったのです。
これから、10年間で新たに生まれる仕事が山のようにあります。
Googleの共同創立者のラリー・ペイジ氏は次のように言っています。
人工知能の急激な発達によって、今現在日常的に行われている仕事のほどんどをロボットが行うようになり、近い将来、10人中9人は今とは違う仕事をしているだろう
ラリー・ペイジ
今の会社で定年までいるという考えが非常に危険なことがわかります。
20年前になかったもの
20年前まで振り返れば、かなりの変化があることを実感できるはずです。
インターネットエクスプローラーがないということは、ほとんどの人がインターネットにアクセスすることすら出来なかったのです。
ましてや、インターネット上で買い物をする未来が来るとは誰もが思い浮かべなかったはずです。
日本では、スイカも導入されておらず、誰もが電車に乗るために切符を買っていた時代です。
今では、スイカ専用の改札の多いというところもあり、切符を買う人すらほとんどいなくなりました。
切符を製造していた会社はどうなってしまったのでしょうか。
21世紀を生き抜く3+1の力とは?
本書のタイトルにもなっている、21世紀に必要な力とは、
1. 考える力
想定外の問題や経験値のない課題に向き合い、自分の頭で「何が本質的にやらなければならないことか」を考えることができるか?
2. 共創する力
「多様な」人々との議論を通じて、その議論の中から学び、ベストな答えを導き出し、実践し始めることができるか?
3.進化する力
自分自身と真摯に向き合い、自ら気づき、学びながら「進化」することができるか?
佐々木裕子|21世紀を生き抜く3+1の力
といっています。
自分で考え、多様な人と繋がり、進化していくことがこれからの時代は、必要になってきているとのことです。
本当に必要なものは、多くの人が持っていない+1の部分
いくら力があっても21世紀は生き抜けないといいます。
一番重要なものは、+1の部分であると感じます。
+1の力とは、
結局のところ、自分が目指したい世界、目指したいものは何か?
佐々木裕子|21世紀を生き抜く3+1の力
目標、目的、夢、ビジョン。
そういったものが、本当に大事なものなのです。
「好きこそ物の上手なれ」という言葉もありますが、「どんな努力も夢中には勝てない」といいます。
本当に心の底から、なりたくて、なりたくて、なりたくて、本当になりたいと夢中になっている人には、どんな努力家も勝つことができません。自分が目指したいものが明確にある人が、強いのです。
本書の中、何度も出てくるアポロ13の話しがあります。
アポロ計画のいたるところに、私たちが学ぶべき思考があることが書かれています。
アポロに関連して、楽天の三木谷浩史社長は、『成功の法則92ヶ条』の中で、目標の重要性を次のように言っています。
月に行こうという目標があったから、アポロは月に行けた。 飛行機を改良した結果、月に行けたわけではない。
三木谷浩史|成功の法則92ヶ条
まとめ
みなさんは、21世紀を生き抜く準備が出来ていますか?
私たちが思い描いている以上の変化がある時代が来ています。何も準備をしていないと、ある日突然今までの生活を送ることが出来なくなる人が多く出てくると思います。
そのためにも、非常に参考になる一冊です。
21世紀を明るく生き抜く力をつけたいという人は、 是非一度、20代、30代中心の学び場の東京アキバ読書会にお越しください。
東京アキバ読書会は、毎週東京の秋葉原で開催している、20代、30代中心の東京最大級の読書会です。
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現状に不満があったり、これからの未来に不安を感じたりしている方は、是非一度参加してみてください。
きっと、明日からの希望が感じられるはずです。