あなたは、『天才』とは何だと思いますか?
天才とは、生まれ持ったものなのでしょうか?それとも、天才とは、才能なのでしょうか?
「天才はもともと頭が良い人。秀才は努力して頭が良くなった人」。そんな風に考える人も多いと思います。
そんな天才について書かれた本をご紹介いたします。
ビートルズやビル・ゲイツ、スティーブ・ジョブズが、成功した本当の理由はなんでしょうか?
天才とは、先天的なものなのか、それとも後天的に誰もが得られるものなのかという、長年多くの人が考え続けた、謎が解き明かされた世界的ベストセラーの1冊です。
天才! 成功する人々の法則|マルコム・グラッドウェル
全世界でベストセラーを連発する人気アメリカのコラムニスト、マルコム・グラッドウェルが全く新しい教育論として書いた著書である『天才! 成功する人々の法則』です。
本書では、今までの「天才とは生まれ持った天性の才能であり、後天的に努力で獲得することはできない」という既成概念を、一気にぶち壊すような観点で書かれており、天才という言葉を再定義した内容になっております。このたった1冊の本から、新たなビジネス界の常識が数多く生まれた、伝説的なビジネス書です。
訳者は、マッキンゼーのコンサルタントとして大活躍し、ご自身もベストセラー作家である勝間和代さんです。
一流アスリートの共通点
カナダで花形スポーツといえば、アイスホッケーが挙げられます。そんなカナダの子どもたちの夢でもある、アイスホッケーのプロとして活躍する選手の特徴を研究・分析した結果が紹介されています。
カナダのアイスホッケーの強豪チームの選手年鑑を見ていた著者であるマルコム・グラッドウェルは、重大な共通点に気付いたといいます。
強豪チームの選手の誕生日が1月〜3月に集中しているということに気がついたのです。
なぜこんなことが起きるのでしょうか?
日本では、学年は4月~3月で区切られていますが、カナダでは1月〜12月で区切られています。
つまり、カナダでは同じ学年の中で、1月~3月頃に生まれた子どもたちは発育が早く、体も大きく身体能力が高くなるのが早いため、学年内での競争が非常に有利になります。
1月生まれの子どもと、12月生まれの子どもでは、ほぼ丸一年の差がついてしまいます。大人にとって、1歳の年の差で能力はさほど変わりませんが、子どもにとっての1年は、肉体的にかなり大きな成長をします。
学年の中で競争に勝って選抜された早く生まれた子どもたちは、強豪少年ホッケーチームに入ります。そこで、高度で長時間の練習に耐えることで、さらに強くなっていくのです。
一方、選抜されなかった遅く生まれた少年たちは、弱小チームに入り、しっかりとした練習の機会も少なく、強豪チームとはどんどん差が開いてしまうのです。
アイスホッケーは、リンクがないと練習できない上に、リンクの数やスペースは限られているので、優先的に強豪チームが使うようになるのは当たり前の結果でしょう。
これは、本人たちの「生まれながらの能力」の差でしょうか?
もちろん答えは『NO』です。
日本では、1月~3月くらいに生まれた子どもたちは、体育の授業やスポーツなどで苦労するということは、皆さんも聞いたことがあると思います。
ビル・ゲイツ、スティーブ・ジョブズ、エリック・シュミットの驚くべき共通点
(写真:Bloomua / Shutterstock
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皆さんもご存知のビル・ゲイツ、スティーブ・ジョブズ、エリック・シュミットに共通点があるのをご存知ですか?三人とも世界を代表するIT長者です。
- ビル・ゲイツ:マイクロソフト社の共同創業者・元会長・顧問
- スティーブ・ジョブズ:アップル社の共同設立者
- エリック・シュミット:Google 社の元CEO、現Google会長
さて、この三人の共通点はなんでしょうか?
答えは
- ビル・ゲイツ:1955年10月28日生まれ
- スティーブ・ジョブズ:1955年2月24日生まれ
- エリック・シュミット:1955年4月27日生まれ
この三人に共通しているのは1955年生まれということです。
この年に生まれた学生たちにとって重大な変化は、コンピュータが現在のPCに向かってダウンサイズされ始めた時期で、個人がコンピュータを使用できるようになり始めた時期であったということです。
上であげたホッケーの例は、生まれた月が重要でしたが、ホッケーの例と3人の共通点の本質は、ある分野において習熟するための圧倒的な時間を費やすことができる「環境」にいたかということです。
強豪なホッケーチームに入り長時間の練習をつむ環境、一日中プログラミングに没頭できる環境に身を置いていただかが、その後の人生や仕事、スポーツの結果に大きく関連していることがわかったのです。スティーブ・ジョブズの名言で次のものがあります。
Right time, right place
そのとき、その場所にいることが出来るかどうかがその後を大きく左右するのです。私たちも『正しいとき』に、『正しい場所』にいれば、大きな成果を出すことができるのです。これこそが、『天才』を生み出す、重要なものなのです。
特殊な能力や大きな結果を得るには、周りの環境が大きく影響を受けるんだと思う。そのとき、その場所(right time, right place)にいることが出来るかどうかがその後を大きく左右する。
マルコム・グラッドウェル|天才! 成功する人々の法則
天才にも下積みがあった?10,000時間の法則
環境が大事ということはわかりましたが、その環境にいるだけでは足りません。
ここでキーワードになるのが、『1万時間の法則』です。
1万時間といえば、だいたい10年間です(1日3時間として。4時間なら約7年間)。これは、成功のための一つの法則にすぎないのですが、ハードワークや経験が成功に結びつくことを示しています。
マルコム・グラッドウェル|天才! 成功する人々の法則
実は、ビル・ゲイツやビートルズも1万時間を突破することで、今の成果があったのです。ビル・ゲイツは努力なしに、Windowsを開発したわけでもなく、ビートルズもいきなり売れ始めたわけではないのです。
(写真:JStone / Shutterstock
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中学2年生の時に初めてコンピューターに触れて以来、大学を中退するまで日夜8時間以上プログラムの開発にのめり込んでいました。
ビル・ゲイツ
(写真:emka74 / Shutterstock
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ハンブルクでは、1日8時間もステージに立たなくちゃならなかったから、新しいやり方を見つける必要があった。
演奏もうまくなり、自信もついた。一晩中、演奏してたんだから、嫌でもそうなるだろう。
ジョン・レノン
1960年代、まだ売れる前のビートルズは、ストリップ劇場で週7日毎日8時間ステージに立っていたのです。ビル・ゲイツもビートルズも例外なく1万時間を突破したのです。
(画像: Mike Ehrmann via Getty Images)
努力せずに何かできるようになる人のことを天才というのなら、僕はそうじゃない。
努力した結果、何かができるようになる人のことを天才というのなら、僕はそうだと思う。
イチロー
(画像: Bloomberg via Getty Images)
絶対に言えること、僕より勉強しているヤツはいない。
孫 正義
イチロー選手は、小学三年生のときから、年間360日は野球の練習をし、7年間バッティングセンターに毎日通ったという話はとても有名です。イチロー選手は小学生のときから、父親と二人三脚でずっと練習をし、1万時間を突破する環境を手に入れたのです。
孫社長は、トイレの中でも道歩くときも教科書を読み、寝る時間以外は全部勉強に費やしたとのことです。孫社長も、16歳で渡米し、起きてる時間は全て学びの時間にしていたのです。
まとめ
今までの『天才』に関する考えを全て覆す本、とてもおすすめです。
そして、今は学生だろうと、社会人であろうと、この本のキーワードである『環境』を手に入れ『1万時間の法則』を突破することは可能だと思います。
その学びの環境として、東京アキバ読書会は、毎週東京の秋葉原駅・岩本町駅周辺のレンタルスペースで、東京最大級の20代、30代の若手社会人中心の読書会を開催しています。
1万時間を頑張ろうと思っても、何を1万時間頑張ればいいかわからないし、一人でやってたらすぐに諦めてしまうと思います。そこに同じ環境で、同じ1万時間を頑張る仲間がいたら、更に頑張れるのではないでしょうか?
もしあなたが何か悩みなどを持ち続けているのならば、答えはあなたの中には見つからないことに気が付いているはずです。それならば、環境を変え、あなたの外部に答えを見つけなければなりません。
「Right time, right place」、あなたは限られた人生の中で、この時間に、どの環境に身を置き、何をして過ごしますか?