誰もが、読書をした方がいいか、しなくてもいいかと聞かれたら、読書をした方が良いと答えるはずです。
しかし、実際に習慣的に読書をしているという方は、少なくなってきているようです。
今回は、何故読書をした方が良いのか、そして読書をすることで何が得られるのか、本を読むことの意味は何なのか、といった読書の本質について言及した1冊をご紹介いたします。
読書力|齋藤孝
今回紹介する本は、日本の教育学者、作家、明治大学文学部教授である齋藤孝さんの著書である『読書力』です。
齋藤孝さんは、本書の中で、なぜ読書をすべきかということに対し、次のように言います。
社会の存立基盤を考えると、読書を書くとした向上心や好奇心が実に重要なものだと思えてくるのである。
読書力がありさえすればなんとかなる。
齋藤孝|読書力
本書のテーマは、娯楽として小説などを読む事ではなく、読書を一つの能力と捉え、自分の力になるための読書について書かれています。
「単なる娯楽のための読書ではなく」、「多少なりとも精神の緊張を伴う読書」が、この本のテーマだ。ちょっときついけれども楽しい。この感覚を読書で子どもたちに、そして大人たちに味わってもらいたい。この感覚があれば、どの本を読むのかはやがて自分で決めていけるし、豊かな世界へ入っていける。
齋藤孝|読書力
読書力とは
本のタイトルにもなっている「読書力」ですが、齋藤孝さんは読書力の基準を自らの経験から、次のように考えています。
私が設定する「読書力がある」ラインとは、「文庫百冊・新書50冊を読んだ」というものだ。「力」を「経験」という観点から捉えた規準だ。
齋藤孝|読書力
もちろんここで言う文庫本というのは、推理小説のようなものや、娯楽のための本は除いて、100冊を読むことが目安になります。
本の投資はコストパフォーマンスが高い
本をあまり読まない人にとっては、1冊の文字だけが書かれた本に数百円~数千円というお金を払うことが、高いと感じる人もいるかもしれません。
しかし、齋藤孝さんは、本を読むという投資は、非常にコストパフォーマンスが高いと言います。
何故なら、著者が長年培った経験や知識が詰められている本は、「込められているエネルギー量と文化的価値の高さ」と比べれば、安価であると考えられるからです。
飲み会に行けば、数時間で数千円というお金がかかり、そこで学べることはたかが知れています。むしろ、仕事や上司、彼氏や彼女、夫や妻の愚痴や不満だけを話して、何も得ることがないという飲み会も多々あるはずです。それに比べれば、知識や考え方を体系的に学べて、それが仕事に活きた時に、評価や給料、仕事の内容までもが、自分の理想に近づく可能性があると考えると、読書ほどコストパフォーマンスが高いものはありません。
読書をしたら要約を話せるように
齋藤孝さんは、本を読んだ基準を、「要約が言える」こととしています。
本を読むからには、最初から最後の1字まで、一言一句漏らさずに読まなければいけないと考える人もいるかも知れませんが、それは大きな間違いです。例え、本の半分までしか読んでいなくても、内容を理解し、一つでも二つでも学びがあれば、読書をしたことになるはずです。
本を読むことが出来ないという方は、一言一句読む必要はないと、肩の力を抜いて、まずは読んでみることをオススメします。
逆に言えば、本を最初から最後まで読んだとしても、内容を覚えていなければ、読んだ意味がありません。
読んだことがある本の話題が出た時に、「面白かったけど、何が書いてあるか覚えてない」と感じたことがある人は多いと思います。
本を読む時から、要約するという前提のもと読書をすることで、内容をしっかり追っていくことができます。
読書会ブーム再発
読書会は、かつて日本の一つの文化であり、明治維新など歴史の転換点で、次の時代に活躍する人材は、読書会の参加者から生まれてきたと言われています。読書会は一旦その勢いが薄れたものの、ここ数年再度読書会ブームが訪れていると言います。
読書会は非常に盛り上がって楽しいものだ。
齋藤孝|読書力
また齋藤孝さんは、読書会のメリットの一つとして、次のことを上げています。
人の論を聞くだけでなく、いろいろな人が自分の面白いと感じたところを指摘していくことによって、全員の目が開かれてくる。
齋藤孝|読書力
つまり、読書会は、自分が発表することに学びがあり、他の人の話を聞くことにも学びがあり、参加者の人たちの中で巻き起こるダイアログに学びがあるという、一石二鳥にも三鳥にも四鳥にもなる最高の学びの場なのです。
また、読書会は要約力を高め、読書力を高めるためにも非常に適しています。読書会に参加することで、自分のオススメの本を紹介していくため、読んだ本を要約し、他の人に伝える練習になります。友達と本の話しをする習慣があるという人は少ないと思いますし、読書会であれば、他の人のアウトプットを見て学べるため、参加し続けることで自然と要約力が高まります。
まとめ
東京アキバ読書会は、本書の中でも参加すべきとオススメされている「読書会」を毎週東京の秋葉原で開催しています。
20代、30代の若手社会人中心の読書会のため、世代の近い人たちと本について語れる数少ない場です。
読書会では、あまり世代の離れている人たちと行うと、緊張して上手く発表出来なかったり、価値観が合わなかったりするという問題が発生するため、20代限定とし、安心して参加できる東京の読書会として評価されております。
読書会に参加したことがない方は、読書会に参加することはとても緊張すると思いますが、読書会に初めて参加するという方がほとんどです。
しかし、勇気を出して読書会に参加された方は、参加して本当に良かったという感想をお持ちになることがほとんどです。
東京のみならず、地方からもご参加いただく方がいらっしゃるため、満席になり次第、募集を締め切らせていただいております。読書会に、少しでも興味がおありの方は、お早めにお申込みいただくことを、オススメいたします。