これからの時代は、どんな人たちが活躍していくのでしょうか。
それがわかれば、自分が目指していくべき姿が、少しわかると思います。
グローバル化、テクノロジーの発展、アジアの台頭などから、今までの時代に活躍してきた人たちと、これからの時代に活躍する人は全く違ってくるでしょう。
理想のビジネスパーソンとはどんな人かを、世界最強の頭脳集団とも呼ばれる企業の採用基準をみて考えていきたいと思います。
マッキンゼーの採用マネジャーを12年務めた著者が初めて語る - 地頭より論理的思考力より大切なもの
というキャッチコピーで売り出された本をご紹介いたします。
採用基準|伊賀泰代
今回のおすすめの本は、伊賀泰代さんの著書の『採用基準―地頭より論理的思考力より大切なもの』です。
本書は、次のような方にオススメです。
リーダーシップを学びたい方
ちきりんさんファンの方
マッキンゼー出身の方の本が好きな方
本を読んで活躍したい女性の方
世界を代表するコンサルティング会社のマッキンゼー・アンド・カンパニーの日本支社で採用マネージャーを勤められた伊賀泰代さんが、マッキンゼーではどのような基準で採用をしているかということが書いてあります。
マッキンゼーと言えば、日本にコンサルタントという言葉を広めた人物である世界を代表する経営コンサルタントの大前研一さん、女性経済評論家でありベストセラー作家の勝間和代さん、モバゲーで有名なDeNAの取締役の南場智子さん、月間220万PV以上あるビジネスシーンに物凄い影響力のあるブログ『Chikirinの日記』を運営するちきりんさんなどなど名だたるメンバーを排出している世界を代表する企業です。
伊賀泰代さんは、勝間和代を採用した張本人でもあります。多くのビジネスパーソンの憧れであるマッキンゼー。
そこで活躍する人は、当時全員伊賀泰代さんの面接を受けて入社しています。
また、公表はされていませんが、伊賀泰代さんがちきりんではないかというのが、有力な説です。
地頭が良いだけではこれからの時代は勝ち抜けないマッキンゼーと聞くと、「優等生」「地頭が良い人」「論理的思考力がある人』ばかりを採用しているのではないかと考える人も多いと思います。
しかし、本書の中でそれは誤解だといっています。
マッキンゼーが求める能力は、
将来、グローバルリーダーとして活躍できるポテンシャルである
と言っています。
マッキンゼーに採用されるために必要な3つの基準
マッキンゼーの採用現場では、具体的に次の3つの力を基準に見ているとのことです。
- リーダーシップがあること
- 地頭がいいこと
- 英語ができること
中でも『リーダーシップ』がマッキンゼーで特に求められる能力だとのことです。本書も全体の中で多くのページがこのリーダーシップについて書かれています。
そして、この『リーダーシップ』こそが日本人に圧倒的に欠けている能力であり、これからの時代に求められる能力でしょう。
リーダーシップは、全員が持つべき
では、リーダーシップとはなんでしょうか。本書の中では、このリーダーシップについて例があげられています。
もし、電車が事故で止まった時に、多くの人がタクシー乗り場に長蛇の列を作ります。
海外ではこういう場合、必ず誰かが相乗りを誘い始めます。
これがリーダーシップだといいます。
しかし、日本では相乗りを呼びかける人は滅多にいません。もし相乗りを呼びかける人がいても、周りは冷ややかな視線で見ることでしょう。自分で、そういった役割をやろうという気持ちが、日本人には圧倒的に欠如していると言います。
マッキンゼーでは、全員がリーダーシップを発揮しながら仕事を進めます。全員がリーダーなのです。
全員がリーダーシップをもっているチームでは、議論の段階では全メンバーが『自分がリーダーの立場であったら』という前提で、『私ならばこういう決断をする』というスタンスで意見を述べます。
全員がリーダーの意識を持つからこそ、強い組織、パフォーマンスの高い組織になるとのことです。
日本企業では、名ばかりのリーダーがいるだけで、何も決定しようとはしません。何かあった時に責任を取る人がリーダーだと日本では解釈されています。
また、日本人のリーダーは、会議の出欠を確認したり、上席の方のスケジュールを押さえたりするだけの雑用係、世話係になってしまっているのではないかと言われています。
たまたま年齢があがったから、リーダーのポストが空いたから、少し業績が良かったからという理由で、リーダーのポストにつきますが、リーダーの役割を果たしていません。日本人は、リーダーになってから、リーダーシップについて考えます。しかし、マッキンゼーを始めとする外資系の企業では、チームの中でリーダーシップを発揮した人が出世し、リーダーのポストにつくのです。
全員がリーダーの意識を持つと、必然的に指示待ちの人間はいなくなり、誰かがやってくれるだろう、自分には関係がないといった意識もなくなります。常に、全員が自分が何とかしなければいけない。自分が出来ないのならば誰が行うのが最適かということを考えています。
こうした意識が日本人には欠けてしまっているとのことです。
リーダーシップは、誰もが身に付けられる
国だったり、大企業を動かすほどの改革を起こすのは、一人の偉大なリーダーではなく、リーダーシップを持つ人の総量が一定数を超えることだと、伊賀泰代さんは強調しています。
今の日本には、このリーダーシップを持つ人が圧倒的に少ないから、日本の現状がどんどん悪くなっていっていると言います。
日本人は、次の内閣総理大臣なら何か変わると常に思って、常に次の総理大臣が卓越した能力を持っていることを期待しています。
1人の凄い人物さえいれば、日本は復活すると勘違いしているのです。多くの人がリーダーシップを発揮しなければいけないことに気が付いていないのです。
そもそも総理大臣がどうにかしてくれると考えている時点で、その人にはリーダーシップがないことの表れでしょう。
しかし、伊賀泰代さんは、
①すべての人が日常的に使えるスキルであること
②訓練を積めば、誰でも学べるスキルであること
と言っています。
日本人のすべての人がこれを理解し、リーダーシップを身に付けていくことがこれからの時代には求められています。
まとめ
伊賀泰代さんは、リーダーシップを身につけると、人生をコントロールすることができるようになるといっています。
あらゆる問題が解決することができるようになったり、自分の成長が実感できるようになったり、世界が広がったり、様々なメリットを享受することができます。
一人ひとりの人が小さな問題に対して他人任せにせず、自分ならどのように解決するだろうかということを常に考えていけば、自分の周りが少しずつ豊かになっていくように感じます。
本の名前こそ『採用基準―地頭より論理的思考力より大切なもの』ではありますが、本の内容の多くの部分は一人の人間として自立するリーダーシップについて書かれています。
外資系の企業で活躍する人はみんな自立していて、リーダーシップを常に発揮しているということであり、社会で生きていくためには誰もが同じような能力を持っている必要があると感じます。全ての日本のビジネスパーソンが、絶対に読むべき一冊だと感じます。
また、著書の中で、環境の重要性についても書かれていました。このブログでもたくさん紹介しているように、自分が学べる環境に身を置き、自分を自動的に成長させることが重要です。
どこで働く人も、自分の成長スピードが鈍ってきたと感じたら、できるだけ早く働く環境を変えることです。
やはり、会社だけの環境に身を置くのではなく、社外の交流を持ち続け、会社以外の情報源を常に持ち続けるべきだと思いますし、読書会や朝活に参加するということは、最高の手段であることがわかります。
本書のリーダーシップを学んでいくと、これからの先の見えない時代もきっと生き抜いていけると感じます。
東京アキバ読書会では、20代、30代の若手社会人が集まり意見交換や、情報交換、本の紹介などを通じて、自分なりの意見を周りに発信し、リーダーシップや自主性を見つける第一歩になるような読書会を毎週開催していますので、ご興味がおありの方は、下記よりご確認ください。