【書評】『新・魔法のコンパス』|西野亮廣

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時代が急激に変化していることを目にすることが増えていると思います。

「メルカリネイティブ世代」という『メルカリ』があることが当たり前の時代を生きる若者は、「メルカリで売れるかどうか?」という判断基準で、物を購買すると言います。

買う前から、使った後は『メルカリ』で売るという前提があるのです。裏を返せば、企業は売れ残りは、安くしたら売れるという常識が通用しなくなっています。

 

激変時代に、物凄い勢いで変わりゆくものと、いつの時代も変わらないものが共存していく中、キングコングの西野亮廣さんの『新・魔法のコンパス』では、その両方を教えてくれ、私たちにこれからの時代の道標となるコンパスを教えてくれます。

お届けする内容は、「新しいルール」と「普遍的なルール」について。つまり、「時代の歩き方」について。

西野亮廣|新・魔法のコンパス

新・魔法のコンパス|西野亮廣

キングコング、時代の革命家、絵本作家など、様々な肩書を持つ西野亮廣さんの『新・魔法のコンパス』は、2016年8月12日に発売され10万部以上の大ヒットとなった『魔法のコンパス 道なき道の歩き方』を全編完全改訂・書下ろしした作品になります。

たった3年という月日は、世の中に大きな変化をもたらし、前作ですら時代遅れになってしまうほどの大変化が巻き起こっています。

全編完全改訂の完全書き下ろしとなっているため、前作を読まれた方も全く別の本として読んでいくことが出来ますし、これから両方を読まれても時代の変化を感じる事が出来ると思います。

 

本書は、次のような方にオススメです。

icon-check-square-o 西野亮廣さんのファンの方
icon-check-square-o 西野亮廣さんの本を初めて読む方
icon-check-square-o これからの時代を生き抜くヒントが欲しい方
icon-check-square-o 時代のトレンドを掴みたい方
icon-check-square-o ビジネス書を普段あまり読まない方、読んだことがない方

 

本書では、大きく分けて、『お金』『広告』『ファン』の3つについてこれからの時代を生き抜くためのルールを、わかりやすく教えてくれます。

 

西野亮廣さんは、本書のはじめにの中で、次のように述べています。

いいかい?

ボクたち人間は〝知らないものを嫌う性質〟を持っている。

キミが未来を知ろうとしない限り、キミは未来を嫌い続け、キミは未来を迎えることができない。

これが普遍的なルールの一つだ。

「なんか、よく分からないけど、怪しい」と蓋をしてしまったモノの中に、キミの未来が眠っている。

そこにキミの人生を豊かにする選択肢が眠っている。

「知ること」から逃げちゃダメだ。

キミが持たなきゃいけないのは学校で貰ったコンパスじゃない。

どれだけ地図が描き変えられようとも、キミの行き先を指してくれる『魔法のコンパス』だ。

今からプレゼントするよ。

西野亮廣|新・魔法のコンパス

中には、西野亮廣さんのビジネス書をあまり好きではないという方もいるかも知れません。

西野亮廣さんの本を読んだ上での判断であれば良いと思いますが、お笑い芸人の西野亮廣さんだけしか知らず、本を読んだことがないのならば、まずは知ることから始めてみてはいかがでしょうか。

よく知らないからと嫌っているものの中に、人生を大きく動かすヒントが眠っているかも知れません。

 

お金

私たちが何かに挑戦しようと思った時に、最初に頭に浮かぶ問題が『お金』であると思います。

この「挑戦を阻む問題」である、『お金』の問題を解き続け、解決していかなければなりません。

学校で『お金』については教えてもらえないどころが、お金について話すことが悪いことのように語られることすらあります。この『お金』の問題から決して逃げてはいけないと西野亮廣さんは言います。

 

お金は「他者に提供した労働の対価」ではなく、「他者に提供した価値の対価」だ。

多くの日本人が、お金の教育を受けずに育ち、お金に対して間違った洗脳をされ、「お金=我慢の対価」と誤認識しています。

山の頂上付近にある自動販売機の飲み物は、同じ飲み物でも山の麓で飲む時よりだいぶ高い値段で売られています。それは、大変な思いをして、山の上まで危険を冒して飲み物を補充している人の人件費と思っている人が多いと思いますが、仮にドローンで手軽に運べるようになっても、その値段は安くならないといいます。

山の上のジュースは、高くても買う人がいるから高いのです。山の上で手軽に飲み物を手に入れられると言う価値を提供しているのです。

お金に対して、間違った認識を持っていると、テクノロジーが発展すれば山の上の缶ジュースも安くなるはずという間違った発想になってしまうのです。

キミのもとに入ってくるお金というのは、「提供した労働」ではなく、「提供した価値」によって、増えたり減ったりする。

もし、キミがキミの給料に不満を覚えた時は、職場環境を疑うと同時に、他者に対して「価値」を提供できているかどうかも一緒に疑ったほうがいいよ。

西野亮廣|新・魔法のコンパス

つまり、働く時間を増やして辛い思いをしたからと言って、高い給料がもらえるかと言うと、そうではないということ。

「労働量」=「収入」という概念を打ち消していかなければ、なかなか理想の働き方や人生を手に入れるのは難しくなるでしょう。

落合陽一さんが、WEEKLY OCHIAI『日本財政をアップデートせよ』の中で、

日本人は4倍働いて、16倍成果を出して、2倍稼ぐ人が好き

と言っていましたが、日本人がいかに労働と収入に対して偏った見方をしているかがわかります。


(画像: NewsPicks WEEKLY OCHIAI『日本財政をアップデートせよ』)

キミがお金を稼ぐと、みんなの富が増える

日本人の多くが、お金を稼ぐことを汚いものだと思っていますが、その発想を根本から変えていく必要があります。

お金を稼ぐ事が美徳であり、世の中のためになるという発想がなければ、このままどんどん日本という国は貧しい国になっていってしまいます。

もし、稼ぐことを汚いものと思っている人がいれば、次の引用を読んで欲しいと思います。

たとえば、この星にボクとキミしかいないとする。

ボクは「1万円」を持っていて、キミは1円も持っていない。

この段階では、この星の富は「1万円」だ。

そして、ある日。

「1万円」が欲しくなったキミは「1万円分の価値がある洋服」を作る。

ボクが、その洋服を「1万円」で買う。

すると、キミの手元には「1万円」があって、ボクの手元には「1万円分の価値がある洋服」がある。

こうして、キミが「1万円」を稼いでくれたおかげで、この星の富は「2万円」に増え、この星は豊かになった。

ちょっと見えてきたかな?

「お金を稼ぐ」という行為は、このように「誰かから富を奪う」ということじゃなくて、「みんなの富を増やす」ということなんだ。

西野亮廣|新・魔法のコンパス

つまり、稼いでいかなければ、世の中の富は増えず、みんながどんどん貧しくなっていってしまうのです。

世の中、稼ぐという行為をゼロサムゲームのように、誰かが得をすれば、誰かが損をすると間違った感覚を持っている人がいますが、今すぐその発想を変えていかなければいけません。

 

キミの過ちは「努力不足」ではなく、「システムエラー」だ。

国が副業解禁ということを謳い始めてから、副業を始めたという人も多いと思いますし、ほとんどの方が副業をした方が良いと感じていると思います。

しかし、副業解禁の裏には、もう国も企業もあなたのことを守れませんというメッセージが込められており、日本という国に待ち構えている未来はあまり明るいものではないように思えます。

 

 

働き方には、『専業』『兼業』『複業』の3つがあります。

一つに絞る「専業家」、メインとサブを持つ「兼業家」、複数の職業を持つ「複業家」になるのかは、もちろん個人で決めるべきですが、西野亮廣さんは次のようにアドバイスを送っています。

もしアドバイスを求められたら、今の時代なら、ボクは『複業』をオススメするかな。

それはボク自身が、これまで複業の恩恵をたくさん受けてきたからだと思う。

西野亮廣|新・魔法のコンパス

プロ、専業として何かの仕事に専念するのが悪いことではないですが、本業で仕事を行えば、当然締切があり、生きていくための収入を得るために仕事をしていかなければなりません。

しかし、複業であれば、たくさんの収入源があるため、1つの仕事に対して余裕を持って取り組む事ができますし、何より専業ではないため、収入を気にせず、自分のペースで仕事ができると言います。

実際に、西野亮廣さんは大ヒットの絵本『えんとつ町のプペル』を作るのに4年半ほどかかったようですが、これは絵本作家を専業でやっていては4年半も収入が0になることを意味するため到底不可能な絵本の作り方です。

お金と真摯に向き合い、

お金の常識を疑い、

キミの目的に対して正しいアプローチをするんだ。

 

時にそれは「非常識」だと揶揄されてしまうかもしれないけど、キミの人生はキミのものだ。

キミの姿形や、キミが背負い込んでいるものは、他の誰とも違っていて、そもそも世間のルールとピッタリ合うわけがないんだよ。

常識なんて明日には変わるんだから、非常識で結構。

キミのルールで動くんだ。

そのルールに悪意がなければ、少し時間はかかるかもしれないけど、世間は必ずキミを理解してくれるよ。

大丈夫。

西野亮廣|新・魔法のコンパス

 

広告

キミの挑戦を阻む問題は大きく二つ。

一つ目が第1章でもお話しした『お金』。

そして二つ目は『広告』だ。

西野亮廣|新・魔法のコンパス

小学生からSNSを当たり前のように使う時代になり、『広告』というものの概念が根底から覆されてしまったようです。旧来の広告システムは、電通のたった一社によって業界を牛耳られていたと言っても過言ではないでしょう。

 

 

しかし、SNSでインフルエンサーといった人達が写真に載せた商品がバカ売れするということは、もはや日常となりました。

電通が作り上げた「マスコミ」の威力はだんだんと衰えを見せ始め、「口コミ」という本来の情報の伝わり方の質の高さに、多くの人が気が付き始めました。

ごくごく普通の大学生が、数千、数万フォロワーを抱えていることも珍しくなく、彼らの投稿が一企業以上の影響力を持つこともあります。

そんな時代の中では、「ニュースになること」とが大事だと言います。

広告の場合だと、「ニュースを出すこと」じゃなくて、「ニュースになること」が大切だね。

西野亮廣|新・魔法のコンパス

 

セカンドクリエイターを押さえろ。

SNSというプラットフォームは、誰もが情報を発信することが出来、情報発信をいつもしているわけじゃないが、たまに発信するような人達が、かなりの人数生まれてきたのです。

ゆうこすさんのような情報発信を本業としている、いわゆるインフルエンサーのような人達もたくさん生まれてきましたが、インフルエンサーの多くの人が元から本業のインフルエンサーだったわけではありません。

 

 

西野亮廣さんは、ときどき「クリエイター」を味方につけていくべきだと言います。

これまで、世界には「クリエイター(発信者)」と「オーディエンス(受信者)」の二種類の人間しかいなかった。

ステージ上と客席がパッカリ二つに分かれていたわけだ。

 

ところがSNSが、このルールを大きく破壊した。

「クリエイター」に軸足は置かないまでも、ときどき「クリエイター」として発信する「オーディエンス」が誕生したんだ。

西野亮廣|新・魔法のコンパス

現代の広告は、人数の一番多いのがたまにSNSで情報発信するような一般人です。このときどき「クリエイター」として情報発信する「セカンドクリエイター」をいかに巻き込んでいくかで勝敗が分かれるといっても過言ではないようです。

 

ファン

これからの時代に重要になる要素の一つにファンの存在があります。

小説家は数年活動を休止するとなかなか復帰するのが難しいと言われますが、ミュージシャンなどは10年以上ブランクが空いて復活しても物凄い人気があったりします。その違いが、ファンクラブの有無とも言われるほど、ファンと呼ばれる人たちの存在は絶大なものになっています。

ファンと聞くと有名人、アーティストやアイドルを好きな人と思われるかもしれませんが、今の時代は個人にファンがつく時代であり、あなた自身にファンがいなければ生き残るのが厳しい時代になります。

理由の一つに、物を買うときの判断基準が「誰から買うか」ということにシフトしてきていることがあげられます。

「機能検索」の時代が終わり、「人検索」の時代が始まった。

「どれを買うか?」ではなく、「誰から買うか?」という競争の幕開けだね。

西野亮廣|新・魔法のコンパス

ファンというのは、企業やブランドなどが大切にしている『理念』にまで共感してくれ、支持してくれている人のことを指します。

あなた自身の『理念』に共感してくれる人がきっといるはずで、その人たちがファンになり応援団となってくれます。

SNSはそうしたあなたの『理念』を発信することができる場であり、他のときどき『クリエイター』たちが、見てくれている場所なのです。

 

まとめ

激変の時代の中で、『お金』と『広告』の常識は大きく変わりつつあり、この変化については誰もが認識すべきだと感じます。

SNSを少し注意して見れば、無名な人に数万人のフォロワーがいることはよくあることですが、その人たちの影響力は想像を絶する大きさです。

今までは大企業に個人が打ち勝つことはなかなか難しかったですが、今の時代、個人の力は大企業に勝ることも多々あります。

本書は、現代の常識をアップデートしてくれ、あなたに次の一歩を踏み出す勇気を与えてくれる1冊で、是非お手に取っていただきたいと思います。

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