仕事の締切が近かったり、宿題の提出期限が近いのにグズグズして、ついつい先延ばししてしまうという経験を誰もがしたことがあると思います。後でやると事態は悪化したり、間に合わなくなるような状況でも、「ちょっとテレビを見てから」、「少し休憩をしてから」なんてことを、あなたもしたことがあるはずです。
これは、『PCN症候群』と呼ばれます。
PCN症候群(先延ばし)は、うつ病やADHD(注意欠陥多動性障害)のような精神疾患や発達障害の症状や原因の一つになることも、研究により明らかになっており、知らないうちに私たちの心を蝕むきっかけになっていると言われています。
このような最悪の状況を招いてしまう可能性もあるPCN症候群の解決法を、世界的権威あるビジネス雑誌のウォール・ストリート・ジャーナル誌が紹介しています。
今すぐ治したい先延ばし症候群(PCN症候群)
このPCN症候群の典型的な行動の1つに、やらなければいけないことを大変さを考えると、不安や辛さを感じて、昼寝をしたり、パソコンやスマホをいじったりして、気分転換をしようとして、結局後回しにしてしまうことがあげられます。カールトン大学心理学部のTimothy Pychyl准教授は、後回しにしたとしても、最終的に期限を守れなかったり、最後の最後の締切の直前まで作業を行うことになったりして、結局最悪な気分や後悔を味わうことになると言っています。
あなたもそのことには、気が付いているはずです。先延ばしにして、良い方向に進んだという経験はほとんどないのではないでしょうか。
①明日やろうは、馬鹿野郎
Pychyl氏が、誰もがやりがちなこの先延ばし症候群を、解決する方法を紹介しています。その方法とは
やりたくないがために、モヤモヤしている気分は、今やらないと後でもっと最悪ものになる
と考えて、感情をコントロールするというもの。
人は、やりたくないという気持ちや、めんどくさい、なんとかなるという気持ちがあるから、先延ばしをしてしまうのです。先延ばしにした先にある、もっと最悪な状態や後悔するということを考えないために、先延ばしにしてしまうと言われています。
先延ばしにすると今より状況は悪くなるということを思い浮かべることで、先延ばしを防ぐことが出来ます。
②タイムトラベルテクニック
タイムトラベルテクニックとは、
タスクをやり遂げた後の、最高の気分を考えてみることでやる気を促す
という方法です。この方法は、先延ばしにしなくなるというメリットのほかに、作業スピードを上げるメリットもあります
やりたくないことは、どうせ後でやらなければ、いけないことです。やりたくないことを、さっさと片付けるためにも、やり遂げた後をイメージして作業スピードを上げていくことも重要です。
③出来ない自分を許す
こうした先延ばし癖がある人は「どうして自分は、やるべきことが出来ないんだ?」、「責任感を、もっと持って行動しないといけない」など、自分自身を否定するような感情を持つ傾向があるといわれています。こうした人が陥る消極的な考え方は、
自分自身に対する不安などを反映しており、これを回避するために、できない自分を許すという方法がある
とのことです。
出来ない自分を肯定しつつ、行動を起こしていくことが必要なのです。出来ないことばかりを責めるのではなく、「ゆっくりやっていけばいい」、「終わったら、お菓子を食べよう」、「一時間やったら10分休憩すればいい」など、自分を許す行動を織り交ぜていくと、自然と先延ばしをしにくくなっていくことでしょう。
嫌なことはわかりますが、とりあえず始めてみること。ただし、やる気を出すために、タスクの目標を低く設定することが大事です。
と、PCN症候群で悩んでいる人にアドバイスしています。Pychyl氏によると、一度やり始めると、やる気がどんどん出てくるので、まずは少しだけはじめてみましょうと言っています。
先延ばしをしても良い事がないことは、あなたも気が付いているはずです。今日から、先延ばしをすること辞めていきましょう。