普段、自分の人生をより良くするために何かに向かって努力をしているでしょうか?
- 資格を取る勉強をしている
- 毎日本を読んでいる
- 副業や資産運用など将来のための備えをしている
- 勉強会やセミナー、読書会に参加をしている
- 独立の準備をしている
- 日々、会社の仕事を一生懸命頑張っている
など、何かしらの努力をしているという人は多いと思います。
中には特に何もしていないという方もいるかもしれません。
とある調査によれば、人生の中で人が何かに向かって挑戦する回数は、1回未満と言われており、いろいろな努力をしたとしても、人生を一変させるほどの大きな変化を起こせている人はほとんどいないのが現状のようです。
楽天を創業し、2015年9月時点で、会員数は1億327万人、時価総額は2兆2,000億円を超える世界を代表する超巨大企業を牽引する三木谷浩史社長は、毎日大きな努力をすることではなく、日々ほんの少しの努力や改善をし続けていくことが重要だと語っています。
0.1%の改善の積み重ねが、成功を生む。
そして、大きなチャンスを的確に掴みとれる。
そういう人を運がいい人と言う。
三木谷浩史 (楽天株式会社 代表取締役会長兼社長)|成功の法則92ヶ条
しかし、たった0.1%の改善がそんなに大きな差になるのかと疑問に思う人も多いかも知れません。毎日、前日より0.1%改善を1年間続けることは、つまり1.001の365乗です。これを計算してみると、たった0.1%の改善がとんでもない破壊力を持つことがわかります。
1年間毎日0.1%の改善を続けるだけで、1年後には今の約144%も成長していることになります。
もしこれが、毎日1%の改善だったらどうでしょうか。
1年後には、今の約37.8倍も成長していることになります。
これがあなたの給料に反映されたらどうなるでしょうか。
仮に年収が400万円の人が37.8倍の成果を出し、37.8倍の評価を正当にしてくれる会社ならば、1年後あなたの年収は37.8倍の1億5,120万円になっていることになります。
そんなこと不可能だ、と思う人も多いと思いますが、テクノロジーが進化した今の時代、不可能とは言い切れないのです。
↑一個人が億万長者になる方法は、至る所に溢れている。全ては自分次第の時代。
クリントン元アメリカ大統領やエリック・シュミットGoogle会長が大絶賛し、今やフォーチュン400に選ばれる世界のトップ企業の経営者は誰もが読んでいると言われている、ピーター・H・ディアマンディスとスティーヴン・コトラーの著書『Bold: How to Go Big, Create Wealth and Impact the World(日本語版:ボールド 突き抜ける力)』が非常に参考になります。
本書は、世界を変えられると信じている人に向けた洞察力のある道標であり、そうした人々を手助けするパートナーや技術を手に入れるための貴重なアドバイスを提供してくれる
ビル・クリントン(元アメリカ合衆国大統領)
前著『Abundance: The Future Is Better Than You Think(日本語版:楽観主義者の未来予測)』では、20年後、世界がどこまで進歩する可能性があるかが示された。本書は、起業家たちがそこへたどり着くのを助けるロードマップである
エリック・シュミット(グーグル会長)
↑世界を代表する企業の経営者は皆読んでいる『Bold: How to Go Big, Create Wealth and Impact the World』原著
この『ボールド 突き抜ける力』の中に、上の計算を象徴する非常に良い例として、イーストマン・コダック社について書かれています。
イーストマン・コダック社は、1880年にジョージ・イーストマンにより創業され、世界で初めてロールフィルムおよびカラーフィルムを発売したメーカーであり、世界最大の写真フィルムメーカーとして、世界の名だたる大企業の一つとして長年君臨していました。
しかし、皆さんもご存知のように、デジタルカメラの普及による熾烈な競争を戦い抜くことが出来ず、2012年1月19日、連邦倒産法第11章の適用をニューヨークの裁判所に申請し、経営破たんしました。
デジタルカメラへのテクノロジーについていけなかったイーストマン・コダックですが、皮肉なことにデジタルカメラを世界で初めて開発したのは、何を隠そうイーストマン・コダック社自身だったことを皆さんはご存知でしょうか。
↑巨大企業を経営破たんに追い込んでしまったのは、紛れもなくコダック自身が開発した技術
スティーブン・サッソンは、コダックに入社し、1975年にCCDを使った世界初のデジタル・スチル・カメラとデジタル記憶装置を開発しました。
その世界初のデジタルカメラは、重さは3.85キログラム、解像度はたった0.01メガピクセル、最大30枚の白黒写真を保存することができました。
この当時コダックが販売していたフィルムは、24枚と36枚用がありちょうどその中間でした。たった0.01メガピクセルが撮影できる大きな機械でしたが、世界初のデジタルカメラを発明したという世紀の瞬間であり、ファストカンパニー誌は、この開発を、「驚くべき偉業であり、素晴らしい学びの多い経験だった。」と讃えました。
しかし、発明の翌年1976年にスティーブンは、コダックの社内会議で発表するものの、世紀の発明は全く認められず、「このシステムがプライムタイムのテレビ番組で使えるようになるのはいつか、実用されるのはいつか、写真を電子スクリーン上で見たいと思うような人間がいるのか」など、デジタルカメラが普及するわけがないという考えの人ばかりで、技術について認める人は誰もいなかったと言います。
↑コダック社員は、皆フィルムカメラの成功に驕り高ぶり、デジタルカメラの技術には見向きもしなかった。
この20年後、1996年、コダックの従業員は14万人、時価総額は280億ドルになり、実質的に市場を独占。アメリカのフィルム市場の90%、カメラ市場の85%を支配していました。
しかし、コダックは、デジタルカメラは既存の業界に悪影響を与え、自ら敵を作り出すようなものだと判断し、デジタルカメラの技術をボツにしました。
経営陣は、0.01メガピクセルのカメラが指数関数的な成長曲線を描き、いずれ高解像度の画像を撮影できるようになることを理解していなかったのです。
結果、市場を制圧できる技術を開発したにも関わらず、市場に制圧されてしまったのです。
(出典:Is Photography Dead?)
コダックが読み間違えたのはこのエクスポネンシャル(指数関数的)の威力を読み間違えたことなのです。
では、私たちが日々行っている努力は、エクスポネンシャルな成果を出すための努力になっているでしょうか。
線形関数的(リニア)な成長をしているとしたら、1→2、2→3、3→4というように「プラス1」ずつ、足し算のように増えていくだけの成長です。
これに対し、もしエクスポネンシャルな成長をしていれば、1→2、2→4、4→8と倍々で増えていくのです。本書であげられている例として、1歩あたり1mとしてリニアに30秒進むと、30m先にたどり着くだけです。
しかし、同じ場所からエクスポネンシャルに30回歩を進めると、なんと10億mも先に到達するのです、これは、地球を26周もしてしまう計算になります。
↑エクスポネンシャル曲線は、最初は小さいが、ある一点を越えた瞬間にとんでもない威力を発揮する
0.01メガピクセルから始まったデジタルカメラは、翌年は0.01→0.02メガピクセルで、コダックの社員の誰もが認めなかったように、実用化されるまで何百年もかかるような気がします。
しかし、エクスポネンシャルはある一点を超えると物凄い威力を発揮します。
1年後 0.01→0.02
2年後 0.02→0.04
5年後 0.16→0.32
8年後 1.28→2.56
10年後 5.12→10.24
15年後 163.84→327.68
18年後 1310.72→2621.44
19年後 2621.44→5242.88
20年後 5242.88→10485.76
整数に行くまでは時間がかかっていますが、一旦整数を突破してからは、どんどんエクスポネンシャルに加速がかかり、20回で100万倍、30回で10億万倍になるのです。
私たちがエクスポネンシャルの波に乗るには、
『エクスポネンシャルなプラットフォーム』を活用する方法、あるいは同じようなプラットフォームを自分で作る方法しかありません。
後者には圧倒的な能力、情熱、ビジョン、才能、運など様々なものが要求されますが、前者は非力な一般市民が巨額の富を掴み取るチャンスになり得ます。
Airbnb(エアービアンドビー)は、ホスティング・プラットフォームですが、発足からわずか6年後の2014年半ばには、世界の192ヶ国3万4000都市にある60万以上の物件を記載するまでになり、延べ1100万人がこうした物件に宿泊しました。
直近の同社の時価総額は100億ドルと、ハイアット・ホテルズ・コーポレーションの84億ドルを超えました。それも、一つの建物も作らずにです。
↑たった4年で世界のハイアットを超えたエクスポネンシャル企業の代表例
Uber(ウーバー)も、Airbnb同様ホスティング・プラットフォームですが、敵はタクシーやハイヤー業界です。
Uberは大量の車を所有しているわけでもなく、たくさんのドライバーを管理しているわけでもなく、単に車に乗りたい人と高級車のオーナーを結びつけているのです。
Uberも、モバイルサービスを提供し始めて4年後には35の都市でサービスを展開し、時価総額は180億ドルを突破しました。
↑Airbnb同様数年で私たちの生活を一変させたUber
一昔前は、企業の規模を拡大するには巨額の投資と多くの時間が必要でした。人員を増やし、建物を建てて、全く新しい製品群を開発するというやり方には時間がかかるのが普通でした。
しかし、エクスポネンシャル企業は、わずか数年、いや数ヶ月、数週間というスピードで、今まであった巨大企業のライバルとなり、世界を支配することが往々にしてあり得るのです。
2020年には、S&
P500企業の4分の3以上をまだわれわれが聞いたことのない企 業が占めるようになるだろう。
私たちが働く会社はエクスポネンシャル企業でしょうか、それともエクスポネンシャル企業に飲み込まれるリニア企業でしょうか。幸いなことに多くのエクスポネンシャル企業は、誰もがエクスポネンシャルの成長の波に乗れるプラットフォームを、提供してくれています。エクスポネンシャル企業で働いていなければ、エクスポネンシャルなプラットフォームを活用するしかありません。
マッキンゼー・アンド・カンパニーで活躍し、アジアには大前研一がいるから大丈夫と言われるほどの世界的に影響力のある世界No.1コンサルタントの大前研一さんもどのプラットホームを選択するかが非常に大事だと述べています。
私はこれからの時代、特に情報通信革命の時代には、ビジネスの鍵を握っているのはプラットフォームだと考えている。
著者のピーター・H・ディアマンディスとスティーブン・コトラーは、
無限のコンピューティング力、センサー、ネットワーク、3Dプリンター、人工知能、ロボティクス、合成生物学などが、エクスポネンシャル・テクノロジーであり、時代の変化を促す技術やツールであるといいます。
さて、皆さんは、エクスポネンシャルの波に乗り、超ド級の成長と富を手に入れるための努力をスタートしているでしょうか。
ようこそ、エクスポネンシャルな時代へ。
ピーター・H・ディアマンディス, スティーブン・コトラー