周りの5人の平均があなたであり、人生を変えたいなら「つるみ」を変えろ!

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サービス開始からたった8年で、全世界で5億人ものユーザーを手にしたDropboxの共同設立者兼CEOであるドリュー・ヒューストン氏が、2013年にマサチューセッツ工科大学の卒業式で、「自分が卒業式に聞いておきたかった」というテーマについてスピーチをしましたが、その中で次のように言っています。

「あなたは、あなたの周りにいる最も近しい人(サークル)5人の平均だ」とよく言われます。ちょっと考えてみてください、皆さんの最も身近にいる5人は誰ですか?

ドリュー・ヒューストン|MIT Commencement 2013 – Speeches

自分がよく一緒にいる『5人』が大事であると最初に言ったのが、誰であるかは定かではありませんが、ビジネス書や自己啓発書の中で、よく言われることの一つに、コカ・コーラやIBMなどアメリ力の一流企業のコンサルタントを務め、実業家、自己啓発作家として、世界的に著名なジム・ローン氏が言った「あなたはもっとも多くの時間をともに過ごしている5人の平均である。」という言葉があります。

しかし、本当に自分がよくいる周りの『5人』の平均が自分を作っていくのでしょうか。もし、そうであれば、今日から普段付き合う人を意識して変えていくことが、あなたの人生を好転させる第一歩のように感じます。

↑あなたが共に過ごす時間が長い5人は、あなたの理想の収入、働き方、ライフスタイルを手に入れていますか?

 

デロイト・コンサルティングの調査によれば、世の中の約80%の人は好きでもない仕事をしているそうですが、企業家のスコット・ディンズモア氏はTEDトークの中で、好きでない仕事をしている人と一緒に過ごしているから、自分も好きでない仕事することになると言っており、大事なことは、「ワクワク生きている人と付き合う」ことだと言います。このTEDトークの中では、自転車を一人で練習するよりも、グループで練習した方が、速度が速くなるという研究結果を紹介しており、周りの人が自分に与える影響は、私たちが思っているよりも随分大きいようです。

周囲にいる人は大切であり、環境は重要ですが、それを決めるのは自分であり、これは良い方にも悪い方にも働きます。自分の仕事が嫌いな8割の人々は、現状を維持しようとし、自分にとって大切なことを追い求める妨げになるので、環境を管理する必要があるのです

スコット・ディンズモア|好きになる仕事はどうしたら見つかるのか

↑理想の働き方をしたければ、自分の理想としている働き方をしている人と共に過ごすこと (画像:TED│スコット・ディンズモア│好きになる仕事はどうしたら見つかるのか)

 

仕事を楽しみたければ、仕事を楽しんでいる人たちと共に過ごすことで、自分も楽しい仕事に就けるようになりますが、年収を上げたい場合も、同様に年収が高い人たちと過ごす時間を増やしていくことが最も重要であることを、数々の億万長者を調べた竹内正浩さんは証明しています。

よくいる周りの人、5人の平均年収があなたの年収

竹内 正浩|おっとりした人が最後に勝つ成功法則―30代で年収3000万円を実現した300人に聞いてわかった!

↑若くしてお金持ちになりたければ、年収の高い人たちと共に過ごすしかない

 

マッキンゼーの元コンサルタントで、エンジェル投資家として著名な瀧本哲史さんは、『君に友だちはいらない』の中で、大量の東京大学の合格者を出す名門高校の生徒と、それ以外の学校の生徒の学力は、入学当初はそれほど大きな差ではないが、周囲の生徒たちの意識の違いが、最終的に圧倒的な違いを生みだすと言っていますし、これは甲子園の常連校などにも同様のことが言えます。

全国どこの高校でも学習指導要領で教えることはある程度決まっており、教科書もほぼ同じものを使っていて、さらには、生徒によっては高校の授業をほとんど聞いていないにもかかわらず、常に毎年、灘、開成、麻布、ラ・サールなどの高校は、他の高校とはケタ違いの数の生徒を高校に送り込む。(中略) 明らかにそれらの学校では「東大に行くことが当たり前」であるがゆえに、多くの生徒が東大に行くのである。

瀧本哲史|君に友だちはいらない

↑東大に行きたければ、東大進学が当たり前の集団に身を置くことが最善の手段

 

周りの生徒や先生たちが、東大に進学することが当たり前と考えている学校の生徒が、最終的にその目標を達成することは、1964年にアメリ力合衆国の教育心理学者ロバート・ローゼンタール氏が実験した、教育心理学における『ピグマリオン効果』からも、考えることができます。ビグマリオン効果は、教師期待効果、 ローゼンタール効果とも呼ばれ、教師の期待によって学習者の成績が向上する心理的な行動のことを言います。

世界を代表する超巨大企業のソフトバンクグループを作り上げた、孫正義さんは、幼少期は住所がないほどの極貧生活を送っていたと言いますが、小さなころから父親に「お前は天才だ!」 と言われ続けたと語っており、そうした親からの期待がこれほどまでのことを成り遂げた要因の一つに思えます。

↑孫社長が「お前は天才だ!」と言われ続けたように、親や教師の期待は、子供の成長の幅を大きく左右する (画像: Bloomberg via Getty Images)

 

ナポレオン・ボナパルトが「人はその制服通りの人間になる」という有名な言葉を残していますが、自分がどのような人間になっていくかは、自分の役割やセルフイメージが深く影響しているとも言われています。

心理学者フィリップ・ジンバルド氏が、スタンフォード大学で行った『スタンフォード監獄実験』は、一般人から選ばれた21人が、11人の看守役と10人の受刑者役に分かれ、刑務所を模した施設の中で過ごした結果、時間の経過と共に、看守役は看守らしく、受刑者は受刑者らしい行動をとることを証明しました。当初、2週間を予定していた実験ですが、看守役が、実際の看守のように厳しい罰則や監禁などを受刑者役に与えるようになり、受刑者役の数名に精神的被害が出るまでに発展したため、わずか6日で中止となりました。

この実験から、元の性格は関係がなく、人間は役割を与えられることによって、その状態に陥る心理的作用を持っていることが証明されました。『スタンフォード監獄実験』は、監獄が舞台となったため、被害が出てしまいまいしたが、これを良い場面を想定し行うことで、良い役割を与えられた人が、大きな成長を得られるようになると考えられます。

↑人は性格に関係なく、どんな役割を与えられても、自然と自分の役割を全うしてしまう生き物である

 

人間は、潜在意識の中で、セルフイメージと呼ばれる「自分がこういう人間である」という自分の像を持っており、その高いセルフイメージ持っていれば、その高い能力まで自分自身を自然と成長させることが出来ますが、セルフイメージが低くなると自分を過小評価し、本来出来るはずのことまで出来なくなってしまうと言われています。

意識が無意識に影響を与え、無意識が潜在意識(セルフイメージ)に影響を与えると言われますが、言葉によって思考して物事を認識する人間は、意識的に自分が耳にする言葉を変えることで、潜在意識(セルフイメージ)をも変化させるとされており、孫社長のように小さな時から高いセルフイメージを持てるような言葉を聞き続けた人は、自然とセルフイメージが高くなっていきます。

つまり、自分がよく共に過ごす周りの人を変えることで、普段耳にする言葉が変わり、セルフイメージが変わり、その結果、自分の人生の可能性が大きく変わっていくというのは、道理に適っているようです。

↑自分が自分のことをどう認識しているかというセルフイメージ通りの自分になっていく

 

世界最大の成功報酬型アドネットワーク企業であるファンコミュニケーションズの代表取締役社長の柳澤安慶さんは、無意識を変えるために意識的に環境を変えることの重要性を、自身のブログの中で述べています。

残念ながらというか、当たり前ですが、ぼくらは生まれも場所も、時代も選べません。そこから生まれる環境は動かしようがなく、背伸びをすることもできません。ニトリの創業者にも、孫さんにもなれません。けれども大人になった今は自分で環境は選べます。昔、アイデンティティの経済学という本を読みました。行動経済学の本です。その本の中で印象的だったのは、「行動は無意識の規範で決まる」という言葉です。そう、未来で何をやるのかというのはぼくたちが環境の中で育てた無意識そのものだからです。

柳澤安慶|環境が人を作る、人が環境を作るという件について

↑生まれる場所や家族は変えられなくても、大人になれば環境は自分で選ぶことが出来る

 

周囲の人が発する言葉だけでなく、自分の耳は自分が発した言葉も聞いているということも、覚えておかなければなりません。人間の脳は、主語や否定形を認識しないと言われており、他人に向かって「可愛いね!」と言うと、脳は主語を認識せずに自分のことを『可愛い』と言っていると認識し、『簡単』ということを表現するために「難しくない」というと、否定形を認識しないため『難しい』と認識すると言われています。 そのため、ネガティブな言葉や、否定的な言葉は脳機能の観点から見てもなるべく発しないことが望ましいと言われていますが、なかなか口癖を変えられないという人も、一緒に過ごす時間が長い人を変えることで、簡単に自分の口癖を変えるが出来ることも研究からわかっています。

↑自分の言葉を一番聞いているのは自分であり、ネガティブ発言は自分をネガティブにする

 

1996年にイタリアのパルマ大学のジャコーモ・リッツォラッティ氏らがミラーニューロンという神経細胞を発見しました。ミラーニューロンとは、他の個体の行動を見た時に、自分自身が同じ行動をとっているかのように、”鏡”のように反応する神経細胞のことであり、神経科学における『この10年で最も重要な発見の一つ』とされていますが、このミラーニューロンが他の人を模倣することで、新たな技能を習得する際に役立っていると言われています。 このことから、常にポジティブな発言をし、前向きな人たちと一緒に過ごすことにより、自分もポジティブな発言をしていると脳が認識し、自分で意識せずとも自然と自分の口癖も変わっていることになり、ポジティブな言葉を自分で発して、自分の耳もポジティブな言葉を聞くことになります。

↑ポジティブな仲間を選べば、自然とポジティブな口癖が移る

 

ミラーニューロンは、人間が効率よく成長していくために非常に優れた神経細胞ですが、良いことも悪いことも周囲の人たちと同じように反応していくため、自分が身を置く環境は慎重に選らばねければなりません。

ハーバード大学医学部のニコラス・ クリスタキス教授が行った調査は、太った友だちを作ると自分も太る傾向が強くなり、肥満は人から人へウイルスのように伝染し、広がっていくことを証明して、世界に衝撃を与えました。

この研究は合計1万2067人を対象に、32年間におよぶ体重の遷移を、その人の配偶者、兄弟、親戚、友人関係などの社会関係とともに詳細に分析したという恐るべきものだ。調査の結果、「肥満の友人がいる人は57%の確率で太る」ということが明らかになった。

瀧本哲史|君に友だちはいらない

↑人は良い事も悪い事も、無意識のうちに環境に適応して、似ていく

 

多くの人が、天才は先天的なものであると考えていましたが、その常識を覆し、自分が身を置く環境やタイミングを正しく判断することで、天才は後天的に身に付けることができる能力であると証明したマルコム・グラッドウェル氏は、自身の著書の中で次のように言っています。

特殊な能力や大きな結果を得るには、周りの環境が大きく影響を受けるんだと思う。そのとき、その場所(right time, right place)にいることが出来るかどうかがその後を大きく左右する。

マルコム・グラッドウェル|天才! 成功する人々の法則

↑スティーブ・ジョブズもright time, right placeの重要性を述べていた (写真:Annette Shaff / Shutterstock)

 

インディアンのホピ族の言葉の中に「変えられるものを変える勇気と、 変えられないものを受け入れる広い心と、その違いが分かる知恵をありがとう。」と言う言葉があると言われていますが、普段一緒に過ごす人たちを変えるということは、勇気がいることかもしれませんが、勇気さえあれば、環境を変えていくことは誰にでも可能なことです。

世界を代表するコンサルタントの大前研一さんは、人間が変わる方法は三つしかなく、そのうちの一つが付き合う人を変えることであると言っています。

人間が変わる方法は三つしかない。一つは時間配分を変える、二番目は住む場所を変える、三番目は付き合う人を変える、この三つの要素でしか人間は変わらない。もっとも無意味なのは、「決意を新たにする」ことだ。かつて決意して何か変わっただろうか。行動を具体的に変えない限り、決意だけでは何も変わらない。

大前研一 (経営コンサルタント)|時間とムダの科学

↑普段付き合う人を変えることから、人生が動き出す

 

普段から一緒に過ごす時間が長い『5人』の平均が自分になるというのは、一見適当に言われた言葉のように思う人も多いかもしれませんが、心理学や脳機能の観点から見ても正しいように思えますし、何より数多くの世界中の成功者や億万長者たちが、実体験を持って至る所で『5人』が重要であると言っていることを考えても、明日から普段よくいる周りの『5人』を変えてみる価値は大いにあるように思えます。

日常的に付き合う集団を選ぶ能力こそ、失敗と成功をわける鍵だ

ハーバード大学 デヴィット・マクレラン教授

 

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